必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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41★

41★ 4・葉璃の周りは賑やかです。




 帰宅後、俺は余計な事だと知りながら、ダメ元でセナさんに連絡をしてみた。

 一緒に映画に行った日にプライベートのスマホで番号交換をしてくれたから、そっちに掛けてみている。

 きっと葉璃は、また事後報告するつもりなんだ。 でも彼氏であるセナさんにとっては、そんなのいい気がしないに決まってる。

 葉璃を全力で愛し、守ってくれて、たくさん笑顔にしてくれているセナさんには、きちんと話を通しておきたかった。

 忙しいから出ないかな、と思い着信だけを残してすぐに切ると、数分後にセナさんから折り返しがきた。


『恭也?  どした?  珍しくねぇ?』


 何かあった?と矢継ぎ早で、相変わらずなセナさんに笑ってしまう。


「お疲れ様、です。  今、大丈夫ですか?」
『おー、大丈夫。  あ、ちょっと待って。  ……なあ、あっちちょい待たせといて、俺電話中だから』


 大丈夫、と言いながら電話の向こうで仕事相手を待たせている声がして、俺に気を遣ったのだと悟ると早めに要件を言ってしまわないとって少し焦った。


「セナさん、明日ってもちろん、仕事入ってますよね?」
『だなぁ。  何、なんかあったの?  明日って』
「葉璃がですね、病院に行くんです。  俺に付き添いを、頼んできたんです」
『あ!?  葉璃が病院!?  どうした!?』
「成長痛に関して、だそうです。  俺はもちろん、付き添いして来ます。  でも、葉璃が、セナさん忙しいから、自分からは連絡を控えてるって言っていたので、この事も多分、言わないつもりなんだろうと思いまして」
『そういや最近葉璃からあんまメッセこねーんだよな。  そういう事か。  病院どこ?』
「野本整形外科です。  ナビで入れれば出ます。  朝一で葉璃を迎えに行って、病院行きますけど、多分すごく待つと思うので、終わるのはお昼前になるかもしれません」
『おっけー。  ありがとな、恭也。  葉璃頼むわ』
「はい。  お仕事中にすみませんでした。  失礼します」


 おぅ、と短く返事を返してくれて、電話を切った。

 セナさんの葉璃を想う気持ちに嘘はないと分かる反応に、自然と笑みが零れた。

 二人の関係を知って、はじめは少しだけ、葉璃を取られた気がして寂しかった。

 でも葉璃は変わらず俺を大切な親友として接してくれているし、どこを気に入ってくれたのかセナさんも俺に優しいから、二人ともに救われている思いだ。

 想い合ってる二人を見ると、幸せな気持ちになる。

 波風なんか立たせたくない。

 葉璃に出来ない事は、俺がやってあげる。

 それでセナさんが安心するなら、いくらでも協力する。

 仕事が入っているというセナさんが病院の場所を聞いてきた真意に気付いた俺は、明日、葉璃の喜びと驚きが交じった顔を見るのが楽しみだ。




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