ポチの日記

手の平クルクル

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母さん日記

滅ぼされた者たち。

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約千年も昔、人々はニンゲンと呼ばれる種族が繁栄を極めていた。
ニンゲン達は平凡であるが故に幾数年も知識を共有し、発展していき我々よりも高度な技術力を持っていたらしい。

バルトゥスよりも地を自由自在に走る鉄の箱
フェールよりも海上を移動出来る真白き船
大空を飛び回るフリューヤよりも早く空を駆け抜ける巨大な槍
天空にまで届かんとする巨大な塔作り生活を良くしていたと言う。


そんな全知全能とも呼べるニンゲンは滅んだ。
切っ掛けは定かでは無いがニンゲン達が娯楽で作り上げた我々の始祖なる存在に滅ぼされてしまったと言うのが有力であるらしいが真実は定かでは無い。
本来であれば始祖であるムンクス達はニンゲンを喜ばせる為に作られた存在であったとされ様々な姿で創造されたとされる。
四足の獣を合わせたような者もいれば翼を付けた者等数を上げれば数え切れない程の様々な者達がいる。
それ等がニンゲンを何故、どうやって滅ぼしたかは分からないが、バルトゥスやフェール、フリューヤ等といった様々な種族を名乗る事で新たな時代を紡いで行き世代を超えて行き今日がある



「─と言うのが始祖ムンクスの成り立ちになる訳だけど…さて、なにか質問はあるかな?」

長々とした昔話を終えた教師が振り返り生徒達を見やる
真面目に筆を取っているものは数名、他の者は机に伏して船を漕いでるか隣の者と談笑に耽っていた。
自分も学生の時は良く眠っていた物だし無理もない。
テルミストは肩を竦め真面目に筆を取っているもの達の為に講義を続けるのだった。
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