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3 神子の力
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かちゃかちゃという物音に気が付いて目が覚めた。
そっと横を見れば部屋の中に誰かがいた。びっくりしてばっと飛び起きると、その知らない人は俺を見て「ひぃぃぃっ! お助けをぉぉぉ!」と言って部屋を出て行ってしまった。
テーブルの上には何かが置かれていて、ベッドから降りて近づいてみればどうやら食事を持ってきてくれたみたいだった。
というか、あれってメイド、だったよな。初めて本物のメイドってやつを見た。すぐに逃げられてちゃんと見れなかったけど。
「夢じゃなかったんだ」
起きたら自分の部屋に戻っていて欲しかったけど、どうやらそれは叶わなかったらしい。
だけどこんな状況にも関わらず、爆睡できた俺って結構神経図太いのかも。
テーブルの上に置かれたものを見れば、ドロドロのポタージュのようなスープに丸パンが2つ。それが俺の朝食らしい。内容がいいのか悪いのかもわからないけど、何も食べられないよりかはよっぽどマシだ。
側に置かれていたスプーンを手に取り一口掬う。くんくんと匂いを嗅いでみるも、変な匂いは全くなくむしろ美味しそうな匂いがした。とりあえず毒はないだろうと口に入れる。少し甘みのある美味しいスープだった。
パンも割と柔らかくて食べやすかった。スープに浸しながら食べていればあっという間に朝食は終わった。
さて。これからどうなるんだろうか。
俺は部屋から出ることは出来ないから、何か言われるまでここで待つしかない。窓もないから外がどうなっているのかもわからない。天井を見上げれば前の世界のように灯りが付いていた。凄く明るいわけじゃないけど、コレのお陰で窓が無くても何とかなっている。
「風呂でも入るか」
昨日風呂にも入らず寝てしまったから、顔を洗うついでに風呂に入ろう。そう思って浴室へと向かう。
浴室内には石鹸などの最低限の物はちゃんと置かれていた。ただどうやってお湯を出せばいいのかさっぱりわからない。前の世界のように蛇口はあるが、捻る場所がなくどうやって使えばいいかわからなかった。
「そういや着替えとかもないんだよな」
着の身着のまま何も持たずにここへ来てしまったから当然替えの服も下着もない。誰かがこの部屋に来たときに聞くことにしよう。ちゃんと答えてくれるかはわからないけど。
結局風呂に入ることも顔を洗う事も出来ず、部屋に戻り椅子に腰かける。そのまま背もたれに体重を預け、これからどうなるんだろうと不安な気持ちが顔を出す。
昨日、神子の力があるかどうかを確認した時「お前は神子で間違いない」と言われたからすぐに殺されることはないんだと思う。だけど俺の顔を見た後の周りの状況を見れば、あまり良い状態ではなさそうだ。
ただ神子だとして、俺は一体何をやらされるんだろう。こういう時、神子召喚の話だと何があったっけ。魔王討伐とか?
もしそんなことを言われても俺には無理だろう。部屋からほとんど出ないニートだぞ。当然運動なんてしてないし、長旅に付いて行けるとも思えない。
しかも魔王を倒すとか現代日本で生まれ育った俺が出来るわけがない。魔王を目の前にしたら、きっと恐怖で気絶するぞ。
「戦いだけはやめて欲しいな……」
昨日の状態を見れば、そんな俺の願いは聞き入れられることはないんだろうけど。
と、この先の不安要素を考えていたら扉がノックされた。はい、と返事をすると鍵が外される音が鳴り扉が開いた。
「おい。今日からお前に神子としての教育を始める。感謝するように」
部屋に入って来たのは、昨日神子の鑑定とこの部屋に案内した白い服を着た男だった。昨日同様、俺を見る目が侮蔑を込めた瞳だ。
そしてもう1人。眼鏡をかけた男が一緒に入って来た。そして俺の顔を見るなり「ひっ……」と小さく悲鳴を上げると真っ青になってしまった。
「この人は神子について研究しているロージアンだ。神子の能力について一番よく知っている為お前の教育係に抜擢された。お前が神子としての力を発現出来るよう協力してくれる。有難く教えを受けろ」
白い服を着た男はそう言うなりさっさと部屋を出ていった。残されたのは真っ青な顔をして俯く眼鏡の男。
「……よろしくお願いします」
「ひぃっ! しゃべったっ!!」
いや、普通に喋るから。っていうか今気が付いたけど、普通に会話が出来てるんだよな。こっちの世界の人とも問題なく喋れてる。これって異世界転移の特典だろうか。
「あ、あのっ……! ま、まずはこの本を、読んでみて、くださいっ……」
眼鏡の男、ロージアンさんはそう言うと手に持っていた一冊の本をすっとテーブルの上に置いた。それに視線を送ると、表紙には『神子の能力について』と書かれている。
その本を手に取りぱらぱらとページをめくって中を確認すると、表紙にある様に神子が持つ能力について書かれていた。
「こ、この本が、読めますか?」
「はい、読めます」
会話が出来るだけじゃなく、この世界の文字も読めることが分かった。これも転移特典なんだろうか。
「そうですか! で、では今日はこの本を読んでいてください! 私は急用を思い出しましたのでこれで失礼いたします!」
ロージアンさんは叫ぶようにそう言って部屋を出て行ってしまった。
というか授業をするんじゃないのか? まぁ嫌な顔をされながら授業をするよりよっぽどいいけど。
仕方ないので渡された本を読むことにする。本を読み進めていくにつれてわかったことは『神子の能力には瘴気の浄化、治癒、結界強化、豊穣の祈り』があるということ。しかも結界の強化以外は神子にしか出来ないことらしい。
魔力は誰でも持っているが、神子の魔力は特殊なんだそうだ。どうやらこの世界へ転移する時に女神テラから祝福を受けるせいだとか。その魔力を使って瘴気を浄化したり、治癒魔法が使えたりするらしい。
「魔力……」
どうやって使うんだろう。本をぱらぱらとめくってみても魔力の使い方はどこにも載っていなかった。本に書かれているのは神子の力についての記載のみ。本も薄い為、あっという間に読み切ってしまった。
「このあとまたロージアンさんが来てくれるんだろうか」
読み切った本を手に待ってみたが、この日ロージアンさんが訪ねて来ることはなかった。
そっと横を見れば部屋の中に誰かがいた。びっくりしてばっと飛び起きると、その知らない人は俺を見て「ひぃぃぃっ! お助けをぉぉぉ!」と言って部屋を出て行ってしまった。
テーブルの上には何かが置かれていて、ベッドから降りて近づいてみればどうやら食事を持ってきてくれたみたいだった。
というか、あれってメイド、だったよな。初めて本物のメイドってやつを見た。すぐに逃げられてちゃんと見れなかったけど。
「夢じゃなかったんだ」
起きたら自分の部屋に戻っていて欲しかったけど、どうやらそれは叶わなかったらしい。
だけどこんな状況にも関わらず、爆睡できた俺って結構神経図太いのかも。
テーブルの上に置かれたものを見れば、ドロドロのポタージュのようなスープに丸パンが2つ。それが俺の朝食らしい。内容がいいのか悪いのかもわからないけど、何も食べられないよりかはよっぽどマシだ。
側に置かれていたスプーンを手に取り一口掬う。くんくんと匂いを嗅いでみるも、変な匂いは全くなくむしろ美味しそうな匂いがした。とりあえず毒はないだろうと口に入れる。少し甘みのある美味しいスープだった。
パンも割と柔らかくて食べやすかった。スープに浸しながら食べていればあっという間に朝食は終わった。
さて。これからどうなるんだろうか。
俺は部屋から出ることは出来ないから、何か言われるまでここで待つしかない。窓もないから外がどうなっているのかもわからない。天井を見上げれば前の世界のように灯りが付いていた。凄く明るいわけじゃないけど、コレのお陰で窓が無くても何とかなっている。
「風呂でも入るか」
昨日風呂にも入らず寝てしまったから、顔を洗うついでに風呂に入ろう。そう思って浴室へと向かう。
浴室内には石鹸などの最低限の物はちゃんと置かれていた。ただどうやってお湯を出せばいいのかさっぱりわからない。前の世界のように蛇口はあるが、捻る場所がなくどうやって使えばいいかわからなかった。
「そういや着替えとかもないんだよな」
着の身着のまま何も持たずにここへ来てしまったから当然替えの服も下着もない。誰かがこの部屋に来たときに聞くことにしよう。ちゃんと答えてくれるかはわからないけど。
結局風呂に入ることも顔を洗う事も出来ず、部屋に戻り椅子に腰かける。そのまま背もたれに体重を預け、これからどうなるんだろうと不安な気持ちが顔を出す。
昨日、神子の力があるかどうかを確認した時「お前は神子で間違いない」と言われたからすぐに殺されることはないんだと思う。だけど俺の顔を見た後の周りの状況を見れば、あまり良い状態ではなさそうだ。
ただ神子だとして、俺は一体何をやらされるんだろう。こういう時、神子召喚の話だと何があったっけ。魔王討伐とか?
もしそんなことを言われても俺には無理だろう。部屋からほとんど出ないニートだぞ。当然運動なんてしてないし、長旅に付いて行けるとも思えない。
しかも魔王を倒すとか現代日本で生まれ育った俺が出来るわけがない。魔王を目の前にしたら、きっと恐怖で気絶するぞ。
「戦いだけはやめて欲しいな……」
昨日の状態を見れば、そんな俺の願いは聞き入れられることはないんだろうけど。
と、この先の不安要素を考えていたら扉がノックされた。はい、と返事をすると鍵が外される音が鳴り扉が開いた。
「おい。今日からお前に神子としての教育を始める。感謝するように」
部屋に入って来たのは、昨日神子の鑑定とこの部屋に案内した白い服を着た男だった。昨日同様、俺を見る目が侮蔑を込めた瞳だ。
そしてもう1人。眼鏡をかけた男が一緒に入って来た。そして俺の顔を見るなり「ひっ……」と小さく悲鳴を上げると真っ青になってしまった。
「この人は神子について研究しているロージアンだ。神子の能力について一番よく知っている為お前の教育係に抜擢された。お前が神子としての力を発現出来るよう協力してくれる。有難く教えを受けろ」
白い服を着た男はそう言うなりさっさと部屋を出ていった。残されたのは真っ青な顔をして俯く眼鏡の男。
「……よろしくお願いします」
「ひぃっ! しゃべったっ!!」
いや、普通に喋るから。っていうか今気が付いたけど、普通に会話が出来てるんだよな。こっちの世界の人とも問題なく喋れてる。これって異世界転移の特典だろうか。
「あ、あのっ……! ま、まずはこの本を、読んでみて、くださいっ……」
眼鏡の男、ロージアンさんはそう言うと手に持っていた一冊の本をすっとテーブルの上に置いた。それに視線を送ると、表紙には『神子の能力について』と書かれている。
その本を手に取りぱらぱらとページをめくって中を確認すると、表紙にある様に神子が持つ能力について書かれていた。
「こ、この本が、読めますか?」
「はい、読めます」
会話が出来るだけじゃなく、この世界の文字も読めることが分かった。これも転移特典なんだろうか。
「そうですか! で、では今日はこの本を読んでいてください! 私は急用を思い出しましたのでこれで失礼いたします!」
ロージアンさんは叫ぶようにそう言って部屋を出て行ってしまった。
というか授業をするんじゃないのか? まぁ嫌な顔をされながら授業をするよりよっぽどいいけど。
仕方ないので渡された本を読むことにする。本を読み進めていくにつれてわかったことは『神子の能力には瘴気の浄化、治癒、結界強化、豊穣の祈り』があるということ。しかも結界の強化以外は神子にしか出来ないことらしい。
魔力は誰でも持っているが、神子の魔力は特殊なんだそうだ。どうやらこの世界へ転移する時に女神テラから祝福を受けるせいだとか。その魔力を使って瘴気を浄化したり、治癒魔法が使えたりするらしい。
「魔力……」
どうやって使うんだろう。本をぱらぱらとめくってみても魔力の使い方はどこにも載っていなかった。本に書かれているのは神子の力についての記載のみ。本も薄い為、あっという間に読み切ってしまった。
「このあとまたロージアンさんが来てくれるんだろうか」
読み切った本を手に待ってみたが、この日ロージアンさんが訪ねて来ることはなかった。
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