光精霊に転生した俺は悪役令嬢推しでした!

ほんわか

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第65話 次の町への道

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ファナとのお茶会を終えたクラリスは、自室に戻ると大きく息をついた。

「ふぅ……楽しかったけど、やっぱり少し疲れたわ」

ベッドに腰掛けながら、クラリスは今日の出来事を思い返していた。ファナの明るさや、精霊たちの賑やかなやり取り……すべてが新鮮で、楽しい時間だった。

そんなとき、ヒカリがクラリスの肩に降りてきた。

「明日、ついに次の町に向かうんだね」

「ええ……次の町って、公爵領の中でも伯爵領との境にあるのよね?」

クラリスの問いに、肩の上に乗っているヒカリが答える。

「そうだね。境界の町ってことは、いろんな文化が混じってる可能性があるね」

「そうね……どんな町なんだろう?」

そんな話をしていると、執事が部屋の扉をノックした。

「クラリス様、少しお時間をいただけますでしょうか?」

「ええ、どうぞ」

執事は扉を開け、深々と一礼すると、慎重な口調で話し始めた。

「実は、町長と話し合った結果、次の町に向かう際に、この村を経由するのが最も安全であると判断いたしました」

「この村?」

クラリスは首を傾げる。

執事は頷きながら続けた。

「はい。次の町は公爵領地内では唯一、伯爵領との境に位置しているため、交易が盛んな町ですが、それと同時に流れ者や盗賊なども多いとの情報が入っております。そのため、一度この村を経由し、現地の状況を確認した上で向かうのが賢明かと」

クラリスは少し考え込んだ。確かに、安全を優先するのは重要なことだ。

「わかりました。そのルートで行きましょう」

クラリスが了承すると、執事は安堵したように微笑んだ。

「ありがとうございます。では、明朝の出発に向けて準備を進めさせていただきます」

執事が部屋を出ていくと、クラリスはヒカリとカインの方を向いた。

「村を経由するのは良い判断よね?」

ヒカリは軽く頷いた。

「うん、安全策を取るのは悪くないよ。まあ、何かあったら僕たちが守るけどね!」

「当然だ!腕が鳴る」
カインは胸を張り少し魔力が高まった。

ヒカリはうなだれてカインをみた
「カインのそのフラグもういらないからね」

クラリスは二人の頼もしさに少し安心しながら、明日の準備に取り掛かった。

クラリスたちは、まだ朝日が昇りきらないうちに町を出発した。ファナとその護衛たちは、一足先に国へ帰ることになっており、門の前で見送りに来ていた。

「クラリス、本当にクラリスの通う予定の学園に行くかもしれないから、そのときはよろしくね!」

ファナは楽しそうに手を振る。

クラリスも微笑みながら答えた。

「ええ、楽しみにしてるわ!」

「絶対よ! ……じゃあ、また会いましょう!」

ファナが乗る船が動き出し、クラリスはその後ろ姿を見送った。

「元気な子だったね」

ヒカリが肩の上で呟くと、カインも少し苦笑しながら同意した。

「まったく、あの雷精霊のやつも騒がしかったしな」

「でも、楽しかったでしょ?」

クラリスがそう言うと、カインは不機嫌そうにそっぽを向いた。

「ま、まあな……」

「素直じゃないんだから」

クラリスはくすっと笑いながら、馬車に乗り込んだ。こうして、一行は村を経由しながら次の町へと向かうことになった。

馬車でしばらく進むと、小さな村が見えてきた。

「ここが経由する村か……」

クラリスは馬車の窓から村の様子を眺める。

こじんまりとした村だったが、農業が盛んなのか、畑が広がり、家々の周りには豊かな作物が実っていた。村人たちはクラリスたちの馬車に気付き、興味深そうにこちらを見ている。

「一応、この村の村長に挨拶しておいた方がいいかもね」

ヒカリが提案すると、クラリスは頷いた。

「そうね。少し立ち寄りましょう」

馬車を降り、村の中心部へ向かうと、ちょうど村長らしき老人がこちらへ歩いてきた。

「おや、旅のお方かの?」

「初めまして。私はクラリスと申します。この村を経由して次の町へ向かう予定なのですが、少しだけ滞在させていただいてもよろしいでしょうか?」

クラリスが丁寧に挨拶すると、村長はにこやかに頷いた。

「もちろんじゃ。こんな田舎じゃが、ゆっくりしていってくれ」

村人たちもクラリスたちを歓迎し、食事を振る舞ってくれた。村の子供たちも興味津々に近寄ってきて、クラリスの周りを取り囲む。

「お姉ちゃん、お姫様なの?」

「すごくきれいだね!」

クラリスは少し恥ずかしそうに微笑んだ。

「お姫様ではないけれど、ありがとう」

「お姉ちゃん、魔法使える?」

子供たちの無邪気な質問に、クラリスは少し考えた後、手をかざして小さな火の玉を作り出した。

「すごーい!」

子供たちは大はしゃぎして拍手を送る。

「クラリス、大人気だね」

ヒカリが小声で囁くと、クラリスは困ったように笑った。

「少し恥ずかしいわね……」

こうして、クラリスたちは村でのひとときを楽しんだ。

村で一晩を過ごし、翌朝になった。

村人たちは名残惜しそうに見送ってくれた。

「気をつけてな!」

「また来てね、お姉ちゃん!」

子供たちが手を振るのを見ながら、クラリスたちは馬車に乗り込む。

「よし、次の町へ出発だね!」

ヒカリの言葉に、クラリスは頷いた。

「どんな町が待っているのかしら……」

ヒカリはゆらゆらしながら答える。
「伯爵領の境界の町ってことは、交易で栄えてる可能性が高いね」

「楽しみね」
クラリスは新たな町での出来事に期待を抱きながら、馬車を走らせた。

こうして、クラリスたちは次なる目的地へと進んでいくのだった。
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