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───何時間抱いても抱き足りない。
すでにベッドへ来てから数時間経っているはずで、カーテンから射し込む朝陽で室内が明るみ始めていた。
泣いて悶える体をいつまでも抱き締めていたいと思うのに、その葉璃は先程からしきりに聖南のものを抜こうと躍起になっている。
「もうやだ」「お願いだから休ませて」と泣き言を小さく叫ぶ葉璃の声は、掠れていた。
「せなさん、……! ね、お願い……っ、休憩……させて……!」
「分かったよ、……はい」
「ちがう! 抜いて……! これは休憩じゃないっ」
聖南は現在までで数時間かけて四回達している。 葉璃の性器に至っては、もはや何も出るものがないとくたりと萎れてしまい、ぺたんこの腹の上には白色から透明色までトロトロした液体でまみれていた。
「今日は最長記録更新しようと思ってんのに……」
抜かないまま動かずにいると、違うと睨まれてしまい聖南は苦笑するしかなかった。
まだしたい、全然足りない、と匂わせてみるも、疲労困憊な葉璃は風船顔を崩さない。
「更新しなくていい! 喉乾いたもん! 足もアソコも痛い!」
「はいはい、水持ってきてやるから膨れんな」
タメ口で矢継ぎ早に文句を言う葉璃の可愛さには勝てない。
仕方ないなとぼやきながら、聖南は渋々と衰えないそれをズルズルっと引き抜く。
「んんん……っっ」
「毎回それやめろよ、抜くの嫌になんじゃん」
「……ふぅ、……そんなのいいからお水っ」
「分かったって。 ワガママ葉璃ちゃんめ」
遠慮の無い物言いに、聖南はひどくご満悦だった。
全裸でキッチンへと向かう聖南の下腹部も、葉璃と己の精液やら先走りやらローションやらでベトベトだったが、まったく気にせず冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを手に取った。
我儘を可愛いと思えるのは葉璃だけだ。 出会った頃と比べると遥かに距離が近くなったようで嬉しい。
あの調子で普段も敬語をやめてほしいのだが、セックスの後しばらくすると葉璃はまた聖南と一線を引く。
どのタイミングでそれが切り替わるのかは分からないけれど、早く葉璃と家族になりたい聖南はその一線がたまに忌々しく思えてならなかった。
「あ、ありがとうございます」
『……ほらな、もう戻ってるよ』
ペットボトルを渡してやると、いつもの葉璃がゆっくりと上体を起こした。 そして気持ち急ぎ目にキャップを開けようとするも、なかなか開けられない。
諦めた葉璃は聖南にペットボトルを突き返してきた。
「……聖南さん、開けて」
「ん? いいけど。 ……はい」
「力入んない」
「……何それ。 かわいーんだけど」
必死で聖南にしがみついていたせいなのか、疲労からきているのかは分からないが、キャップも開けられないほど脱力しているなどキュンキュンものである。
それほどまでに恋人を疲弊させた、自身の欲深さ。
葉璃がこんなにも可愛いからいけないのだ。 よくよく見なければ見付けられない喉仏を上下させ、水を飲む姿だけで煽られる。
「ま、待って! 聖南さん、また目が怖くなってる!」
『……あれ、敬語じゃねぇな』
聖南のものはいつでも挿入準備万端なので、微かに再戦を望みながらジリジリと葉璃と距離を詰めていたところに思わぬ光明を見出す。
所々、少しずつで構わない。 この調子で聖南と対等に話をしてくれるようになれば、もっともっと葉璃との距離が縮まる。
聖南はほんの数秒で獣化した自身を利用し、葉璃に気付かれないよう会話を進めてみた。
「怖くなってるなら葉璃のせいだな。 葉璃が可愛過ぎるからいけねぇんだよ」
「俺は可愛くないって何回言ったら……」
「……いや、かわいーよ。 かわいーって言い足りねぇくらいかわいー」
「そんな、……ペットじゃあるまいし」
「葉璃がペットかぁ、それいいな。 じゃあこんくらいのサイズになっていっつも俺と行動共にしてよ。 前から思ってたんだよなー。 葉璃をミニサイズにして持ち歩きてぇって」
「何それ、そんなの無理に決まって……な、何?……何でそんな見てくる……わわっ」
指先で「こんくらい」と示して笑ってやると、葉璃もつられて笑顔を返してきた。
刹那、その可愛い笑顔に心臓を撃ち抜かれた聖南は、我慢出来ずにベッドに押し倒しぐちゅりと先端を押し当てて孔を犯した。
「んあぁぁ……っっ、せなさん! こんな、いきなり……っ」
「うーわ、……やわらけぇのにギュッて締まるの、たまんねぇ……♡」
「せなさんっ」
「あと一回だけ、な」
「あっ……あ、あっ……んんん……っもう……!」
一晩中愛し続けた入り口は難なく聖南を受け入れてくれたが、問題の恋人は麗しく睨み付けてくる。
そんな瞳で聖南を非難しても無駄だ。
何しろ聖南は、いつどんな瞬間も葉璃から心臓を撃ち抜かれるのだ。
抱き締めてくる腕からも、疲労を感じさせない熱い体温を感じさせてくれる襞からも、腰に絡み付く細い足からも、葉璃なりの愛情が伝わってくる。
こんな風に心をキュンキュンさせてくれる存在は、他には居ない。
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