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我等、天より来たりし者!
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鉄の筒、またはエベタと呼ばれる箱の中に2人の少女が押し込められていた。
2人のヒトは背中に二対の大きな白い翼を備えた太古の神々の遺した種族ハーピーのの末裔ハルピュイアであり今世の…そんな事はどうでもいい。
今、2人はエベタにより地上に下降している関係で掛かる重さに耐え兼ねて具合悪そうに床に座り込んでいた。
「アルスゥ……気持ち悪い…頭が痛い…」
元気が取り柄のイズルメですらこの重さにはキツイらしい翼が汚れるのも構わずに寝転がって泣き言を延々と連呼しているのだハッキリきってうるさくてかなわない。
「私だってキツいんだって…」
「アルスは従者…なんだから…何とかしてよぉ……」
「……はい…」
誰が従者だ誰が、と言いながらイズルメをドヤし付けたいけど流石に自分も急激な気圧の変化には耐えるのがやっとなので大人しく腰のポーチから頭痛に効くらしい薬を適当に選んでイズルメの口に押し込むとモゴモゴと薬を飲み込んでいた。
にしても気圧の差で頭痛や倦怠感が起きやすいと過去の地上への下降記録で知っていたとは言えここまで強力だったとは思わなかった。
おばあ様もちゃんと記録に書いておいて欲しい
しかも約半日もエベタの中に閉じ込められるなんだ書いても無いじゃないか。
どうせ1時間か2時間くらいだと思って昼ご飯なんて用意してなかったから空腹も追加されて更に気持ち悪い。胃がムカムカする。本当に最悪だ。
「アルスゥ…私が死んだらアンタに全部やるわ。」
「馬鹿言ってんじゃないわよ……アンタの持ってるのって家くらいでしょうが……」
「なにおう……充分な物じゃない………」
「穴だらけの家ってのを除けば充分立派なんだけど…ね」
イズルメの家は広いし庭が大きいし立派ではあるんだけど壁は穴だらけだし
庭なんて喧嘩した時に起こしたクレーターやら裂け目やらが放置されっぱ
しかも物置小屋…(普通の家1件はある大きさ)なんてこの前バッキバキに壊して跡形もなくなってるし貰っても困るのだ。
「アンタがやったんでしょうが…」
寝転がったイズルメが恨めしそうに睨み付けてくる
…まぁ私の家もぶち壊されてるんだけどさ。
ともあれ箱の中に半日以上も囚われて延々と気圧に押し潰されて重っ苦しい思いを味合わされては幾ら何でもキツイものはキツい。
いい加減、頭痛も限界だしそろそろ私もイズルメの様に寝っ転がって寝ようか、そう思い翼を前に寄せて寝転がろうとした【ま……く地……。】と掠れた声がエベタの中に響き渡る。
まくち……まくち…あぁ…
アルスリヤは まくち を何度も復唱しながら祖母の記録を手繰り寄せ地上が近付いているのだと理解した。
「イズルメそろそろ起きて……やっと……だってさ。」
イズルメを軽くつついてからダルくて仕方の無い身体にムチを打つように起き上がろうと……あぁ、キツい。どうにか座り直すだけで精一杯でエベタの壁に翼と背中をドンっと押し付ける様に座り込むと一瞬だけエベタが横に揺れ動いた。
「ん、そろそろ…うっぷ……」
イズルメはムクリと上半身を起き上がらせては直ぐに真っ青に顔を変化させるとアルスリヤの膝に倒れ込んだ。
「お願いだから吐かないでよ……」
「頑張る……」
2人のヒトは背中に二対の大きな白い翼を備えた太古の神々の遺した種族ハーピーのの末裔ハルピュイアであり今世の…そんな事はどうでもいい。
今、2人はエベタにより地上に下降している関係で掛かる重さに耐え兼ねて具合悪そうに床に座り込んでいた。
「アルスゥ……気持ち悪い…頭が痛い…」
元気が取り柄のイズルメですらこの重さにはキツイらしい翼が汚れるのも構わずに寝転がって泣き言を延々と連呼しているのだハッキリきってうるさくてかなわない。
「私だってキツいんだって…」
「アルスは従者…なんだから…何とかしてよぉ……」
「……はい…」
誰が従者だ誰が、と言いながらイズルメをドヤし付けたいけど流石に自分も急激な気圧の変化には耐えるのがやっとなので大人しく腰のポーチから頭痛に効くらしい薬を適当に選んでイズルメの口に押し込むとモゴモゴと薬を飲み込んでいた。
にしても気圧の差で頭痛や倦怠感が起きやすいと過去の地上への下降記録で知っていたとは言えここまで強力だったとは思わなかった。
おばあ様もちゃんと記録に書いておいて欲しい
しかも約半日もエベタの中に閉じ込められるなんだ書いても無いじゃないか。
どうせ1時間か2時間くらいだと思って昼ご飯なんて用意してなかったから空腹も追加されて更に気持ち悪い。胃がムカムカする。本当に最悪だ。
「アルスゥ…私が死んだらアンタに全部やるわ。」
「馬鹿言ってんじゃないわよ……アンタの持ってるのって家くらいでしょうが……」
「なにおう……充分な物じゃない………」
「穴だらけの家ってのを除けば充分立派なんだけど…ね」
イズルメの家は広いし庭が大きいし立派ではあるんだけど壁は穴だらけだし
庭なんて喧嘩した時に起こしたクレーターやら裂け目やらが放置されっぱ
しかも物置小屋…(普通の家1件はある大きさ)なんてこの前バッキバキに壊して跡形もなくなってるし貰っても困るのだ。
「アンタがやったんでしょうが…」
寝転がったイズルメが恨めしそうに睨み付けてくる
…まぁ私の家もぶち壊されてるんだけどさ。
ともあれ箱の中に半日以上も囚われて延々と気圧に押し潰されて重っ苦しい思いを味合わされては幾ら何でもキツイものはキツい。
いい加減、頭痛も限界だしそろそろ私もイズルメの様に寝っ転がって寝ようか、そう思い翼を前に寄せて寝転がろうとした【ま……く地……。】と掠れた声がエベタの中に響き渡る。
まくち……まくち…あぁ…
アルスリヤは まくち を何度も復唱しながら祖母の記録を手繰り寄せ地上が近付いているのだと理解した。
「イズルメそろそろ起きて……やっと……だってさ。」
イズルメを軽くつついてからダルくて仕方の無い身体にムチを打つように起き上がろうと……あぁ、キツい。どうにか座り直すだけで精一杯でエベタの壁に翼と背中をドンっと押し付ける様に座り込むと一瞬だけエベタが横に揺れ動いた。
「ん、そろそろ…うっぷ……」
イズルメはムクリと上半身を起き上がらせては直ぐに真っ青に顔を変化させるとアルスリヤの膝に倒れ込んだ。
「お願いだから吐かないでよ……」
「頑張る……」
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