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学生達の明晰夢 第2章
新たなる問題
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後日、また川岸に呼び出された。
もちろん俺の教室にだ。
だが、多少の変化があった。
それはメンバーに森本が追加されたからである。
森本は失恋の事を知らなかったようだが古谷と俺の態度を見て何かあったということは察していたらしい。まぁ俺的には冬月との不完全な会話を解消出来るから助かる。
「なぁ、みんな 今度さ、このメンバーで三浦の方に行かね?」
「いいよ、でもなんで?」
「武藤が調べてくれたんだけど、美味いマグロが食べれるお店があるらしいんだよ それに、水族館だってあるし ほら森本は水族館好きだしさ」
「そういう事ね、確かに森本ちゃんは水族館、好きだもんね」
水族館か。あまり良いイメージはない。
だが、行かないという選択をした所でバイトか家でゴロゴロしているだけだ。
「俺は行くぜ」
「お、ザワ来てくれるか」
「では、僕も行くよ」
「私も行く」
「森本はどうするよ?」
「行く」
「そうか、じゃ全員参加だな こりゃ楽しくなるぜー」
「楽しみ」という概念は感じてはいない。
「ただの暇つぶし」それだけだ。
アイツらと遊ぶ事が楽しくないと言う訳では無い。ただ最近は全て楽しくないのだ。お気に入りのゲームをしていても、テレビドラマを見ていても、何をしていても楽しくない。
こんな感覚になったのは初めてだ。川岸が前に言っていた。「病み期になるのにはトリガーがある」と。確かにその通りだ。その「トリガー」はほぼ間違いなくあの失恋だろう。だが全ての原因がそこにあるとは思えない。例えここで新しい恋愛を見つけたとしてもこの病み期が治りはしないだろう。
「おーい、野澤? 聞いてる?」
「ん、あ、悪い聞いていなかった 何の話だ?」
「もう、ちゃんと聞いてなよ 来週、日曜日の10時に駅集合だって」
「お、おう 分かった」
「野澤、ボーッとしてどうしたの?」
「ちょっとな」
「まぁ、どうせ古谷ちゃんの事でしょうけど」
あながち間違いではないが、決めつけられると腹がたつ。古谷の事と言うより、古谷を含めた俺のストレスについてなんだが。まぁ、わざわざ口に出すのもめんどくさいのでスルーすることにした。
「冬月はさ、三浦楽しみか?」
「まぁまぁ」
「そうか」
「でも、あのメンバーでいれば楽しいとは思う」
「そうか」
なぜ、俺はそんなことを聞いたのだろうか。
多分、この前の含みのある言葉のせいだろう。気にしないと言い聞かせても無意識に気にしてしまっているらしい。つくづく自分がいやになる。
「そういう野澤はどうなの?」
「俺もまぁまぁかな」
「そう」
相変わらずの盛り上がりに欠ける会話をしていると、川岸が用事を思い出したらしく大急ぎで帰り支度を始めた。この会は、ほとんど川岸と武藤によって完成されているため、そのどちらかが帰ると言い出すとおのずとお開きになる。
俺達はいつもの様に帰ることにした。
家に着いたあと、かじかんだ手を温めるために大急ぎで風呂に入った。急に湯船に入ったためか手がヒリヒリした。
基本的に約30分間ほど入っているのだが
最近はそれよりも長く入っている。
ネットで見たのだがこれも病み期の特徴らしい。こんな事を考えた為か今日はいつもより早く上がった。暇を潰すために携帯をとった。届いていた通知を見て俺は驚いた。
そこには
「悪い、ザワ 俺さ日曜日予定あるの忘れてたわ だから、俺 日曜日行けないわ」
と書かれていた。
全く、なんというやつだ。自分で言い出したのに予定があって行けないとはなんという事だ。まぁ、ここで怒っても仕方がないので俺は
「分かった」
と返信した。
俺は本来やるつもりだったリズムゲームをするためにイヤホンを携帯にさした。
日曜日の駅。案の定川岸はいない。
三浦に行こうと言い出したのは武藤が先だったらしく、それを川岸が代弁したらしい。
だから川岸が来られなくなっても行くという結論になり、今に至るというわけだ。
川岸がいないので、予定時間通りに出発出来た。
電車の中では武藤がくだらない話を永遠にしている。川岸といる時はまだ面白いので聴けるのだが、武藤のソロは正直疲れる
初めて川岸の大切さに気づいた。まぁいたらいたで疲れるのだが。
三浦までは約1時間近くかかるため、何か暇を
潰せるゲームをしようということになった。
だが、こういう役目もいつもは川岸がやるため、あまり良いアイディアが浮かばなかった。結局、しりとりやなぞなぞなど、全く高校生らしくないゲームで場を繋ぐことになった。
そんな中、やっと三浦の駅に到着した。
ここからはバスで向かう。
運のいい事にバス停に到着してからすぐにバスが来た。
バスの車窓から見える景色はどこまでも畑が広がっていた。ただ、いつもデパートやショッピングセンターなどに囲まれている俺にとってその風景はとても新鮮で、それでいてどこか心地良い気持ちになった。
気づけば目的のバス停に着いた。
時間も時間だったので昼飯を食べてから水族館に行くことにした。
だが辺り1面畑でどこに例のマグロのお店があるのか分からず途方に暮れていた。すると前から俺達と同じ年代の男2人組が歩いてきた。早速武藤がその2人に道をたずねに行った。
「あの、すいません このお店に行きたいんですけど 分かりますかね?」
「ん?どれどれ おい、和人分かるか?」
「見せてみ あー、ここか この道を真っ直ぐ行くと石碑があるんだけど、その石碑を右に曲がってその道を真っ直ぐ行けば着くよ」
「ありがとうございます 助かりました」
武藤の積極性には驚かされる。
まぁ結果的に助かったが
その男2人組に言われた通りに進むと
目的のお店に着いた。いかにも港町の海鮮料理屋のようだった。中に入ってみても予想を裏切らなかった。俺達はみな同じオススメの海鮮丼を頼んだ。その味はとても美味しく一瞬言葉を失った。マグロだけではなくイカやサーモン、その他大勢の魚介類を堪能できた。ここまで美味しく調理されるなら魚達も本望だろう。
俺達は飯を食べるとすぐに店を出て水族館へ向かった。忘れていたが今回のメインは水族館だ。
まぁ、俺はどうでもいいのだが。
しばらく歩くと水族館の入り口が見えてきた。
中に入るとこの前行った水族館とは全く雰囲気が違った。向こうの方は少しオシャレな感じだったがこっちの水族館はフレンドリーのような、テーマパークのような感じがした。
まぁだからといってイメージが変わる訳では無いが。
テンションが上がって先に進む武藤やそれに付き添う森本とはぐれないように俺と冬月は水槽へと足を運んだ。
水族館もかなり楽しんだということで
今回も海辺へと移動した。
時刻は前と同じく4時頃、ただ同じ海のはずなのにどこか違く感じた。この日は波が高く波音が広い海辺の隅から隅まで響いていた。
全く疲れを知らない武藤は波に近づいては離れるという子供のような遊びをしている。さっきから武藤に付き合わされている森本はその光景を微笑ましそうに見ている。
俺と冬月はというと近くにあったベンチに座っていた。
2人の間には静寂な時間が流れ、聞こえるのは波音とトビの鳴き声だけだった。
すると、冬月が急に話を始めた。
「ねぇ、野澤」
「ん?どうした?」
「この前、私には悩みがないって言ったじゃない」
「うん、言ってたね」
「でも、あれ嘘 本当はあるの」
「そうなのか」
「聞いてくれる?」
「いいよ、聞くよ」
「私には、好きな人がいてね 告白もした
そして付き合うことになったの」
「うん」
「でも、その人は浮気を繰り返してね しまいには私の事を捨てて 他の女の所に行ってしまった」
「そんなことがあったのか」
「だから、私は野澤の気持ち分かるよ」
「そうか」
俺の気持ちが分かる。だと。冗談じゃない。
確かに境遇は似ている。だが俺の気持ちが分かるわけが無い。そんな簡単に理解されてたまるか。冬月、お前は俺の気持ちが分かるのではない。ただ分かったとすることで、自分の仲間が欲しいだけだ。
だが、こんな事を本人に言える訳もなく不自然なまま会話は終わった。
もちろん俺の教室にだ。
だが、多少の変化があった。
それはメンバーに森本が追加されたからである。
森本は失恋の事を知らなかったようだが古谷と俺の態度を見て何かあったということは察していたらしい。まぁ俺的には冬月との不完全な会話を解消出来るから助かる。
「なぁ、みんな 今度さ、このメンバーで三浦の方に行かね?」
「いいよ、でもなんで?」
「武藤が調べてくれたんだけど、美味いマグロが食べれるお店があるらしいんだよ それに、水族館だってあるし ほら森本は水族館好きだしさ」
「そういう事ね、確かに森本ちゃんは水族館、好きだもんね」
水族館か。あまり良いイメージはない。
だが、行かないという選択をした所でバイトか家でゴロゴロしているだけだ。
「俺は行くぜ」
「お、ザワ来てくれるか」
「では、僕も行くよ」
「私も行く」
「森本はどうするよ?」
「行く」
「そうか、じゃ全員参加だな こりゃ楽しくなるぜー」
「楽しみ」という概念は感じてはいない。
「ただの暇つぶし」それだけだ。
アイツらと遊ぶ事が楽しくないと言う訳では無い。ただ最近は全て楽しくないのだ。お気に入りのゲームをしていても、テレビドラマを見ていても、何をしていても楽しくない。
こんな感覚になったのは初めてだ。川岸が前に言っていた。「病み期になるのにはトリガーがある」と。確かにその通りだ。その「トリガー」はほぼ間違いなくあの失恋だろう。だが全ての原因がそこにあるとは思えない。例えここで新しい恋愛を見つけたとしてもこの病み期が治りはしないだろう。
「おーい、野澤? 聞いてる?」
「ん、あ、悪い聞いていなかった 何の話だ?」
「もう、ちゃんと聞いてなよ 来週、日曜日の10時に駅集合だって」
「お、おう 分かった」
「野澤、ボーッとしてどうしたの?」
「ちょっとな」
「まぁ、どうせ古谷ちゃんの事でしょうけど」
あながち間違いではないが、決めつけられると腹がたつ。古谷の事と言うより、古谷を含めた俺のストレスについてなんだが。まぁ、わざわざ口に出すのもめんどくさいのでスルーすることにした。
「冬月はさ、三浦楽しみか?」
「まぁまぁ」
「そうか」
「でも、あのメンバーでいれば楽しいとは思う」
「そうか」
なぜ、俺はそんなことを聞いたのだろうか。
多分、この前の含みのある言葉のせいだろう。気にしないと言い聞かせても無意識に気にしてしまっているらしい。つくづく自分がいやになる。
「そういう野澤はどうなの?」
「俺もまぁまぁかな」
「そう」
相変わらずの盛り上がりに欠ける会話をしていると、川岸が用事を思い出したらしく大急ぎで帰り支度を始めた。この会は、ほとんど川岸と武藤によって完成されているため、そのどちらかが帰ると言い出すとおのずとお開きになる。
俺達はいつもの様に帰ることにした。
家に着いたあと、かじかんだ手を温めるために大急ぎで風呂に入った。急に湯船に入ったためか手がヒリヒリした。
基本的に約30分間ほど入っているのだが
最近はそれよりも長く入っている。
ネットで見たのだがこれも病み期の特徴らしい。こんな事を考えた為か今日はいつもより早く上がった。暇を潰すために携帯をとった。届いていた通知を見て俺は驚いた。
そこには
「悪い、ザワ 俺さ日曜日予定あるの忘れてたわ だから、俺 日曜日行けないわ」
と書かれていた。
全く、なんというやつだ。自分で言い出したのに予定があって行けないとはなんという事だ。まぁ、ここで怒っても仕方がないので俺は
「分かった」
と返信した。
俺は本来やるつもりだったリズムゲームをするためにイヤホンを携帯にさした。
日曜日の駅。案の定川岸はいない。
三浦に行こうと言い出したのは武藤が先だったらしく、それを川岸が代弁したらしい。
だから川岸が来られなくなっても行くという結論になり、今に至るというわけだ。
川岸がいないので、予定時間通りに出発出来た。
電車の中では武藤がくだらない話を永遠にしている。川岸といる時はまだ面白いので聴けるのだが、武藤のソロは正直疲れる
初めて川岸の大切さに気づいた。まぁいたらいたで疲れるのだが。
三浦までは約1時間近くかかるため、何か暇を
潰せるゲームをしようということになった。
だが、こういう役目もいつもは川岸がやるため、あまり良いアイディアが浮かばなかった。結局、しりとりやなぞなぞなど、全く高校生らしくないゲームで場を繋ぐことになった。
そんな中、やっと三浦の駅に到着した。
ここからはバスで向かう。
運のいい事にバス停に到着してからすぐにバスが来た。
バスの車窓から見える景色はどこまでも畑が広がっていた。ただ、いつもデパートやショッピングセンターなどに囲まれている俺にとってその風景はとても新鮮で、それでいてどこか心地良い気持ちになった。
気づけば目的のバス停に着いた。
時間も時間だったので昼飯を食べてから水族館に行くことにした。
だが辺り1面畑でどこに例のマグロのお店があるのか分からず途方に暮れていた。すると前から俺達と同じ年代の男2人組が歩いてきた。早速武藤がその2人に道をたずねに行った。
「あの、すいません このお店に行きたいんですけど 分かりますかね?」
「ん?どれどれ おい、和人分かるか?」
「見せてみ あー、ここか この道を真っ直ぐ行くと石碑があるんだけど、その石碑を右に曲がってその道を真っ直ぐ行けば着くよ」
「ありがとうございます 助かりました」
武藤の積極性には驚かされる。
まぁ結果的に助かったが
その男2人組に言われた通りに進むと
目的のお店に着いた。いかにも港町の海鮮料理屋のようだった。中に入ってみても予想を裏切らなかった。俺達はみな同じオススメの海鮮丼を頼んだ。その味はとても美味しく一瞬言葉を失った。マグロだけではなくイカやサーモン、その他大勢の魚介類を堪能できた。ここまで美味しく調理されるなら魚達も本望だろう。
俺達は飯を食べるとすぐに店を出て水族館へ向かった。忘れていたが今回のメインは水族館だ。
まぁ、俺はどうでもいいのだが。
しばらく歩くと水族館の入り口が見えてきた。
中に入るとこの前行った水族館とは全く雰囲気が違った。向こうの方は少しオシャレな感じだったがこっちの水族館はフレンドリーのような、テーマパークのような感じがした。
まぁだからといってイメージが変わる訳では無いが。
テンションが上がって先に進む武藤やそれに付き添う森本とはぐれないように俺と冬月は水槽へと足を運んだ。
水族館もかなり楽しんだということで
今回も海辺へと移動した。
時刻は前と同じく4時頃、ただ同じ海のはずなのにどこか違く感じた。この日は波が高く波音が広い海辺の隅から隅まで響いていた。
全く疲れを知らない武藤は波に近づいては離れるという子供のような遊びをしている。さっきから武藤に付き合わされている森本はその光景を微笑ましそうに見ている。
俺と冬月はというと近くにあったベンチに座っていた。
2人の間には静寂な時間が流れ、聞こえるのは波音とトビの鳴き声だけだった。
すると、冬月が急に話を始めた。
「ねぇ、野澤」
「ん?どうした?」
「この前、私には悩みがないって言ったじゃない」
「うん、言ってたね」
「でも、あれ嘘 本当はあるの」
「そうなのか」
「聞いてくれる?」
「いいよ、聞くよ」
「私には、好きな人がいてね 告白もした
そして付き合うことになったの」
「うん」
「でも、その人は浮気を繰り返してね しまいには私の事を捨てて 他の女の所に行ってしまった」
「そんなことがあったのか」
「だから、私は野澤の気持ち分かるよ」
「そうか」
俺の気持ちが分かる。だと。冗談じゃない。
確かに境遇は似ている。だが俺の気持ちが分かるわけが無い。そんな簡単に理解されてたまるか。冬月、お前は俺の気持ちが分かるのではない。ただ分かったとすることで、自分の仲間が欲しいだけだ。
だが、こんな事を本人に言える訳もなく不自然なまま会話は終わった。
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