光精霊に転生した俺は悪役令嬢推しでした!

ほんわか

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第2話 推しを探して

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 俺は精霊として世界樹の森を旅立ち、人間界へと降り立った。

 まずやるべきことは、この世界が本当に『エテルニアの誓い』の舞台なのかを確認することだ。そして、俺の推し――悪役令嬢クラリス・フォン・ルクレールを探し出す。

(まずは情報収集だな)

 俺は光精霊だから、人間には基本的に見えない。だが、魔力が強い者や精霊と縁のある者なら、俺の姿を見ることができるはずだ。

 俺はふわふわと街を飛びながら、人々の会話に耳を傾けた。

「今年の王立学園の入学者には、ルクレール公爵家の令嬢もいるらしいな」
「へえ、ルクレール公爵家って言えば王国屈指の名門だろ?」
「そうそう。しかもその令嬢、まだ五歳なのにすでに賢くて美しいらしいぜ」

 俺は思わず飛び跳ねそうになった。

(やっぱりこの世界、乙女ゲームの世界じゃねーか!!)

 そして、クラリスの名前も出た。だが、問題は"まだ五歳"という部分だ。

(俺が知ってるクラリスはゲーム本編で18歳。……つまり、今は本編が始まる前の時代か!)

 よし、とにかくクラリスのいる場所へ行ってみよう。

 ルクレール公爵家の屋敷があるのは王都の高級住宅街のはずだ。俺はすぐにそちらへ向かった。

 ルクレール公爵家の屋敷は、広大な敷地に堂々と建つ立派なものだった。

 俺はそっと庭へ入り込み、様子をうかがう。しばらくすると、一人の少女が庭で本を読んでいた。

(……クラリス!?)

 黄金の髪に美しい碧眼。顔立ちも気品に満ちている。でも、小さい。小さすぎる。

(五歳のクラリスか……!)

 ゲームで見た彼女とは違うが、どこか面影がある。

 俺は彼女の周りを飛びながら、じっくり観察した。

「……?」

 クラリスはふと顔を上げた。そして、俺のほうをじっと見つめる。

(まさか……見えてる!?)

 彼女は静かに立ち上がり、俺のほうへ歩いてきた。

「あなた……精霊?」

(うおおお! やっぱりクラリスには俺が見えるのか!)

 驚きながらも、俺は小さく頷いた。

「……光の精霊さん?」

 クラリスは不思議そうに俺を見つめる。

「なぜここに?」

(いや、それはこっちのセリフだよ! いや違う、俺がここに来たのはクラリスを探すためなんだけど!)

 俺は何とか伝えようと、光を少しだけ揺らしてみた。するとクラリスはふっと微笑んだ。

「ふふ、あなた……綺麗ね」

(ぐおおお、推しにそんなこと言われたら尊死する!!)

 俺はクラリスの笑顔に感動しつつ、とりあえず彼女のそばにとどまることにした。

「ねえ、あなたは名前があるの?」

(やべ、名乗ってなかった!! どうする!?)

 俺はしばらく考えたあと、光を強く輝かせた。クラリスはしばらく考えた後、優しく微笑んだ。

「じゃあ……あなたのこと、ヒカリって呼んでもいい?」

(え、今ヒカリって言った? 俺の名前……光精霊だから? それとも適当に言っただけ?)

 俺はしばらく悩んだが、結果としてクラリスがつけた名前だし、それでいいかと思い頷いた。

「ヒカリ……ふふ、素敵ね」

(うおおおおおおおお!! 推しに名前つけてもらったああああああ!!!)

 俺は感動しながら、クラリスのそばにとどまることを決意した。

 こうして俺とクラリスの出会いは、思いもよらぬ形で始まったのだった。
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