加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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14話 リノアを救え

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「お兄ちゃん、急ごう」

僕らがそっと玄関から邸の中に入ると、2階がなんだか騒々しい。
まさかとは思うけど、誰かがタルパと戦っているのか?
いや、タルパの気配は……あるな。
ごく僅かだけど、弱々しい気配を感じる。
考え事をしていたら、2階から激突音が聞こえてきた。

「きゃ…」
「たす…けて…誰か…討伐される」

ルティナが声を出しそうにするも、慌てて両手で口を閉じる。
それとほぼ同時に、女の子の声が聞こえた。

「お兄ちゃん、今の声、聞こえた?」
「聞こえたよ」

今の声には、魔力が載せられていた。緊急時、誰かに助けを求めたい場合に使われる手法で、声に魔力を載せれば、声量を拡声させるだけでなく、その振動は障害物で隔てられた相手に聞こえる時もある。さっき聞こえた声に関しては、位置までは掴めなかった。

「リノアの声だ。やっぱり、タルパになってる。お兄ちゃん、手を離すよ」
「わかった」

僕のスキルのせいで、リノアもこっちの気配を探れない。
それだと、本末転倒だ。

「リノア~~~助けに来たよ~~~」

ルティナも声に魔力を載せて、友達の名を叫ぶ。声の拡声は、魔力の基本制御訓練によく使われていると、本に記載されていた。2人とも、神殿で巫女という職業になっても、きちんと訓練をこなしていたようだ。ただ、侵入者にもこっちの存在がバレたから、発見される前にあいつらを邸の前に呼び寄せておこう。

2階では、さっきから『捕まえろ』などと不穏な声がここ1階まで聞こえてくる。

「今の声はルティナ!! ルティナ~~~」

動き回っているせいで、何処から来るか予測できない。僕がキョロキョロと周囲を見ると、なんと真上から7歳くらいで黒髪の女の子が出現する。タルパのため、姿も半透明となっている。

「リノア、見つけた~~~」
「ルティナ~~~会いたかった~~~」

ルティナが真上を向き、身体に闇属性を付与させると、2人は抱きしめ合う。この子は光だけでなく、相反する闇の力も扱えるのか。

「リノア、ごめんね、ごめんね」
「ルティナが謝る必要ないよ。全部マクレミーサが悪い」

ルティナとリノアが話している間に、2人の侵入者たちがこちらへ駆けてくる。話し合いの出来る連中であって欲しい。

「ルティナが、何故ここにいる!!」
「あいつ、失敗したのか!!」

その言い方で、任務に忠実で話の通じない馬鹿野郎共とわかる。

「この人たち、私を討伐しにきた悪い奴!! マクレミーサが仕掛けたことを知られたくないからって……最低!!」

「丁度いい、2人まとめて始末する」
「俺は、あの男をやる」

2人の刺客がロングソードを抜き放つ。
やっぱり、こうなるのか。
まあ、それはそれでこちらとしても好都合だ。
君たちは、僕の実験体になってもらおう。

僕は、掌握しておいた奴らに指令を下す。
その途端、2階の窓が破壊され、奴らが現れる。

「「「「タルパ!!」」」」

4人揃って、ハモるなよ。
ここからは、護衛でもある僕の出番だ。
掌握している相手がタルパだし、ここは偉そうに言ってみよう。

「貴様らのターゲットは、あそこにいる大人共だ。存分に、全てをくらいつくすがいい!!」

僕が命令した途端、獣人・人間・エルフ・魔物といった多種類のタルパ7体が一斉に2人の侵入者に目を向け、怨嗟の声を叫ぶ。始めに散布しておいた魔力を上空にいる連中に、しっかりと染み込ませて掌握しておいたから、今のあいつらは僕の言いなり、言葉を言い換えるのであれば、奴隷に等しい。

タルパの元となる生物は多種多様だけど、ああいった狂気と怨嗟に塗れ、自我を失った者たちには、一つの共通事項がある。

それは殺人衝動、本来の目的を忘れ、今でも不特定多数の人族を殺めたくてウズウズさせている。たった今、僕はその不特定多数の部分を侵入者2名になるよう加工し、身体に憑くのではなく、殺すよう命令した。

相手の行動を変更させる行為、これも加工に該当する。

タルパ共は、階段付近にいる2人だけを標的にして、一斉に襲い出す。襲撃者たちは動揺していたのか、初動に遅れが生じ、全てのタルパに両手足を噛まれ砕かれ、叫び声をあげる。ここからは、子供に見せられない光景になりそうだ。忘れないうちに、あの2人を抹殺した後は、理性を取り戻してから強制成仏するよう、タルパたちにタイマーを仕掛けておこう。

ステータス上で指示もできるから、本当に楽だ。
証拠を、隠滅、隠滅っと。
実行ボタンをポチッとな。
タルパ諸君、来世に期待したまえ。

「2人共、今のうちに外へ逃げるよ」
「リノア、リョウトお兄ちゃんは私の味方だから安心して」

おいおい、殆ど紹介になってないから。

「お兄ちゃんって…また、悪い癖が出たのね。リョウトさん、ルティナは自分の気に入った年上の男の子を見たら、すぐにお兄ちゃんって言う癖があるんです。共通しているのは、全員が皆から慕われている優しい男性、だから……宜しくお願いします!!」

この子は、ルティナと違ったタイプの女の子のようだ。敵側の状況を観察しながら、僕のことも見て、自分の意見をまっすぐ言っている。

「こちらこそ宜しく!! さあ、ここから離れるよ!!」
「はい」「うん」

僕は2人を連れ、そのまま中庭へと駆け出す。
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