永遠への階~オルセレイド王国物語~

弥生

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第55話 悦楽の渦 *

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「あっ・・・・・・」

 柔らかなシーツの上にうつ伏せになったシルフィアは、何もわからないまま膝を立たされた。
 そして、腰を高く上げて脚を大きく広げられる。
 これではまるで、獣のような格好だ。

「やっ・・・・・・」

 不安にかられて振り仰げば、アークレイは安心させるように笑みを浮かべ、首筋へと口づけが落とされた。

「大丈夫だ・・・初めてのときはこの体勢が一番楽だからな。それにしても・・・・・・」

 つうっ・・・と指で背を撫でられ、びくっと身体が震えた。

「シルフィアは背中も綺麗なのだな・・・透き通るように白くて、まるで雪原のようだ」

「その・・・ような・・・・」

「細い身体、細い腰、細い脚・・・どこもかしこも細いな。貴方は肉類を多く摂られないようだが、もう少し太ったほうがよいのではないか?」

 くくっと笑ったアークレイは両手で腰を掴み、背に口づけを落としてくる。
 軽く触れるものから吸い付くようなものまで。
 肌に口付けられるたびにその場所から甘い疼きが湧き上がり、シルフィアはシーツを握り締めてその疼きを堪えようとするが、未だ快感が渦巻く身体にはそれを拒む術はなかった。
 中途半端に投げ出されたままのシルフィアの前が、はしたなく震えて雫をシーツにこぼしていた。

「ここも・・・・・・俺に散らされるのを、今か今かと待ち望んでいるかのようだ」

「ひあっ」

 指で触れられ、弧を描くように縁を撫でられ、濡れて蠢いているであろう後ろをアークレイに見られているということが、死にそうなほどに恥かしかった。

「いやっ・・・・・・」

「嫌ではないだろう?シルフィア・・・・・・俺が、欲しいだろう?」

 今度は指ではなく、もっと熱くて、濡れた生々しい感触が宛がわれた。
 それがアークレイの熱い昂りなのだと気づき、全身の血という血が逆流するのではないかと思うほどの波が体中を襲う。

「良いか?貴方の中に入っても良いか?」

「アークレイ、様・・・・・・」

 搾り出すようにこぼれた声は、自分でも驚くほどに震えていた。
 恥かしさよりも、アークレイを欲する想いのほうが強かった。

「欲しい、です・・・・・・」

「シルフィア・・・・・・」

 愛しむように名を囁かれ、背中に口付けが落とされる。

「力を入れるな、シルフィア。俺だけを感じてくれ・・・・・・」

 ぐっと硬く大きなものが、貫くように埋め込まれる。

「ひあっ!!」

 想像していた以上の圧迫感と衝撃に、シルフィアは背を逸らして悲鳴を上げていた。
 指などとはまるで違う太いものが、中へ中へと入っていく。
 それを締め付ける窄まりが、まるで悲鳴をあげているかのように熱かった。

「あ・・・ああ・・・・・あっ・・・・・・」

「シルフィア・・・すまない・・・少し、我慢してくれ・・・・・・」

 シルフィアを傷つけないために気遣っているのだろう。
 ゆっくり、ゆっくりと、時間をかけてアークレイの昂りが狭い内側を進んでいく。
 香油のためだろうか、あるいはアークレイが気遣っているからだろうか、強烈な圧迫感はあるものの、不思議とほとんど痛みは感じなかった。
 アークレイが身を進めてくるたびに、繋がり合った後ろも、擦れ合った内側も痺れ、甘い疼きが湧き上がってくる。
 その疼きが快感なのだと気づくのに、そう時間はかからなかった。

「あ・・・・・・は・・あ・・・・・っ・・ん・・・・・」

 無意識に漏れ出でる声にも、次第に甘さが含まれていく。

「痛くはないか?」

 優しく気遣うアークレイの声に頭を振れば、褒美とばかりに背に口づけが何度も落とされた。

「初めてにしてはなかなかの感度だ。ああ・・・・・・シルフィアの中はとても熱いな・・・・・・俺のを咥えて離そうとしない」

「そんなこと・・・・・・ああっ!」

 ずんっと最奥を突かれ、激しい刺激に下肢が震えてたまらず声をあげていた。

「・・・・・・ほら・・・全部、入ったぞ・・・・・・」

 信じられないほど奥深くまで、熱い滾りが納められていた。
 シルフィアはシーツに顔を埋めたまま、荒い吐息を吐き出すことしかできなかった。

「俺が内側にいるの、わかるか?」

 こくこくと頷けば、アークレイの指が思わぬ場所に触れ、ひくっと身体が震える。
 アークレイを受け入れて目一杯その形に広がった、アークレイと繋がるその境目を、シルフィアにわからせるように指がなぞっていく。

「ここで繋がっているのだ。わかるか?」

「・・・・・・は、い・・・・・・」

 嬉しくてたまらなかった。
 脈打つアークレイの昂りの熱が伝わってくる。
 アークレイと繋がっているのだと、一つになっているのだという悦びに心が満ちていた。

「シルフィア・・・・・・ようやく、貴方と一つになれた・・・・・・」

 どうやら、アークレイも同じ想いを感じてくれていたらしい。
 背中を抱かれより身体が密着し、内側が擦れ、シルフィアは短く声をあげた。

「すまない、痛いか?」

 気遣うような声で問われて、シルフィアは小さく首を振った。

「大丈夫、です・・・・」

「しかし・・・・・・」

「痛みは、ございません・・・・・・」

「シルフィア・・・・・・」

「身体が熱いのです・・・・・・お願いです・・・この熱は、貴方様でないと・・・・・・鎮まりません・・・・・」

 奥底から何かがあふれ出してくるかのようだった。
 全身がアークレイを求めて叫んでいた。
 この先にあるものが何なのかはわからないが、アークレイと共になら溺れてみたい。
 僅かに身体を捻って背後のアークレイを見上げると、目を見開いたアークレイがふっと目を細めて微笑んだ。

「・・・・・・俺もだ、シルフィア・・・・・・」

 中を満たしていたものがゆっくりと引かれ、擦れた場所から痺れるような甘い快感がじわりと染み出す。
 入り口ぎりぎりまで引かれた熱が、再び収縮した内側を侵し、奥へ奥へと入っていく。

「あっ・・・・ああっ・・っ・・・・あっ・・・ん・・・・・」

 緩慢な抽挿が繰り返されるたび、頭の先まで蕩けるような快感に襲われる。
 繋がった場所から漏れる淫靡な音が羞恥を高め、一層、シルフィアを快楽の渦へと落そうとする。

「シルフィア・・・・・・感じるか?」

「ああっ・・・あ・・・・・あっ・・・・あっ!・・・・・・」

 弱いところを責められて、自分でも信じられないほど甘い喘ぎが口からもれた。

「熱い・・・・・・シルフィアの中はとても熱い・・・気を抜けば、すぐに達してしまいそうだ・・・・・・」

 アークレイの声も、どこか切羽詰まった甘い声だった。
 奥を貫かれ、揺さぶられ、擦られ、もう何も考えられなくなっていく。
 気が狂いそうなほどの快感に、頭の中は真っ白になっていた。
 シルフィアの前は、快楽のままに昂ぶり、身体を揺さぶられるたびに雫をこぼしていた。

「も・・・もう・・・・・・アークレイ、様・・・・・・」

「ああ・・・・・俺ももう、限界だ」

 ぞくっとするような色気に満ちた声に、背中を甘い痺れが走る。
 抽挿の速度が速められ、アークレイの手が、解放を促すようにシルフィアの前に触れてきた。

「ああ、あ、・・・あ!・・・やっ・・・もっ・・いっ・・・・ああ!!」

 背中に圧し掛かるように身体を重ねてきたアークレイに、最奥を突き上げるように大きく貫かれた。
 その強烈な刺激にシルフィアは耐え切れず、アークレイの手の中で昂りを解放させていた。

「くっ・・・・・」

 ほぼ同時に呻いたアークレイが、シルフィアの狭い内側で達した。

「ああっ・・・・・・」

 最奥に放たれた灼熱の滾り。
 総毛立つ震えが体を襲う。
 シルフィアの中を満たす熱いそれがアークレイのものなのだと、シルフィアを求めた証なのだということに心が昂揚した。
 過ぎた衝撃から一瞬意識を飛ばしていたシルフィアの背からアークレイの重みがなくなり、内側から熱い昂りがゆっくりと抜かれた。

「あ・・・あ・・・・・・」

 その感覚に、過敏なシルフィアの身体がひくひくと震える。
 中を満たしていたものがずるっと抜け落ちた瞬間、つう・・・・・・と何かがシルフィアの内腿を伝い落ちていく。

「シルフィア・・・・・・」

 肩を押され、放埓の余韻で力が抜けていたシルフィアの身体は、いとも容易くシーツへと崩れ落ちる。
 そして、熱い吐息を絡めるように口づけられた。

「ふ・・・っ・・・ん・・・・・・」

「シルフィア・・・・・・なんという甘い香りだろう・・・くらくらと眩暈がするな・・・・・・」

「アークレイ様・・・・・・」

 そう言うアークレイも男の色香を醸し出し、シルフィアはその香りに誘われるように、アークレイの頬に手を添えて自ら口づけていた。
 唇を離すと、アークレイはなぞるように自らの唇を舐める。

「シルフィア・・・・・・それは、俺を誘っているのか?」

「え・・・・・・?」

 いきなりシルフィアを仰向けにすると、アークレイは白い脚の内側を大きく広げた。

「やっ!」

 突然のことに驚くシルフィアだったが、全てをアークレイの目の前に晒す、そのあまりにも淫らな自分の格好に羞恥を覚えて腰を引こうとした。
 だがそれよりも早く、アークレイがシルフィアの脚を胸に付くほどにまで押し付けてくる。

「やっ!だめっ!だめです!」

「何故だ?」

「みっ・・・・・・見ないでください!」

「何故だ?見ないなんて勿体無いだろう?」

 アークレイの視線を感じ、たまらず両手で顔を覆った。
 一度アークレイの昂りを受け入れたその場所は、淫らに濡れ、アークレイを欲して蠢いているに違いなかった。

「ふふ・・・・・・可愛いな、貴方のここは・・・・・・」

「やっ!」

 アークレイの指が二本、蕩けきった窄まりにあてがわれた。
 そして湿った音をたて、狭い入り口をかき分けるように中に押し入ってくる。

「あ・・・は・・・・・・」

 先ほどまで指などよりも太いものを受け入れていた内側は、いとも容易くそれを呑み込んでいく。
 圧迫感など少しも感じない。
 それどころか、もっともっと奥まできてと、誘うように収縮してその指を締め付けていた。
 一番弱い箇所を抉られれば、ビクビクと下半身が悦びに引き攣った。
 人差し指と中指、付け根まで入れた指で中を掻き回されると、たまらず声をあげてしまう。
 嬌声は艶を帯び、それが自分の声だということが信じられなかった。

「ああ・・・・・・凄いな。貴方の中、香油と俺の精液が交じり合ってぐちゃぐちゃだ」

「っ!そのようなこと・・・・・仰らないで、くださいっ・・・・・・」

「何故だ?本当のことだぞ?ほら・・・・・・」

 指を抜き差しされ、中を満たしていた大量の液が溢れだし、厭らしいほどに濡れた音がやたらと大きく耳に響いた。

「やあ・・・・・・や・・・・・・音、ぃあ・・・っ・・・・・・」

 嫌だと言っているのに、アークレイは意地悪をするかのようにわざと音たてる。
 敏感な場所を抉られ、中を掻き乱され、全身に快感があふれてシルフィアの理性が奪われていく。
 仄かな薔薇の香りが鼻腔をくすぐり、脳内が甘い痺れに刺激されてしまう。

「なるほどな・・・・・・媚薬と精液が交じれば更に効果が増す、か・・・・・・」

 妙に感心したようなアークレイのつぶやきも、最早耳には入ってこない。
 指だけで感じて、達しそうになる。
 先ほど熱い滾りを放ったばかりだというのに、シルフィアの前ははしたなく勃ちあがり、痛いほどに疼いて悦びを露に示していた。

「・・・あ・・・どうし、て・・・っ・ん・・・」

 淫らに堕ちていく自分の身体に頭では困惑しながらも、身体は正直に快楽を追い求めている。
 快感を追いやろうと頭を振り、嗚咽まじりの声をあげる。

「シルフィア・・・顔を隠さず、俺に見せてくれ・・・・・」

 耳元に顔を寄せてきたアークレイが耳を軽く食むように囁かれ、その甘さを含んだ声にビクンッと身体が震える。
 指を咥えこむ場所が窄まったのが自分でもわかった。

「シルフィア」

「い・・・・・や・・・」

 両手の甲で顔を押さえたまま頭を振る。

「嫌?何故だ?」

 きっと変な顔をしているに決まっている。
 快感に溺れて涙を流す、情けない顔をしているに違いない。
 そんな顔をアークレイに見られたくなかった。
 微かに笑ったアークレイは、中に入れた指の抽挿を再び繰り返す。

「あっ!・・・・い・・・・あっ!」

 快感に震えるシルフィアの根元を、ギュッと強く握られたものだからたまらない。
 行き場のない快感の激しい波が、出口を求めて全身を逆流するように渦巻く。

「ア・・・クレイ・・・様!」

「達きたいか?」

 甘く囁かれて、余裕なくコクコクと頷く。

「顔を見せてくれ、シルフィア・・・・・・」

「い・・・・いや・・・・・」

「嫌?見せてくれぬというのならば、ずっとこのままだぞ?」

「い、いやぁ・・・・・・」

「このままも嫌か?どちらなのだ、シルフィア?」

 どこか楽しそうなアークレイの声に、きゅっと唇を噛み締めるが、その間も中を蹂躙する指の動きは止まらず、耳を塞ぎたくなるような音が大きくなる。

「シルフィア・・・・・・」

 促すように、顔を覆った手に口づけを落とされた。
 絶え間なく襲われる快感に耐え切れず、シルフィアはこくっと唾を飲み込むと、恐る恐る手を両側へと開いた。

「・・・・・・っ」

 間近にあったアークレイの端正な顔。
 艶めいた男の色香を漂わせるその顔に、シルフィアは思わず見惚れてしまう。
 だが一方で、アークレイは息を飲み込み、目を見開いてシルフィアを見下ろしていた。
 何なのだろうか。
 やはり、自分は変な顔をしているのだろうか。
 そんな不安を覚えたが、「くっ」と眉根を寄せて呻いたアークレイに、いきなり口づけされてしまう。

「んっ・・・んぅ・・・っ・・・ふっ・・あ・・・・・・」

『貪る』という言葉そのものと言っていい、息も出来ないほどの激しい口づけだった。
 口腔内を舐められ、熱く濡れた舌が絡み合う。
 飲み込めない唾液が零れて首筋を伝い落ち、それすらも快感の源となり、シルフィアも激しい口づけに酔わされていく。
 惜しむように唇が離れると、荒い息を吐いて、互いに無言のまま見詰め合う。

「貴方は・・・・・・本当に、酷い・・・・・・俺を、昇天させる気か?」

「・・・え?」

「貴方のせいで、俺の理性は崩壊したぞ?そうさせたのは貴方だからな?」

「あっ!!」

 中を弄っていた指が勢いよく引き抜かれ、強すぎる快感に声があがる。
 再び脚を広げさせられ、長い間愛撫されて濡れた窄みにアークレイの熱い昂りが触れ、ひくっと身体が震えた。

「シルフィア・・・・・・俺を煽った貴方が悪い」

「アークレイ様・・・・・・」

「貴方が、欲しい・・・」

 微笑むアークレイに、胸が激しく高ぶり、強く締め付けられた。
 シルフィアを求めてくれている。
 アークレイの昂りに貫かれ、擦られ、揺さぶれら、淫らな快感を味わうという悦楽をシルフィアの身体は覚えたばかりだ。
 深淵に飲み込まれてしまいそうなあの瞬間をもう一度。
 歓喜の震えが身体の奥底から湧き上がった。
 アークレイが欲しい。
 愛しているから、一緒になりたかった。
 はしたないと思われようとも、その熱に身を任せたかった。

「アークレイ様・・・・・・私も欲しい、です・・・貴方様を、ください・・・・・・」

「シルフィア・・・・・・」

 正直に欲求を口にすれば、アークレイは口端を上げて笑みを浮かべ、瞳の奥にある炎がともったかのように熱い眼差しへと変わる。

「これ以上俺から理性を奪うな・・・優しく抱いてやることなどできないぞ?」

「構いません・・・・・・貴方様に、抱いていただけるのなら・・・・・・」

「っ・・・・・・貴方という人はっ・・・・・くっ」

 眉根を寄せたアークレイは小さく舌打ちをしたかと思うと、そのまま一気に体重を押し乗せてきた。

「あっ、ああっ・・・・・・!!」

 指などよりもっと大きなものが一瞬の圧迫感とともにするりと入り込み、一気に奥まで貫かれていた。
 あまりの衝撃に、シルフィアは甲高い声をあげていた。
 目の前は真っ白になり、光が瞬いている。
 異物感や痛みはなかった。
 感じたのは、強烈な快感だけだ。

「・・・・・・凄いな。挿れただけで達してしまったのか?」

 アークレイの声に「え?」と目を開けると、飛び込んできた光景に目を見開く。
 はしたなく開いたシルフィアの両脚と、深々とアークレイの昂りを受け入れて繋がる下半身と、震えながらも雫をこぼして勃つ、アークレイのものとは比べようがないほど細い自分自身。
 それが放ったと思われる白濁が、アークレイの引き締まった腹や胸へと飛び散っていた。

「あ・・・・・あ・・・・・」

 先ほどまで指で中を嬲られて、達する寸前だったシルフィアの昂りが、挿れられただけで達してしまったのだ。
 触れられてもいないのに。

「や・・・・・・」

 羞恥で頬を染めたシルフィアに、アークレイはふっと笑みを浮かべて頬に口づけを落とす。

「恥らう必要はない・・・貴方がこれほどまでに感じやすいと知って、俺には嬉しい限りだ」

「そのような・・・・・」

「それに・・・・・まだ、いけるだろう?」

 抱きしめられて身体が密着し、更に奥深い場所に先が触れた。
 達したばかりだというのに、全く萎える様子がないシルフィアの身体に気づいているようだ。
 耳まで染めて小さく頷き、おずおずとアークレイの背に腕を回せば、熱い肌が密着し、高鳴る鼓動を直に感じる。

「は・・・貴方の中は・・・・・・本当に、熱いな・・・・・・」

 吐き出されるアークレイの息も熱い。

「たまらない・・・いとも容易く達してしまいそうだ・・・・・・」

 ドクドクと内側で脈打つ熱。
 互いの熱が絡み合って、一つに繋がりあっていた。
 震えるような快感が背筋を駆け上がっていく。

「痛いか?大丈夫か?」

 汗で額にへばりついた前髪がかきあげられ、口付けがおとされる。
 安心させるように、何度も何度も。
 シルフィアが落ち着くのを待ってくれているのだろう。

「アーク、レイ・・・・・・様・・・」

「きつくないか?」

「はい・・・中が、とても熱い・・・です・・・熱くて、熱くて・・・貴方様の熱に、溶けて・・・しまいそうです・・・」

 もう自分でも何を言っているのかわからなくなる。
 だが、この気持ちだけは間違いないものだ。
 アークレイが、欲しい。
 それに突き動かされるように、無意識のうちにアークレイをねだって腰を擦り付けていた。

「シルフィア・・・・貴方は・・・貴方という人は、俺を獣のように狂わせる・・・・・」

 眉根を寄せて唸ったアークレイは、自身を一度ぎりぎりまで引き抜き、それに縋ろうと収縮する狭い内側めがけて、再び奥へと一気に沈めた。

「あぁ!!」

 背中を這い上がる刺激に、シルフィアは身体を震わせて甘い声を迸らせていた。

「っ!あっ、ん・・・あっ!・・あっ・・・・・はっ、あっ!・・んっ・・・」

 先ほどとは比べものにならない荒々しい動き。
 荒々しいが決して乱暴ではなく、痛みは感じなかった。
 達したばかりで敏感になっている身体を揺さぶられ、最奥を幾度も幾度も突かれる。
 あまりの快感に身悶え、無我夢中になってアークレイの背にすがって悦楽を追い上げた。
 繋がった場所からもれる淫靡な音。
 どちらのものかもわからない、荒く熱い吐息。
 重なり合う唇の音。
 様々な不協和音が一つとなって耳を擽る。

「シルフィア・・・いい、か?・・・気持ち、いいか?」

 熱い吐息を漏らしながら、途切れ途切れに問いかけてくるアークレイの翠の瞳は、シルフィアを求めて情欲に濡れていた。
 それだけアークレイが激しく求めてくれているのだと、歓喜に震えて涙で頬を濡らす。

「は、い・・・あっ!アー、クレイ・・・様、も・・・っ!あっ・・・いいです・・・か?」

「いいに・・・決まっているだろう?・・・・貴方の中にいるのに・・・・わからないか?」

 不規則な律動で突かれるたび、次々と襲ってくる強烈な快感に声を抑えることができず、目も眩むような悦楽の渦に溺れていく。

「あ・・・・・もっ・・・・・・」

 まだ熱は冷めて欲しくないのに、身体が限界を訴えていた。
 熱が出口を求めて彷徨い、昂った前が痛いほどに張り詰めている。

「・・・・・達きたいか?」

 ぞくっとするほど甘く優しい声。
 その声にさえ感じてしまい、アークレイを受け入れるその場所を締め付けてしまう。

「達きたい・・・です・・・・・・もう、達きた、い・・・・っ・・・一緒に・・・貴方様と・・・」

 揺さぶられながら、縋るようにアークレイにしがみつき訴えた。

「ああ・・・・・俺もだ・・・シルフィア、共に・・・・・」

「ひあっ!」

 アークレイがシルフィアの前に触れ、中を貫く勢いも一層激しさを増す。
 すぐそこにある頂の先へと追い上げられていく。

「シル、フィア・・・愛している・・・・・」

「ああっ・・・わたっ、しも・・・・あっ!・・・・・っ!・・・・・っ!!」

 上り詰めるような快感が湧き上がり、大きく身体をのけぞらせたシルフィアは、声にならない声をあげて達していた。
 同時に、頭上で低く呻いたアークレイの声とともに、熱い迸りが中に放たれたのがわかった。
 まるで雷にうたれたかのような放埓の衝撃で、頭の中が真っ白になる。
 この熱を手放したくないのに、急激に抜けていく全身の力。
 底が見えない深淵へと堕ちていくかのようだった。
 だが、アークレイと共に堕ちていけるのであれば、何も恐れるものはなかった

「シルフィア・・・・・・」

 愛しげに名を呼ぶアークレイの腕の中で朦朧となったシルフィアは、その腕に縋り意識を手放していた。
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