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第144話 ゲームと現実
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王立セントラル学園の歓迎舞踏会が終わり、学園生活は二週目へと突入した。クラリスたちは、それぞれ新たな友人との交流を深め、授業にも本格的に集中し始めていた。そんな中、ミリアは、舞踏会での出来事、そしてこの一週間での「攻略対象」たちの動向に、言いようのない違和感を覚えていた。
静かな午後の中庭。風に揺れる木々の葉音が、微かな旋律を奏でていた。ベンチに座るミリアの眉間には、珍しく皺が寄っている。
「ミリア様、どうかされましたか?」
従者のカイが、ミリアの様子に気づき、心配そうに声をかけた。カイは、いつもと違うミリアの様子に、何かあったのかと訝しんでいる。
ミリアは、カイの問いかけに、深いため息をついた。
「エドワード王子の親密度が、まったく上がらないのよね……」
彼女の声には、焦りと苛立ちが混じっていた。舞踏会でも、エドワード王子はミリアにほとんど近づこうとしなかった。代わりに、クラリスと踊る姿を見た時は、胸にチクリとした痛みが走った。
「ロード様とラファエル様は、着実に親密度が上がっているわ。特にロード様は、毎日礼儀正しく話しかけてくださるし、授業の時も何かと気遣ってくださる……ラファエル様も、お世辞ばかりだけど、私に興味を持ってくれているのは確かよ」
ミリアは、そう言いながらも、どこか納得がいかない様子だった。ゲームでは、エドワード王子がミリアに積極的にアプローチを仕掛け、親密度を上げるイベントが多数用意されていたはずだ。だが、この世界では、まるで別のゲームをプレイしているかのようだった。
「でも、エドワード王子に対しては、親密度の上げ方がゲームとまったく違うの。そもそも、エドワード王子が私にほとんど話しかけて来ないし……」
ミリアは、頭を抱えるように、ぐったりとベンチにもたれかかった。
(エドワードって、こんなに難易度高かったっけ……?)
ゲームでの記憶と、目の前の現実とのギャップに、ミリアは困惑していた。ゲームでは、エドワード王子は、心の闇を抱えながらも、ミリアの明るさと優しさに触れて、徐々に心を開いていくはずだった。しかし、この世界では、彼がミリアに興味を示す様子は全く見られないのだ。
カイは、ミリアの言葉を聞いても、エドワード王子の親密度を上げる理由がわからなかった。彼にとって、ミリアの幸福が一番だ。そして、ミリアがロードやラファエルと親しくなるのは、彼女にとって良いことだと考えていた。
「何のために、エドワード様の親密度を上げるんですか?」
カイの素朴な問いに、ミリアは顔を上げた。カイの澄んだ瞳には、純粋な疑問の色が浮かんでいる。
ミリアは、カイが何を言いたいのか、最初理解できなかった。彼女にとっては、それが当然のことだったからだ。
「だって、私はこの世界のヒロインだからよ!」
ミリアは、まるで当たり前のことを言うかのように、はっきりと言い放った。その言葉には、揺るぎない確信が込められていた。
ミリアの返答に、カイはキョトンとしている。彼の頭の中には、「ヒロイン」という言葉の意味がうまく結びつかないようだった。
「ヒロイン……ですか?」
カイは、戸惑ったように首を傾げた。ミリアの言う「ヒロイン」が何を指すのか、カイには全く理解できなかったのだ。彼にとって、ミリアはただ一人の大切なご主人様であり、それ以上の特別な意味を持つ言葉は必要なかった。
その頃、ヒカリもまた、エドワード王子の行動に深く困惑していた。
(本当に、どうなってるんだ……)
ヒカリは、クラリスの隣を漂いながら、舞踏会でのエドワード王子の行動を思い出していた。エドワードがミリアに話しかけているところを、この一週間、一度も見たことがない。それどころか、自分からクラリスをダンスに誘うなど、ゲームのエドワード王子では考えられないことだった。
「クラリス、今日の授業、どうだった?」
ファナが、クラリスに話しかける。
「ええ、少し難しかったけれど、面白かったわ」
クラリスは、いつもの穏やかな笑顔で答える。ヒカリは、そんな二人の会話を聞き流しながらも、頭の中はエドワード王子のことでいっぱいだった。
(この世界はゲームではないことを理解している……もちろん、分かってるんだ。だからこそ、ゲームのシナリオ通りに全てが進むわけじゃないってことも、わかってるつもりだ……)
しかし、ヒカリの脳裏には、前世で何百時間もプレイした『エテルニアの誓い』の記憶が、どうしても邪魔をする。ゲームでは、エドワード王子はミリアにとって最も重要な攻略対象であり、彼の親密度が上がらないことは、ゲームオーバーに直結する可能性すらあった。
(もし、エドワード王子がミリアに興味を持たなかったら、あの病んでた精神状態はどうなるんだ?ゲームではミリアが彼を救ったんだぞ……)
ヒカリは、ゲームの知識が、この世界の現実とあまりにかけ離れていることに、深い焦りを感じ始めていた。ゲームのキャラクターたちが、意志を持った「人間」として行動しているこの世界で、自分の持つ「ゲームの知識」がどこまで通用するのか、そしてどこまで頼っていいのか、その境界線が曖昧になってきているのだ。
(もしかして、俺が余計なことをしたから、こんなことになってるのか……?)
クラリスを助け、彼女の運命を変えるために行動してきたヒカリだが、その行動が、思わぬ形で他のキャラクターたちの運命にも影響を与えているのかもしれない。特に、ファナがAクラス首席になったことで、エドワード王子のクラリスに対する妬みが緩和されたことは否定できない。
「ヒカリ、どうしたの?」
クラリスが、ヒカリの様子がいつもと違うことに気づき、心配そうに問いかけた。ヒカリは、クラリスの優しい声に、はっと我に返った。
「う、ううん!なんでもないよ!」
ヒカリは、慌てて誤魔化したが、その声は少しだけ上ずっていた。クラリスは、ヒカリの動揺に気づいたようだが、それ以上は何も言わず、ただ静かにヒカリを見つめていた。
ヒカリは、クラリスの視線を感じながら、今後の自分の行動について、深く考え込まずにはいられなかった。この世界は、ゲームではない。登場人物たちには、それぞれの意志があり、感情がある。自分の知っている「シナリオ」通りに進まないのは当然のことなのかもしれない。
しかし、もしゲームの知識が全く役に立たないとしたら、自分は何を頼りにすればいいのか?
(俺は、クラリスをこの世界の断罪から救うために来たんだ……そのためには、何としてでもゲームの知識を使わないと……)
ヒカリの心の中では、現実とゲームの狭間で、激しい葛藤が渦巻いていた。このままでは、ミリアの言う「ヒロイン」の役割も、エドワード王子の精神状態も、そしてこの世界の未来も、どうなるか予測できない。
夜が更け、寮の部屋には静寂が訪れた。窓の外では、月が静かに輝いている。ヒカリは、その光を見上げながら、長い夜を過ごすことになるだろう。
静かな午後の中庭。風に揺れる木々の葉音が、微かな旋律を奏でていた。ベンチに座るミリアの眉間には、珍しく皺が寄っている。
「ミリア様、どうかされましたか?」
従者のカイが、ミリアの様子に気づき、心配そうに声をかけた。カイは、いつもと違うミリアの様子に、何かあったのかと訝しんでいる。
ミリアは、カイの問いかけに、深いため息をついた。
「エドワード王子の親密度が、まったく上がらないのよね……」
彼女の声には、焦りと苛立ちが混じっていた。舞踏会でも、エドワード王子はミリアにほとんど近づこうとしなかった。代わりに、クラリスと踊る姿を見た時は、胸にチクリとした痛みが走った。
「ロード様とラファエル様は、着実に親密度が上がっているわ。特にロード様は、毎日礼儀正しく話しかけてくださるし、授業の時も何かと気遣ってくださる……ラファエル様も、お世辞ばかりだけど、私に興味を持ってくれているのは確かよ」
ミリアは、そう言いながらも、どこか納得がいかない様子だった。ゲームでは、エドワード王子がミリアに積極的にアプローチを仕掛け、親密度を上げるイベントが多数用意されていたはずだ。だが、この世界では、まるで別のゲームをプレイしているかのようだった。
「でも、エドワード王子に対しては、親密度の上げ方がゲームとまったく違うの。そもそも、エドワード王子が私にほとんど話しかけて来ないし……」
ミリアは、頭を抱えるように、ぐったりとベンチにもたれかかった。
(エドワードって、こんなに難易度高かったっけ……?)
ゲームでの記憶と、目の前の現実とのギャップに、ミリアは困惑していた。ゲームでは、エドワード王子は、心の闇を抱えながらも、ミリアの明るさと優しさに触れて、徐々に心を開いていくはずだった。しかし、この世界では、彼がミリアに興味を示す様子は全く見られないのだ。
カイは、ミリアの言葉を聞いても、エドワード王子の親密度を上げる理由がわからなかった。彼にとって、ミリアの幸福が一番だ。そして、ミリアがロードやラファエルと親しくなるのは、彼女にとって良いことだと考えていた。
「何のために、エドワード様の親密度を上げるんですか?」
カイの素朴な問いに、ミリアは顔を上げた。カイの澄んだ瞳には、純粋な疑問の色が浮かんでいる。
ミリアは、カイが何を言いたいのか、最初理解できなかった。彼女にとっては、それが当然のことだったからだ。
「だって、私はこの世界のヒロインだからよ!」
ミリアは、まるで当たり前のことを言うかのように、はっきりと言い放った。その言葉には、揺るぎない確信が込められていた。
ミリアの返答に、カイはキョトンとしている。彼の頭の中には、「ヒロイン」という言葉の意味がうまく結びつかないようだった。
「ヒロイン……ですか?」
カイは、戸惑ったように首を傾げた。ミリアの言う「ヒロイン」が何を指すのか、カイには全く理解できなかったのだ。彼にとって、ミリアはただ一人の大切なご主人様であり、それ以上の特別な意味を持つ言葉は必要なかった。
その頃、ヒカリもまた、エドワード王子の行動に深く困惑していた。
(本当に、どうなってるんだ……)
ヒカリは、クラリスの隣を漂いながら、舞踏会でのエドワード王子の行動を思い出していた。エドワードがミリアに話しかけているところを、この一週間、一度も見たことがない。それどころか、自分からクラリスをダンスに誘うなど、ゲームのエドワード王子では考えられないことだった。
「クラリス、今日の授業、どうだった?」
ファナが、クラリスに話しかける。
「ええ、少し難しかったけれど、面白かったわ」
クラリスは、いつもの穏やかな笑顔で答える。ヒカリは、そんな二人の会話を聞き流しながらも、頭の中はエドワード王子のことでいっぱいだった。
(この世界はゲームではないことを理解している……もちろん、分かってるんだ。だからこそ、ゲームのシナリオ通りに全てが進むわけじゃないってことも、わかってるつもりだ……)
しかし、ヒカリの脳裏には、前世で何百時間もプレイした『エテルニアの誓い』の記憶が、どうしても邪魔をする。ゲームでは、エドワード王子はミリアにとって最も重要な攻略対象であり、彼の親密度が上がらないことは、ゲームオーバーに直結する可能性すらあった。
(もし、エドワード王子がミリアに興味を持たなかったら、あの病んでた精神状態はどうなるんだ?ゲームではミリアが彼を救ったんだぞ……)
ヒカリは、ゲームの知識が、この世界の現実とあまりにかけ離れていることに、深い焦りを感じ始めていた。ゲームのキャラクターたちが、意志を持った「人間」として行動しているこの世界で、自分の持つ「ゲームの知識」がどこまで通用するのか、そしてどこまで頼っていいのか、その境界線が曖昧になってきているのだ。
(もしかして、俺が余計なことをしたから、こんなことになってるのか……?)
クラリスを助け、彼女の運命を変えるために行動してきたヒカリだが、その行動が、思わぬ形で他のキャラクターたちの運命にも影響を与えているのかもしれない。特に、ファナがAクラス首席になったことで、エドワード王子のクラリスに対する妬みが緩和されたことは否定できない。
「ヒカリ、どうしたの?」
クラリスが、ヒカリの様子がいつもと違うことに気づき、心配そうに問いかけた。ヒカリは、クラリスの優しい声に、はっと我に返った。
「う、ううん!なんでもないよ!」
ヒカリは、慌てて誤魔化したが、その声は少しだけ上ずっていた。クラリスは、ヒカリの動揺に気づいたようだが、それ以上は何も言わず、ただ静かにヒカリを見つめていた。
ヒカリは、クラリスの視線を感じながら、今後の自分の行動について、深く考え込まずにはいられなかった。この世界は、ゲームではない。登場人物たちには、それぞれの意志があり、感情がある。自分の知っている「シナリオ」通りに進まないのは当然のことなのかもしれない。
しかし、もしゲームの知識が全く役に立たないとしたら、自分は何を頼りにすればいいのか?
(俺は、クラリスをこの世界の断罪から救うために来たんだ……そのためには、何としてでもゲームの知識を使わないと……)
ヒカリの心の中では、現実とゲームの狭間で、激しい葛藤が渦巻いていた。このままでは、ミリアの言う「ヒロイン」の役割も、エドワード王子の精神状態も、そしてこの世界の未来も、どうなるか予測できない。
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