ある日『運命の番』に出逢ったオレに起こる、なんやかんや、でもやっぱり最高に幸せだと思う。

音羽 りんね

文字の大きさ
14 / 154

14.すごくすごく嬉しい

 

 それは言い過ぎだってケイトを見上げたら、ケイトはまっすぐに真剣にオレを見ていた。そして優しく頭を撫でてくれ、一度頷いて続きを促した。


「さすがに警察に捕まることはダメなことってしってたから困ったよ。
 それに警察官が言うんだよ、保護者を呼ぶからって。でも家にいるはずもないじゃん。どこにいるか知らないかって聞かれても何にもわからないし。
 それでもオレは簡素だけど、清潔な部屋と食事を手に入れられたから、ラッキーだった。

 何日か経って、警察官が母親が迎えにきたぞ!って言ってきて、面会室みたいなところに連れていかれた。

 ちゃんと母親がいたよ。オレは純粋に、よく見つけられたなって感心した。そしたら、ツカツカツカってやって来て、オレの頬を叩いた。あまりにも強い衝撃に細っこいオレは吹っ飛んだ。そして母親は言った。

『凛!どうして邪魔するの?ダーリンと蜜月中なのに!やっと見つけた運命の番なのよ!いつもは大人しく家に居てくれるのに、どうして大事な時にかぎって私を困らせるの!?信じらんない。凛がそんな子だと思わなかった!もう知らない!じゃあダーリンが待ってるから、さよなら』

 あの時の警察官たちの顔といったら...ぷぷっ笑える。

 まあそんな感じで、警察官は時が止まったようにポカンとしていたけど、ハッとなって急いで母親を連れ戻しにいった。

 そんなこんなで、最終的にオレは養育施設に入ったんだ。メイはその施設で出会った。オレとはだいたい同じ感じの境遇だったのもあって、よく話をした。あっという間に、信じられる人間はお互いだけになった。

 その施設には、圧倒的に勉強嫌いのガキが揃っていたけど、オレとメイは世の中にでて、金を稼ぐには勉強が必要だって分かっていたから、大学にいきたかった。その養育施設の進学制度は定員があったから選ばれる為に必死に二人で勉強した。なかなかに狭き門だったから、お互いを励まして褒めあったりして頑張ったんだよ。

 今の大学にちゃんと二人して合格して、進学できたのは本当に嬉しかった。このネックガードは、その時、記念にお互いに贈りあったんだ。今は施設から出て、メイとルームシェアをしてる。

 メイは、運命の番を信じてもいないし、アルファ性には差別的で、すごく厳しい。アルファ性は、揃って無責任だと決めつけてる。でもメイだって本当は、現実的な性格だし良くも悪くもアルファ性全てがそうだとは思っていないんだよ」

 ケイトは、オレが話している間ずっと抱きしめてくれていたから、安心して言葉が詰まることなく出てきた。
 顔を見上げると、額にチュってしてくれて、優しい目を向けてくれた。


「だから、メイはオレの家族そのものだから、ケイトがメイの言ったことを大事にしてくれたこと、メイとの約束を守ってくれたことがすごくすごく嬉しいんだ。ありがとうケイト。あと、あの時ヤキモチやいてごめん」


 ケイトはもう一度オレの額にキスをして、水が入ったペットボトルのフタを開けて渡し、頭を撫でてくれた。


「オレとメイは、性格が良いとはとてもじゃないが言えない。二人してひねくれてる。オレとの事、後悔した?」


「まさか。俺はひねくれてる奴が大好きなんだ。ひねくれてるパンも大好物だ。それに焼きもちも大好物」


 ぷっふはははっ。
 こうやって気遣ってくれるところ、本当に好きだわ。


「いっぱいしゃべって疲れたな、交代しよう」


「うん 。ケイトの話ききたい」


「俺は、四ノ宮京利、23歳。将来は四ノ宮グループの中枢のひとりになる男だ。凛の幼なじみは名乗った時点で気づいたようだな。この名前だから、凛の番になるための厳しい一次選抜は突破できたんだと思っている」

 
 
 ええぇぇぇ!!!?まじか




感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。

言葉が通じない暴君皇帝の運命の番として召喚されました〜炎を鎮めたら冷徹な彼が甘々になりました〜

水凪しおん
BL
帰宅途中の夜道、突然の光に包まれた青年・アオイが目を覚ますと、そこは見知らぬ異世界の宮廷だった。 言葉も通じず、隔離された離宮に閉じ込められた彼が出会ったのは、ソラリア帝国を統べる皇帝・レオニダス。 強大な竜の血を引き、その力に肉体を焼き尽くされそうになりながら孤独に耐える冷徹なアルファ。 だが、特別な魔法を持たないはずのアオイには、彼の荒れ狂う魔力を静かに鎮める「不思議な波長」が備わっていた。 「触れるな」 お互いを傷つけることを恐れ、遠ざけようとする不器用な皇帝。 だが、アオイは苦しむ彼を見捨てられず、自ら灼熱の炎の中へと飛び込んでいく。 言葉の壁を越え、魂の波長が重なり合った時、冷徹な皇帝の態度は一変。 誰よりも優しく、独占欲に満ちた重すぎる溺愛が始まって――。 孤独な竜と、彼を癒やすただ一人のオメガ。 二人が真の「運命の番」となるまでの、切なくも温かい異世界救済ボーイズラブ。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。