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第2章 もふもふ鳥の抱える苦悩
14話 お風呂で身体を洗っちゃおう
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『アキト、リリアナは不安なんだ。察してやれ』
脳内に直接、マグナリアの声が聞こえてきた。
壁1つあるだけで、そう感じてしまうんだ。
「あなたは5歳だから、私と入っても問題ないわ」
「わかったよ…一緒に入ろう」
リリアナの震えが止まり、笑顔になってくれたけど、いざ3人で女湯に入ると、僕だけ居心地が悪かった。こういう時、お父さんと同じ男湯に入っていたからだ。朝早い時間帯のせいか、他にお客さんはいないのが救いかな。僕は服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて浴場へと入る。リリアナは、バスタオルを身体に巻いて入ってきた。
「へえ、村の施設なのに、中々落ち着ける環境ね。浴槽も広いわ」
「そうだね。では、早速…」
「待った」
「え、なんで止めるの?」
入ろうとしたら、リリアナに右肩を掴まれた。
「アキト、湯船に浸かる前に、石鹸で身体を綺麗にしましょう。ほらほら、お姉ちゃんが身体を洗い方を教えてあげる。お互いに、背中を洗いっこしましょうね」
いつから、リリアナは僕のお姉さんになったの?
「こういう時は素直に姉の言うことを聞くべき。そもそも、昨日身体を拭かれたとはいえ、完全に綺麗になったわけではない。汚れを温泉内に落としてはダメ」
う、マグナリアの言う通りだ。
お父さんからも、一度注意を受けたことがある。
すっかり忘れてたよ。
ていうか、マグナリアも姉設定を通すんだ。
「わかったよ。身体を綺麗にしよう」
僕とリリアナは背中を洗いっこして、自分の身を綺麗にした後、今度は2人でマグナリアの身体を綺麗に洗っていった。全身毛だらけだから、石鹸だと泡立ちにくかったけど、なんとか汚れを落としてから湯船に入る。
「生き返る~~」
「最高~~」
「ふ~牢屋という地獄から、ようやく抜け出せたことを実感する」
疲れているせいなのか、ついついゆる~い言葉を発してしまうから、温泉って不思議だよね。
「ここの温泉、ニュルニュルするわ」
「本当だ。ミントスと、全然違う」
ダリアさんの言った通り、山一つでこんなに違うものなんだ。
はあ~~~、身体がだんだんとポカポカしてくる。
昨日の辛さが、嘘のようだよ。
「リリアナ、一時はどうなる事かと思ったけど、無事に帰還できそうだね」
「アキトのおかげよ。あなたと一緒に誘拐されていなかったら、私は今でも馬車の中で震えていたわ」
ギフト《品質管理》か。今は品質劣化と品質破壊しかできないけど、もっと磨いていけば、お父さんの仕事に役立てるかもしれない。
「私からも、お礼を言いたい。君のおかげで、私も命拾いしたのだから」
「えへへ」
なんだか、こそばゆいな。
ようやく平和な世界に戻ってきたけど、奴らの仲間がここまで来る可能性もゼロじゃないから楽観視できないよね。村長が通信用魔道具を使って、この地を治める領主様に連絡してくれたことで、今日の昼のうちに領主様がこの地に来てくれる事になったから、もう大丈夫と思っていいよね?
「アキト、君は転生者とはいえ、記憶を断片的にしか引き継いでいないから、今の我々の状況をきちんと理解していない。これからは、私がしっかりと世界の常識を教えていく」
「マグナリア、今の状況って何かまずいの?」
「アキトは、《密入国》という言葉を知っているか?」
「密入国? ううん、知らない」
夢の中で得た知識にも、そんな言葉はない。
「密入国、それは無断で国に侵入する行為を指し、犯罪に該当する。つまり、今の私たちは密入国に該当するから、犯罪者になる」
「え、僕たち犯罪者なの!?」
マグナリアが、とんでもないことを口にする。
「マグナリア様の言う通りよ。正規のルートを通らずに他国へ侵入すると、それは犯罪になるの。処罰は国によって違うけど、テンブルク王国側への密入国は禁固5年ね。あ、禁固というのは、牢屋に5年間入れられるって意味ね」
「僕たちはどうなるの?」
急に不安になってきたので、僕はリリアナを見る。
5年間も、牢屋に入れられるの?
「大丈夫。マグナリア様が事件の詳細を村長に説明してくれたから、領主様だって理解してくれるわ」
それを聞いてホッとする。
密入国って、犯罪なんだね。
夢の中の知識には、他の国々の名称もあるのに、なんでそんな重要な言葉を僕に覚えさせてくれないんだよ。マグナリアは、[記憶の一部を継承させた転生者]と言っていたから、その影響なのかな。
「アキト、こちらの領主が来る前に確かめたいことがある」
「マグナリア、急にどうしたの?」
真剣な口調だから、何かに悩んでいるのかな?
「私にとって、とても重要なこと。、今ここには我々以外誰もいないから、ここで確かめる」
「マグナリア様、ここでやっても問題ないのですか?」
「規模を極小にするから問題なし」
マグナリアは、何をするつもりなのかな?
脳内に直接、マグナリアの声が聞こえてきた。
壁1つあるだけで、そう感じてしまうんだ。
「あなたは5歳だから、私と入っても問題ないわ」
「わかったよ…一緒に入ろう」
リリアナの震えが止まり、笑顔になってくれたけど、いざ3人で女湯に入ると、僕だけ居心地が悪かった。こういう時、お父さんと同じ男湯に入っていたからだ。朝早い時間帯のせいか、他にお客さんはいないのが救いかな。僕は服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて浴場へと入る。リリアナは、バスタオルを身体に巻いて入ってきた。
「へえ、村の施設なのに、中々落ち着ける環境ね。浴槽も広いわ」
「そうだね。では、早速…」
「待った」
「え、なんで止めるの?」
入ろうとしたら、リリアナに右肩を掴まれた。
「アキト、湯船に浸かる前に、石鹸で身体を綺麗にしましょう。ほらほら、お姉ちゃんが身体を洗い方を教えてあげる。お互いに、背中を洗いっこしましょうね」
いつから、リリアナは僕のお姉さんになったの?
「こういう時は素直に姉の言うことを聞くべき。そもそも、昨日身体を拭かれたとはいえ、完全に綺麗になったわけではない。汚れを温泉内に落としてはダメ」
う、マグナリアの言う通りだ。
お父さんからも、一度注意を受けたことがある。
すっかり忘れてたよ。
ていうか、マグナリアも姉設定を通すんだ。
「わかったよ。身体を綺麗にしよう」
僕とリリアナは背中を洗いっこして、自分の身を綺麗にした後、今度は2人でマグナリアの身体を綺麗に洗っていった。全身毛だらけだから、石鹸だと泡立ちにくかったけど、なんとか汚れを落としてから湯船に入る。
「生き返る~~」
「最高~~」
「ふ~牢屋という地獄から、ようやく抜け出せたことを実感する」
疲れているせいなのか、ついついゆる~い言葉を発してしまうから、温泉って不思議だよね。
「ここの温泉、ニュルニュルするわ」
「本当だ。ミントスと、全然違う」
ダリアさんの言った通り、山一つでこんなに違うものなんだ。
はあ~~~、身体がだんだんとポカポカしてくる。
昨日の辛さが、嘘のようだよ。
「リリアナ、一時はどうなる事かと思ったけど、無事に帰還できそうだね」
「アキトのおかげよ。あなたと一緒に誘拐されていなかったら、私は今でも馬車の中で震えていたわ」
ギフト《品質管理》か。今は品質劣化と品質破壊しかできないけど、もっと磨いていけば、お父さんの仕事に役立てるかもしれない。
「私からも、お礼を言いたい。君のおかげで、私も命拾いしたのだから」
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なんだか、こそばゆいな。
ようやく平和な世界に戻ってきたけど、奴らの仲間がここまで来る可能性もゼロじゃないから楽観視できないよね。村長が通信用魔道具を使って、この地を治める領主様に連絡してくれたことで、今日の昼のうちに領主様がこの地に来てくれる事になったから、もう大丈夫と思っていいよね?
「アキト、君は転生者とはいえ、記憶を断片的にしか引き継いでいないから、今の我々の状況をきちんと理解していない。これからは、私がしっかりと世界の常識を教えていく」
「マグナリア、今の状況って何かまずいの?」
「アキトは、《密入国》という言葉を知っているか?」
「密入国? ううん、知らない」
夢の中で得た知識にも、そんな言葉はない。
「密入国、それは無断で国に侵入する行為を指し、犯罪に該当する。つまり、今の私たちは密入国に該当するから、犯罪者になる」
「え、僕たち犯罪者なの!?」
マグナリアが、とんでもないことを口にする。
「マグナリア様の言う通りよ。正規のルートを通らずに他国へ侵入すると、それは犯罪になるの。処罰は国によって違うけど、テンブルク王国側への密入国は禁固5年ね。あ、禁固というのは、牢屋に5年間入れられるって意味ね」
「僕たちはどうなるの?」
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「大丈夫。マグナリア様が事件の詳細を村長に説明してくれたから、領主様だって理解してくれるわ」
それを聞いてホッとする。
密入国って、犯罪なんだね。
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