242 / 541
40♡
40♡6
いつまでもサラダを咀嚼している俺の肩を抱き寄せた聖南が、その手でうさ耳に触れながらフッと気障に笑いかけてくる。
「それ早くごっくんしなさい。 葉璃がセンチ入るこたねぇだろ。 料理覚えたいなら俺が教えてやる。 一緒に暮らし始めたら、どっちかがメシ作って待ってるってのもいいよな」
「そうですね……! 俺がんばって覚えますから!」
聖南が俺と一緒に暮らしたいって言ってたの、実は俺はまだ早いんじゃないかって思ってた。
出会ってからも、付き合ってからもそんなに経ってないのに、なんでそんなに事を急ごうとするんだろうって。
でもそれは、ひとりぼっちだった聖南が俺を恋人として愛してくれた瞬間から「四六時中一緒にいたい」と思ってくれたって事で。
離れるのが寂しい、ツラいという気持ちを少しも隠さない聖南の愛情表現の意味が、今さらになって分かった。
聖南の本音は分からないけど、要するに、早く家族になりたいって言ってくれてるようにも思えてならない。
「おい、いい加減センチから戻って来い。 んな顔させるつもりなかったんだけど……」
大量の料理を見詰めたまま動かない俺を、眼帯姿の聖南が覗き込んできたからハッとして、フォークに鴨のたたきを乗せた。
「すみません……。 聖南さん、俺のデビューとか色々落ち着いたら、一緒に暮らしましょうね。 俺は聖南さんからたくさん学ばないといけないから、めんどくさいって思われる事もあるかもしれないけど……」
「ん。 だから一緒に住むんじゃん。 葉璃だけじゃない。 俺も葉璃から教えてもらわなきゃならない事ある」
「俺は何も教える事ないですよ……?」
「んや、……ある。 俺はそれが一番欲しいし、知りたい」
もぐ、とたたきを食べていると、聖南がジッと俺を見ている事に気付いてドキッとした。
眼帯姿であんまり意味深に見詰めてくるから、鴨肉が喉を通らない。
「な、何ですか、それ……?」
「まぁそれは後々分かる。 今はこれ食うぞ。 夜通しやるためにはしっかり食っとかないとな」
───俺が聖南に教えてあげられる事って、何なんだろう。
とても思慮深い謎を解き明かそうとしたのに、隣でスパークリングワインを飲む海賊がギョッとする事を言うから、なかなか食が進まない。
またお酒を飲んでる聖南は、きっとさっきのエッチも回数に入れてない。
「夜通しは無理ですって!」
「やってみなきゃ分かんねーだろ。 休憩挟むから」
「休憩くれた事ないじゃないですか!」
「えぇ? やってるだろ、俺動かない時が休憩」
「それ休憩って言わないですよ……」
当然のように言い放つ海賊様を唖然と見詰める。
聖南が入ったままだったら、そんなの休憩じゃない。
いつも感じ過ぎて死にそうって思いを味わわせてくれるから、度々意識を手放してしまうけど、聖南はそれも許してくれないんだ。
堕ちた瞬間に叩き起こされる。
聖南と家族になりたい……そう思うのは俺だって決して嘘じゃないけど、一緒に暮らしたら夜の生活が怖いって慄いてしまうのは当たり前の事だと思う。
あなたにおすすめの小説
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
魔性の男
久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
元アイドルは現役アイドルに愛される
陽
BL
人気アイドルグループのエースだった奏多は事故により脚を怪我し、グループを脱退する。エースの抜けたグループの人気はみるみる下落し、そのまま解散。そのことに責任と罪悪感を感じた奏多は芸能界の表舞台から引退し、正体不明の作曲家Kとして裏で支えることに。
罪悪感からご飯を食べなくなった奏多の肌は痩せこけ、青白くかつての輝きはなくなっていた。
ある日の打ち合わせでかつてのグループメンバーである颯真と再会する。
メガネとマスクをしているがかつてのメンバーのことは騙せない。
『奏多、会いたかった』
『僕、奏多さんのパフォーマンスを見て、人生変わったんです!』
やけに自分に懐いているワンコ系の後輩リオと、かつてのグループのメンバー颯真に受け止めきれない愛を向けられる話。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
【R18】兄弟の時間【BL】
菊
BL
色々あってニートになった僕、斑鳩 鷹は当たり前だけど両親にめっちゃ将来を心配されまさかの離島暮らしを提案されてしまう。
待ってくれよ! アマゾンが当日配送されないとこなんて無理だし、アニメイトがない世界に住めるか!
斯くて僕は両親が改心すればと家出を決意したが行く宛はなく、行きついたさきはそいつの所だった。
「じゃぁ結婚しましょうか」
眼鏡の奥の琥珀の瞳が輝いて、思わず頷きそうになったけど僕はぐっと堪えた。
そんな僕を見て、そいつは優しく笑うと机に置かれた手を取って、また同じ言葉を言った。
「結婚しましょう、兄さん」
R18描写には※が付いてます。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。