わたしの専属魔法使いR-18

みずき

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ドスンッと大きな音がして体に衝撃がきた

「ユノウ、ごめん!!いっ、今どくから……」

私は慌ててユノウの上からおりる
ユノウは声ひとつ出さない、不思議に思ってユノウの顔を見ると目をつぶっている、私の声が届いてない……?

「ねぇ?ユノウ?大丈夫?私の声聞こえてる?」

ユノウはなんの反応もしない
まさか……今倒れたので頭をぶつけちゃったの?どうしよう……
そうだ、シリウス先生に診てもらわなきゃ!!

私はシリウス先生のいる部屋へと走った

部屋の扉を開ける、そこにシリウス先生がいた

「先生っ!!ユノウが……ユノウが……」

「ひっ、姫様どうなされたのですか?」

「ユノウが倒れて……とにかく大変なんです!!来てください!!」

「ユノウって姫様の専属魔法使いのですか?はい、案内してください!!」

私は急いで庭へと先生を連れて行く
そこにはまだ目を覚まさないユノウが芝生の上に横たわっている

私はユノウの側に駆け寄り声をかける

シリウス先生がユノウに触れる

「ユノウ?ユノウ!聞こえてるか!」

先生はユノウの肩を揺らしているけどユノウは反応しない

「姫様、1度私の部屋へユノウを連れて行き様子を見ます、もし目が覚めたらお伝えしますのでお部屋でお待ち下さい」

そう言うとシリウス先生はユノウを持ち上げて連れて行ってしまう

私はその場に座り込んだ

私が、私のせいでユノウが……

涙が出てくる

溢れ出る涙を止められない

苦しいよ‥‥
魔法が使えてユノウに近付けたと思ったのに

もしこのままユノウの目が覚めなかったらどうしよう‥‥

遠くから声が聞こえた

「姫様?大丈夫ですか?」

周りを見渡すと庭師さんが心配そうな顔で私に駆け寄ってきている

駆け寄ってきた庭師さんは芝生に座って私の目線に合わせて優しく話しかけてくた

「どうされたのですか?なぜ泣いているのですか?国王様にお伝えしなければ‥‥」

「ごめんなさい、大丈夫です。お父様には伝えなくて大丈夫です」

「部屋までお連れします、さあ姫様お手を‥‥」

庭師さんが手を差し伸べてくれたのでその手を掴み立ち上がる
そのまま庭師さんが部屋まで付いて来てくれた

「何があったかはわかりませんが、姫様が泣いているのは私は悲しいです。ゆっくり休んでください」

「ありがとうございます」

私はお礼を言って部屋の扉を開けて部屋の中に入って扉を閉めた

ユノウ大丈夫かな‥‥












ユノウが倒れて一週間が経った

まだ目を覚まさない

あの日から一度もユノウに会えていない

いつも通りの毎日を送っているけれど心にぽっかりと大きな穴が空いている

私は明日ミユリフ王国へお嫁に行く

あの日から一度も魔法を練習していない

ユノウにさよならも言えないまま離れ離れになってしまう

シェイド王子がユノウを連れて行く事は許してはくれなかった、シェイド王子が選んだ人を私の専属魔法使いとして準備してくれたんだとお父様から聞かされた

冗談でもユノウが言ってくれた事嬉しかったな
二人で遠いところへ行って幸せに暮らすって

明日ミユリフ王国へ行ってすぐ結婚の儀式をする
そうすれば私はシェイド王子のお嫁さんになってもうユノウには会えない

私は悲しい気持ちのまま眠りについた









目が覚めた

いつものように着替えをさせてもらう

今日は特別なのか今まで見た事ないような綺麗なドレスを着せられた

鏡で見た私の姿はドレスばかりが綺麗に見えて、とても悲しそうな顔が目立ってしまう
いつもドレスを着せてくれていたお手伝いさんはそんな私を見て

「姫様‥‥行ってしまわれるんですね‥‥とても寂しくなります‥‥」

「私もすごく寂しい、もし私が行ってしまった後にユノウが‥‥私の専属の魔法使いが目を覚ましたら伝えて欲しい事があるの」

「はい、お伝えします」

「許してもらえないかもしれないけどごめんなさい、私ずっとユノウが目を覚ますのを待っていました。何も言えないままミユリフ王国へ行きます、ごめんなさい。ユノウのこと‥‥ずっと好きだったよ、心はユノウの傍に‥‥」

私は話しながら涙を流した

「姫様、大丈夫ですか?」

「大丈夫‥‥」

「もし、目を覚まされたら必ずお伝えします」

「ありがとう、いつもいつも着替えさせてくれてありがとう、会えなくなるのはすごく寂しい‥‥」

「私もです‥‥今までありがとうございました、さようなら‥‥」

お手伝いさんは顔を手て隠すように覆いながら部屋を出て行った

いつも会話もした事なかったのに泣いてしまうほど私のことを思ってくれていたんだ
もっとお礼を言えばよかったな‥‥

私は部屋を後にした

今日はいつもより豪華な朝食だ
私の好きなものがたくさんある

なんだか余計に悲しくなる

私を思って考えてくれたんだって思ったら我慢していた涙が溢れた
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