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第一章
第二話 東部方面軍
しおりを挟む湿った地面をふむ音が後を絶たない。と言っても2人しか歩いていないけど。こんな場所さっさと出てぇ…。歩き始めて3時間半。もうつくはず…
「ねぇールイス…大尉。なんでよりによっても東部方面軍なの?もういっその事さっきの中隊の車借りて帝都に戻ってもいいじゃん…」
「やなこった…またあの中将の手駒としてせかせか働くなんて…」
「軍人なんて上層部の命令に従うもんでしょ…?」
確かに軍人にとって命令は絶対…。でもあの中将はおかしすぎる…なんでまだ現役なんだよ…。普通に部下を殺すような人間さっさと死んでしまえばいいのによ…
「はぁ…まぁ…いいから。東部方面軍には、アルストもいるし…」
「どーだか、そんなこと言って帝国三大美女のペルシア准将に会いたいだけでしょ?」
三大美女か…帝国軍の軍神ペルシア准将。女優のアルシナさん…聖女のエレナさん…なんかもうすごいじゃ表しきれんな。
「はぁ…てか!昇進試験…2週間後やん…」
「いやおめおめすぎだわ。とうとう佐官の仲間入りですか少佐」
「受かってもねぇーのに少佐はやめい。昇進試験まであと2週間気を引き締まっていこー」
昇進試験…本当にどっしよ…2週間くらいかな?
「あー僕は悲しいよー、アリアちゃんと会えなくなるのー」
「その茶番みたいなのやめんかい!」
「いてっ!」
アリアはルイスの頭を叩いた。
「っ!アリア臨戦態勢…」
木の上から何者かが降りてくる。
「…ん?その階級章…大尉殿と准尉殿ですか?小官はアベル伍長であります。現在新種の猿の調査をしておりまして…」
軍人が猿を研究する…?そんな任務なのかな?
「貴官のその調査とやらは任務なのか?」
「いえ、自己的にやっているもので…あっ、生物調査課に所属しているので任務とも言えるかもしれませんね」
どっちかーい。でもなんか羨ましい…
「了解した。我々はこのまま進む」
「サラダバーなの」
その時、極寒の風が吹いたくらい寒くなった。サラダバーなの…さらばなのってことか…。つ、つまんねぇ……
「准将閣下。先日ロットル帝国と極秘会談をしたとか…。そう言うのやめてくださいと言いましたよね。国防に係わります」
豪華な椅子に座る金髪の女性は肘をついている。そう帝国三大美女のペルシア准将だ。
「グリマス中佐…私は東部方面軍副司令官としての責務を全うしているだけだ」
「…、了解しました…ですが今後はわたしなどを通してください…」
呆れながらグリマスは言う。
「どうかな、その時覚えていたらな」
「はぁ…」
いつも…同じ夢を見る…あいつが死ぬ夢を…
「ルイス…俺を置いていけ!」
「無、無理だよ…ふ、二人で生き抜こうって…」
「ルイス少尉!これは上官命令だ!」
ルイスの足は怯む。
「くっ、!」
「そう…それでいい…」
男は自分の腹部を押さえている。
「はぁ…お腹に命中とは…つらい…」
そう言って男は息を引き取った。
「ス…イス…ルイス…!」
「んあっ?」
「んぁ?じゃないよ。なんで宿舎ですぐ寝るかね…。早く本部に行くよ!」
と忙しく準備をし、ルイスとアリアは東部方面軍本部に向かった。
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