【完結】化け物神子は白蛇に愛を請われる

華抹茶

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22※ 魔力譲渡で…

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 オースティンさんの部屋へ入るとすぐに寝室へと向かう。寝室の扉を開ければオースティンさんが横たわっていた。側へと駆け寄るなり直ぐに手を握り魔力譲渡を行う。

 握ったその手は冷たくていつもの温もりはなかった。顔色も真っ青を通り越し土気色に。死んでいると言われても納得する状態だった。
 いつもより多めに一気に魔力を流し込む。だけどオースティンさんの中へ入った魔力はいつも以上に吸収が悪かった。

 早く、早く! 俺の魔力を吸い取って!

 願うように必死に魔力を注いでいく。吸収は悪いが、それでもゆっくりゆっくりと染みわたっていく。だけどこれはいつもより時間がかかりそうだ。
 それでもいい。俺には膨大な魔力がある。オースティンさんは全回復するまで魔力譲渡をするなと言うけど、今日は全回復させるつもりで注いでやる!

「ヒカル様っ……オースティン様はっ……」

「ヘンリーさん、大丈夫。今ゆっくりだけどちゃんと吸収してる。でもいつもより時間がかかりそうだから、部屋で休んでて」

 正直俺も必死で魔力を注いでいる。心配なのはわかるけど、後ろでウロウロされると気になってしまう。
 俺の気持ちがわかってくれたのかわからないけど、ランドルからも「ヒカル様にお任せしておけば大丈夫」と言われ、俺を残して全員寝室から出ていった。

 これで集中して魔力を注ぐことが出来る。俺は目を瞑り、魔力の流れを感じながらオースティンさんへ魔力を流し込んでいく。
 少しずつだけど、順調にオースティンさんの体の中に魔力が少し溜まって来た。よし、この調子だ。

「うっ……」

「オースティンさん!? 気が付いたの!?」

 どれほど時間がかかったのかわからないけど、オースティンさんから声が聞こえて慌てて顔を覗き込む。するとうっすらと目を開け縦に伸びた瞳孔が見えた。

「……もっと」

「え!? 何!?」

 声が小さくて上手く聞き取れない。ちゃんと声を聞こうと顔を近づけた。
 
「たり、ない……もっと……」

 俺と繋いでいない左手が伸びて来て、その手が後頭部へと回される。そしてそのままぐっと引き寄せられ、俺とオースティンさんの唇が重なった。

「!?」

 そのことに衝撃を受けたその直後、ぬるりとオースティンさんの舌が侵入し俺の舌に触れた。そのままぴちゃぴちゃと弱々しい動きながらもオースティンさんの舌が動いていく。

「んっ……ふ……」

 どうしてこんな状況になっているのかさっぱりわからない。だけど初めての感覚に戸惑い、挙句に気持ちいいとか思ってしまった。
 後頭部に回された手は動かない。力が強いわけでもない。振りほどこうと思ったら振りほどけるくらいだ。

「!?」
 
 どうしてこんなことに。そう思っていたが、ちょっと冷静になってきたからかわからないが、触れ合った舌から勢いよく魔力が吸われているのがわかった。

 そして魔力の流れを感じてみれば、手から魔力を注ぐよりも何倍も早くオースティンさんの中へ俺の魔力は浸透している。
 オースティンさんの中に魔力が満ちていくにつれ、後頭部に回された手に力が籠っていく。いつの間にか繋いでいた右手は、俺がオースティンさんに握られる形になっていた。

 その繋がった右手が俺の手から離れる。するとすぐに背中に回され、ぐっと抱き寄せられてしまった。そのせいで、俺はオースティンさんの上に覆いかぶさる形で抱きしめられてしまう。
 オースティンさんの舌の動きは弱々しさから一転、荒々しく俺の口内を暴れ回っている。舌を吸われ、上顎や歯列に舌が這わされる。

「んんっ……」

 やばい、気持ちいい……。
 不謹慎にもそんなことを感じながら、俺はオースティンさんにされるがままになっていた。

「んんっ!?」

 そしてオースティンさんによって体の位置が入れ替わる。ぐいっと反転させられ、オースティンさんが俺に覆いかぶさる形になってしまった。その間もずっと唇はくっついたまま。

 オースティンさんが上になったことで、もっと激しく口内を弄られることになってしまった。ぴちゃぴちゃとした水音の中にじゅるっと吸い上げる音。オースティンさんは俺の唾液も吸い取っているようだった。
 
 あまりの気持ちよさに、俺の下半身に熱が籠ってしまっている。バレたらヤバイ! そう思って足をもじもじとさせていたら、ふいにオースティンさんが身を起こし俺から離れた。

「オースティン、さん……?」

 オースティンさんの金の瞳は、いつもとは全く違い怪しく光っていた。そして熱に浮かされたような表情で、俺を見つめている。

「ヒカル様……もっと、欲しい。貴方の力を、もっと……」

 ぼそりとそう言うと、俺のズボンに手をかけ一気にずり下ろした。

「え!?」

 ズボンだけかと思いきや、下着も一緒に下ろされてしまい下半身が丸出しになっている。オースティンさんに口内を好きにされたお陰で俺のアソコはすっかり立ち上がってしまっていた。

 それをオースティンさんに見られてしまい、慌てて手で隠そうとする。が、それよりも早くオースティンさんはソレを口に含んでしまう。

「はぁ!? な、ちょっ……んあっ!」

 口に含んだと思ったら、じゅるじゅると一気に吸い上げられ恐ろしいほどの快感が体中を駆け巡った。いきなりの刺激に俺はびくりと仰け反ってしまう。

 自分で抜いたことはあっても、誰かにこんな風にされたことなんてない。初めての感覚に俺は何も出来なくなってしまった。
 オースティンさんは容赦なく俺の分身をしゃぶっている。頭を上下に振り卑猥な音を立てまくっていた。

「ひあっ……まっ、て……それ、以上っ……した、らぁっ……!」

 初めて口の中に包まれて勢いよく吸い上げられたことで、俺はもうイってしまいそうだった。このままイッてしまえばオースティンさんの口の中へと放ってしまう。
 それだけは絶対ダメだと必死で我慢するが、止まらないその行為に俺は白旗をあげることになった。

「んぐぅっ……!」

 とうとう我慢出来ず、オースティンさんの口の中へびゅるっと勢いよく放出する。それに気が付いたオースティンさんは、一瞬びくっと体を震わせるが口から俺の分身を離す気はないらしい。咥えたままで、ごくっと喉が鳴る音が耳に届いた。

「ま、さかっ……!」

 飲んだ!? 精液飲んだ!?
 混乱している俺を他所にオースティンさんは残留すら搾り取る様に吸い上げると、満足したのかゆっくりと口から解放してくれた。

 俺は1人、はぁはぁと息が上がってしまっている。オースティンさんはうつろな瞳で俺を見ると、いつも無表情のオースティンさんが柔らかく笑った。
 その初めて見る笑顔に衝撃を受け、俺は微動だにすることが出来ない。

「……美味し、かった……」

「え!? オースティンさん!?」

 オースティンさんは一言味の感想を伝えた後、そのままぱたりとベッドへと倒れこんでしまった。
 顔を見ればすーすーと寝息を立てている。顔色はすっかり良くなっていて、頬には赤みが差している。

「……一体何が起こったんだ?」

 俺の言葉は、2人きりの寝室に消えていった。
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