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行く前の事
初めまして!かきなおし
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「そんじゃまた明日な~」
友達の米田に別れの挨拶を告げてから家のドアを開けると玄関に見慣れない女性物の靴があった。
また誰かが来たのだろう。
父親の葬儀が終わってから数日、どうやら父は生前、人との関わりが多かったらしく入れ代わり立ち代わりに色んな人が家に来ては線香を上げに来ていたので既に慣れてしまった。
どんな人が来てるか見るだけ見て部屋に戻ろう
新太は静かにドアを閉めてから靴を脱ぐ。
廊下を音を出さないように忍び足で歩いて仏間の前に辿り着く。
耳を済ませてみればどうやら母さんも部屋の中に居るらしく話し込んでいるらしい
そっと襖を開いて中を覗くと母さんと来客の女性が何やら話し込んで居た。
ここ数日線香を上げに来た人は年配の人だらけだったのに今日来ている人は20代位の若い人だった。
しかも喪服じゃなくて白いワンピースを着て凄い美人な黒髪ロングの人。
親父の仏壇に寄り掛かり胡座をかいていて面倒くさそうに欠伸を1つ、それからお茶を物凄い汚い音を出しながら飲み干したと思えば寄りかかっていた仏壇から手探りで供え物であっただろう饅頭を手に取ると口に放り込んでいた。
すげぇ罰当たりすぎる
けどクソ親父のだしいいか。
どうせあのクソ親父の浮気相手か何かだろうか
もしかして親父が死んだから遺産を寄越せと集りに家に来たのか。
何しろ面倒臭いとになり兼ねないしそろそろ部屋にでも戻って…
その時、ふと来客の目線が自分の方に向く。
「やぁ新太君こっちおいでよ」
黒髪美人はそう言うと立ち上がるや自分がいる襖の方に歩き出しはじめる。
咄嗟にヤバいと思って逃げようと廊下へと向き直るが逃げるよりも早く襖が開けられてしまった。
「待って、少しおしゃべりしようよ」
待って。そう言われた瞬間。走り出そうとした身体が動かなくなった。
腰が抜けて動かないとか呼び止められてビックリしたとかじゃなくて文字通り動かなくなってしまった。
「ねぇ待ってよ、あれ?無視?ねぇねぇ聞こえてるよね?ちょっと~?」
走り出そうとした瞬間をまるで石像にしたかのように身体が固まってしまい動く事も喋ることも出来なかった。
「ねぇってば、流石に突っ立ったまま無視は酷く無い?」
必死に体を動かそうと体を揺らしてみたり声を発してみたり……とにかく何とかしようとしていると来客の女性が回り込んで来たらしく前に立った。
「ちょっとさ君ってば人の話にはちゃんと返事しましょうって学ばなかった訳?ほんっとどうなってるのさ大体─」
来客の女性は反応が無いのに怒っているらしく不機嫌そうに小言を言い始める
無視しようとしてる訳では無い。しかし身体が全然動かなければ喋ることすら出来ない……目も乾燥し出して痛くて堪らないしなんだか息苦しくなって来始めた。
まさか体が動かないから呼吸も出来ないって事なのか?!
やばい、ヤバすぎるこのままじゃ窒息で死んでしまうのでは?
思い始めると急速に身体が酸素を求め出したのか苦しくなり始める。
目の前に酸素はいくらでもあるのに吸うことは出来無い……いやだ、頼むから気が付いて……お願いだから……
「──って言うわけなんだよ反省した?だぁぁっと本当にムカつ……ん?あれ?もしかして動いてない?」
そう、そうなんだよ!動けないんだって!!お願いだから何とかしてくれ……このまま窒息なんて嫌すぎる……ヤバい……息が……そろそろ限界みたいだ……クソ親父が死んで数日足らずで俺も死ぬとか……嫌すぎ……る
「あぁ、ごめんごめん動いていいよ。」
呼吸がままならず意識が途絶え用途した瞬間、「動いていい」、と発せられた瞬間ピクリとも動かなかった身体が一斉に動き出す。
身体が酸素を求めて動き出し肺へ新鮮な酸素を送り込み始め走り出した瞬間硬直した身体はつんのめり、バランスが保てなくなって変な動きをしながら床へと倒れ込んだ。
「」
「な…え……?」
「ゴメンゴメン!君が逃げようとしちゃったから思わず魔法を使っちゃった見たいだね…本当にゴメンね?怪我は無いかな?」
来客の女性は手を差し出して来たが彼女の言葉に思わず顔をしかめながら差し出された手を凝視する
「魔法って……」
魔法なんてアニメや漫画の世界、架空の物。そんなのある訳が無い。
そもそも現代で魔法なんて夢物語は散々否定されて存在なんてしないじゃないか。
馬鹿な事を言うなとそう言言いかけて口がつぐんでしまう
だが現に逃げようとした瞬間に身体が動かなくなってしまったのだ。
差し出された彼女の手を取っても良いかと決めあぐねて居ると
「ごめんってもうしないよ」
とクスッと笑いながら無理やり手を掴んで俺を強引に引っ張りあげる
「ね、しないって言ったでしょ?それより怪我は無いかな?」
「え?あ、あぁ、はい…大丈夫……です?」
「良かった良かった!それじゃあさ、立ち話もなんだし仏間の方に行かない?君のお母さんも待ってるからさ」
友達の米田に別れの挨拶を告げてから家のドアを開けると玄関に見慣れない女性物の靴があった。
また誰かが来たのだろう。
父親の葬儀が終わってから数日、どうやら父は生前、人との関わりが多かったらしく入れ代わり立ち代わりに色んな人が家に来ては線香を上げに来ていたので既に慣れてしまった。
どんな人が来てるか見るだけ見て部屋に戻ろう
新太は静かにドアを閉めてから靴を脱ぐ。
廊下を音を出さないように忍び足で歩いて仏間の前に辿り着く。
耳を済ませてみればどうやら母さんも部屋の中に居るらしく話し込んでいるらしい
そっと襖を開いて中を覗くと母さんと来客の女性が何やら話し込んで居た。
ここ数日線香を上げに来た人は年配の人だらけだったのに今日来ている人は20代位の若い人だった。
しかも喪服じゃなくて白いワンピースを着て凄い美人な黒髪ロングの人。
親父の仏壇に寄り掛かり胡座をかいていて面倒くさそうに欠伸を1つ、それからお茶を物凄い汚い音を出しながら飲み干したと思えば寄りかかっていた仏壇から手探りで供え物であっただろう饅頭を手に取ると口に放り込んでいた。
すげぇ罰当たりすぎる
けどクソ親父のだしいいか。
どうせあのクソ親父の浮気相手か何かだろうか
もしかして親父が死んだから遺産を寄越せと集りに家に来たのか。
何しろ面倒臭いとになり兼ねないしそろそろ部屋にでも戻って…
その時、ふと来客の目線が自分の方に向く。
「やぁ新太君こっちおいでよ」
黒髪美人はそう言うと立ち上がるや自分がいる襖の方に歩き出しはじめる。
咄嗟にヤバいと思って逃げようと廊下へと向き直るが逃げるよりも早く襖が開けられてしまった。
「待って、少しおしゃべりしようよ」
待って。そう言われた瞬間。走り出そうとした身体が動かなくなった。
腰が抜けて動かないとか呼び止められてビックリしたとかじゃなくて文字通り動かなくなってしまった。
「ねぇ待ってよ、あれ?無視?ねぇねぇ聞こえてるよね?ちょっと~?」
走り出そうとした瞬間をまるで石像にしたかのように身体が固まってしまい動く事も喋ることも出来なかった。
「ねぇってば、流石に突っ立ったまま無視は酷く無い?」
必死に体を動かそうと体を揺らしてみたり声を発してみたり……とにかく何とかしようとしていると来客の女性が回り込んで来たらしく前に立った。
「ちょっとさ君ってば人の話にはちゃんと返事しましょうって学ばなかった訳?ほんっとどうなってるのさ大体─」
来客の女性は反応が無いのに怒っているらしく不機嫌そうに小言を言い始める
無視しようとしてる訳では無い。しかし身体が全然動かなければ喋ることすら出来ない……目も乾燥し出して痛くて堪らないしなんだか息苦しくなって来始めた。
まさか体が動かないから呼吸も出来ないって事なのか?!
やばい、ヤバすぎるこのままじゃ窒息で死んでしまうのでは?
思い始めると急速に身体が酸素を求め出したのか苦しくなり始める。
目の前に酸素はいくらでもあるのに吸うことは出来無い……いやだ、頼むから気が付いて……お願いだから……
「──って言うわけなんだよ反省した?だぁぁっと本当にムカつ……ん?あれ?もしかして動いてない?」
そう、そうなんだよ!動けないんだって!!お願いだから何とかしてくれ……このまま窒息なんて嫌すぎる……ヤバい……息が……そろそろ限界みたいだ……クソ親父が死んで数日足らずで俺も死ぬとか……嫌すぎ……る
「あぁ、ごめんごめん動いていいよ。」
呼吸がままならず意識が途絶え用途した瞬間、「動いていい」、と発せられた瞬間ピクリとも動かなかった身体が一斉に動き出す。
身体が酸素を求めて動き出し肺へ新鮮な酸素を送り込み始め走り出した瞬間硬直した身体はつんのめり、バランスが保てなくなって変な動きをしながら床へと倒れ込んだ。
「」
「な…え……?」
「ゴメンゴメン!君が逃げようとしちゃったから思わず魔法を使っちゃった見たいだね…本当にゴメンね?怪我は無いかな?」
来客の女性は手を差し出して来たが彼女の言葉に思わず顔をしかめながら差し出された手を凝視する
「魔法って……」
魔法なんてアニメや漫画の世界、架空の物。そんなのある訳が無い。
そもそも現代で魔法なんて夢物語は散々否定されて存在なんてしないじゃないか。
馬鹿な事を言うなとそう言言いかけて口がつぐんでしまう
だが現に逃げようとした瞬間に身体が動かなくなってしまったのだ。
差し出された彼女の手を取っても良いかと決めあぐねて居ると
「ごめんってもうしないよ」
とクスッと笑いながら無理やり手を掴んで俺を強引に引っ張りあげる
「ね、しないって言ったでしょ?それより怪我は無いかな?」
「え?あ、あぁ、はい…大丈夫……です?」
「良かった良かった!それじゃあさ、立ち話もなんだし仏間の方に行かない?君のお母さんも待ってるからさ」
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