必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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 俺は聖南の腕に掴まったまま上体を離してプルプルしていた。

 水を飲んで、少し体力も回復したからって、思わず全力で断ってしまうような驚く事は言わないでほしい。


「いいじゃん。 葉璃今日は疲れてんだろうから、お願い聞いてくれたらあと一回でやめる」
「や、だ、だからってここでは……っ」
「抱っこしたままがいい? それとも立ちバックにする?」
「聖南さんっ、俺はヤダって言って……」
「葉璃のヤダはOKと一緒」
「そんなっっ……」


 聖南は、このままキッチンでやろうと言い出していた。

 こんなとこでしちゃったら、毎回ここに来る度に今日のこと思い出しちゃいそうで嫌だって言ってるのに、眼鏡聖南は乗り気過ぎて俺の話は聞いてくれない。

 朝早くからサプライズライブのために動いてたからそりゃ疲れてるけど、聖南が喜んでくれたんならそれでいいって思ってる。

 けど、けど……っ!

 キッチンでやるのはちょっと違うと思う……!


「降ろしたら逃げそうだからこのままヤるわ♡」


 どうにか逃げられないかなって考えてたら先手を打たれた。

 聖南、もう腰を動かしてる。


「え、ちょっ……待ってよっ……あっ……んぁ……っ……」


 やだって言ったのに───!

 ……なんて、始めのうちだけだった。 俺の体は聖南に翻弄されてて、とても逃げられそうにない。

 聖南と出会ったあの瞬間から、死ぬまでずっと、このまま聖南の愛に溺れていくんだって身を持って知った。

 ブレザーの肩を持って、足は聖南の腰辺りに絡み付かせて必死で快楽を追う。

 さっき中で出された聖南のものが、襞を擦りあげられる度にトロトロと溢れ出て床へと落ちている。

 「葉璃」と耳元で呼ばれるとどうしようもなく中が疼いて、聖南の胸に持たれて啼いた。


「……この体位好き。 葉璃の悶え泣き見放題」
「……っっ……! あっ……やっぱり、今日……いじわるだ……っ」
「葉璃がかわいーからいけないんですよー」
「聖南さんはカッコイイくせに!」
「ふっ、……ありがと」


 何を言ってもこれじゃ、惚気になってしまう。

 暗闇で制服姿の聖南に抱かれてる、セーラー服みたいな衣装を着た俺。

 想像しただけで恥ずかしくて顔から火が出そうになるから、もう色々考えるのはやめた。

 疲れた様子を見せない聖南は、動きをゆっくりにしたり早くしたりでたっぷり時間を使って、それから俺に「好きだ」って囁いてくれた後……イった。

 俺は聖南がイく前に二回精液っぽいものが出たけど、それは半透明でもはやそう見えなかった。


「……はぁ、……はぁ、はぁ……」


 聖南の精液はお腹の中で受け止めたのに、何か分からない液体が混ざり合って床がいやらしく汚れてしまっている。

 チラと見えた行為の名残りはとりあえず今は見なかった事にして、まったく息の上がってない聖南に抱きついて甘えた。

 俺から離れたがらない聖南はまだ中に居たけど、もうどうでもいい。

 ───疲れた。

 立てる気がしないから、このままベッドに連れてってほしい……。


「葉璃、水飲む?」
「ん。 飲む」


 相変わらずの口移しで水を貰った俺は、まるで俺の方が聖南と離れたくないって言ってるみたいにずっとしがみついていた。


「お湯張る? シャワーがいい?」
「シャワーでいい……聖南さん洗って」
「いいよ」


 疲労困憊な俺のワガママも、聖南は笑って頭を撫でて受け止めてくれる。

 祝われる立場の聖南に甲斐甲斐しく世話を焼かれて、お風呂上がりのいつものシーツ交換も聖南本人がしてたけど、俺は足が震えて立てなかったから床にペタンと座ってその様子を見ている。

 一つ残念なのは、もう聖南は眼鏡も外して、制服も脱いでしまってる事……かな。

 サプライズライブも、サプライズケーキもすごく喜んでくれて良かったんだけど……あのコスプレエッチは果たして聖南へのプレゼントになったの……?


「まだ立てねぇ?」
「…………うん……。 力入らない……」
「二回でそうさせちまう俺ってすげぇ」
「自分で感心しないで下さいよ……!」
「あはは、おいで」


 椅子に座るのもお尻に違和感を感じるから、フローリングの床に直で座ってた俺をひょいと抱え上げてベッドに寝かせてくれた。

 風呂上がりで最高にセクシーな男が、傍らで嬉しそうに笑ってる。


「コスプレはまりそう」
「……えっ?」


 俺に腕枕をしてニヤつく聖南は、薄手の毛布を首元まですっぽり掛けてくれる。


「葉璃もかわいーし、俺も燃える。 今日のはちょっと学生気分に戻れたしな。 ヤバかった」
「あー……。 聖南さん、学生時代からモテモテだったんでしょうね……制服姿、超カッコ良かったし……」
「んや、そうでもねぇよ。 高校ん時はもうCROWNとして動いてたから、あの制服ほとんど着てねぇもん」
「そっか……。 たまに忘れちゃうんですよね……聖南さんがCROWNのセナだって事」
「それは喜んでいいのか?」
「えー……っと……喜んじゃダメです。 俺、聖南さんと居るの慣れ過ぎちゃってる。 大先輩なのに……」
「大先輩ってそんな大袈裟な。 俺と葉璃は恋人同士、だから慣れ過ぎも何もないだろ?  さっきあんだけ愛し合ったのにつれない事言うなよ」


 いいのかなぁ……。

 んー、と唸ってると、聖南に抱き寄せられて背中を撫でられた。


「あの衣装は永久保存決定だな」


 そう言って笑うご機嫌な聖南を見上げると、すかさずチュッと触れるだけのキスを落とされて、照れた俺はすぐに毛布の中に隠れる。

 そういう照れくさい事を平気で言うから、トップアイドル様だっていうの忘れがちになるんだよ、聖南。



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