加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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30話 生存者を探しだせ *リノア視点

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通常形態のタルパなら、壁も素通りできる。だから、玄関を無視して壁を抜けると、1階は爆風の影響で酷い有様だった。粉塵のせいで視界も悪く、負傷者が何処にいるのかわからない。

とりあえず、このまま真上に飛んでいきながら、各階の状況を順に少しだけ観察していこう。


……どうしよう?


『リョウトさん、今最上階の4階にいるんだけど、全ての階が粉塵で視界もゼロだよ』

『それなら、4階から順に部屋を見ていき、負傷者を発見して動けないようなら、君が窓を開けていくんだ。ゆっくりとね』

『ゆっくり?』

『そう、ゆっくりだ。開けた際の摩擦で火花が散った瞬間、大爆発が起こるから』

『だ…大爆発!?』
『冗談じゃなく、本気だから』

火花が散っただけで大爆発? 
この粉塵と火花で、なんでそうなるの?

『慎重にやる』

気配と魔力を探りながら、粉塵の中を散策すると、そこは広い部屋のようで、人があちこちに倒れていて、皆ぴくりとも動かない。粉塵でわかりにくいけど、全員死んでるのは間違いない。試しに、部屋の窓を開けると、粉塵が外へと出ていき、部屋の中が少しだけ見えるようになった。

「なに…これ…酷い」

爆発の影響なのか、内壁の殆どが崩れていて、全ての物品が粉々に割れている。白衣を着た人たち全員が、目を大きく開けたまま死んでいる。顔も髪も爆発の影響で焼け爛れ、誰が誰だかわからない。

「う…気持ち悪い」

内壁には爆弾の耐性が付けられていないのか、出入り口のドアとかも吹っ飛んでいる。

「爆発の中に、火とかもあったのかな?」

もしかして、最上階の4階で爆発が起きたの?
とにかく、負傷者を探し出そう。


……4階を探索したけど、発見した人々全員が死んでいて、皆の火傷が酷かった。あれじゃあ、鑑定系スキルで調査しないと、誰か判別できない。


私は深呼吸して、3階へ向かう。今は通常のタルパ形態だから、暑さとか感じないけど、今は何度くらいあるのだろう? リョウトさんは30℃くらいと言っていたから、室内だと暑いよね。

3階を探索した結果、生存者が4名いた。階段から最も離れた1部屋に集中していて、全員が痛い痛いと苦しい声をあげている。エリアヒールで回復したとはいえ、火傷を負った箇所が、まだ結構残っている。

全員、苦しそうですぐに動けそうになかったから、私が部屋内の窓を開けていく。その後、水道を探して蛇口を捻っけど、水道管が壊れたのか、水が出なかったので、苦しんでいる1人の男性職員に質問する。

「タルパのリノアです。あなた方を助けに来ました」
「え…タルパ? 何が起きたんだ?」

この人は他の人に比べると、冷静に周囲を観察していたから、私の質問に答えてくれると思う。

「建物内で、爆発事故が起こりました」
「爆発? あれがそうなのか」
「水道管が壊れたので、水が出ません。水の保管場所を教えてください」
「そうか…粉塵…君は賢いな…超純水がそこの大型容器に入ってる。頑丈だから、潰れていないはずだ。近くに容器もあるはずだから…それで水を…」

超純水の意味がわからないけど、とにかく水があるんだね。ええと……あった。この大きな白っぽい容器のことだ。

「凄…爆発の中、これだけ倒れてない。どれだけの水が入っているの?」

私は小さな容器を4つ見つけて、そこに水を満タンに入れた。それと近くにはガーゼもあったので、それをさっきの男性に渡す。彼は何の役割なのかすぐに察したようで、ガーゼに水を染み込ませて、自分と他の3人の口を覆うように巻いていく。

「ありがとう…これでなんとか凌そうだ。さあ、行きなさい」

他の3人も口に水を含ませたことで、気力が戻ったのか、私にお礼を言ってくれた。

ここはこれでいい。
次は、2階だ。

2階の生存者は8名、こっちも階段から離れた3部屋にいて、3階同様、窓を開けてから超純水とガーゼを探し、マスク代わりとして渡した。

生存者たちには……

『私はタルパのリノアと言います。先程、親友ルティナが、エリアヒールで皆さんの体力と建物内の温度環境を微力ながら回復させました。ただ、廊下は粉塵に覆われていて危険です。もう少ししたら、部屋内の粉塵も消えてくれるので、救助が来るまで我慢してください。それと、私の師匠が〈絶対に火を使うな〉と言ってました。よくわからないのですが、粉塵爆発が起こるからだと言ってました』

こう伝えると、皆が真剣な顔で頷いてくれた。
皆が、粉塵爆発の危険性を知っている顔だった。

最後の1階、ここも他の階と同じで、階段から最も離れた3部屋に生存者が合計9名いたけど、他の階同様、すぐ動けそうになかったので、私は水を染み込ませたガーゼを各部屋の生存者たちに渡していき、最後の一部屋にいる2名のもとへ向かうと、床に倒れている40歳くらいの男性がよろけながら、私に触れようとしてきた。

「すり…抜けた?」
「私はタルパです。通常形態なので、今は触れません」

喋るだけでも苦しそうなのに、何を言おうとしているの?

「娘を…助けてほしい……魔暴アレルギー喘息という病気…粉塵は命取り…このままでは……魔力暴走を…」

途切れ途切れでわかりにくかったけど、病名はわかった。

「わかりました。師匠に聞いてみます」

男性の隣には12歳くらいの女の子がいる。他の人たちと同じくらいの火傷なのに、顔色がかなり悪い。今は気絶していて、私に気づいていない。

『リョウトさん、魔暴アレルギー喘息を患った女性がいるの。負傷者の男性が、粉塵は命取りになるって言ってた』

『おいおい、なんで薬学棟にそんな子がいるんだよ。このままだと、魔力暴走を引き起こして、最悪その子を起点に大爆発が起こるぞ』

また、爆発!?
火花じゃなくて、魔力暴走で?

『容態は?』
『火傷が酷いけど、今は気絶……え?』

私がリョウトさんと話していると、女の子の目が突然開いた。
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