必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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 ちょっとヤな夢を見た。

 片目を開けたら聖南がギュッと俺を抱き締めてくれてて、安心した俺はまた瞳を閉じる。

 夢うつつの中、ほんの数時間前の聖南の嬉しそうな笑顔を思い出した。

 コスプレはまりそう、なんて、俺にとっては最高過ぎる一言にこれからが楽しみで仕方ない。

 写メ撮っておけば良かった。

 せっかく聖南が激レアな眼鏡+制服姿だったんだから、記念に撮って待ち受けにしたかったぐらいだ。

 ずっと見てたいって思ったくらいカッコ良くて……聖南には言わなかったけど内心メロメロだった。

 ……あー……。 聖南は寝顔もカッコいいなぁ……。

 これはほんとに俺しか見た事ないのかな。

 薄目を開けて、ぼんやりと聖南の整った顔を観察する。

 すっごく胸がチクチクするから過去の話を詳しく聞いた事無かったし調べたりもしてないけど、ヤな夢を見たせいで、そういえばこのベッドにも俺以外の人と一緒に寝たりしてたのかもしれないと思い立ってムッとした。

 俺と出会う前の聖南は事務所も社長もお手上げ状態で、マスコミの人もわざわざ記事にしないよってくらいめちゃくちゃしてたみたいだから……気にしたってしょうがないと思ってたけど、考えだしたら無性に腹が立ってきた。

 聖南の過去に俺がヤキモチを焼くのは、いっつも唐突だ。

 昨日はすべてがほんとに最高の一日で、感動と興奮とときめきを同時に味わう最高に気持ちいいエッチをしたから、聖南の過去がたっっっくさんある事が急に許せなくなる。

 ───嫌だ、嫌だ、俺の聖南なのに……っ。


「……んっ? 葉璃? ……おはよ、何してんの」


 いいにおいのする胸に頭を擦り付けてグリグリしてたら、聖南が目覚めたみたいだ。

 夢と現実の境目が無かった俺は、寝起きの聖南に向かって思いっきりほっぺたを膨らませた。


「嫌!!!」
「……っっ?? なんだよ、何? 葉璃ちゃん何怒ってんの?」
「聖南さんは俺だけですよねっ?」
「……朝から熱烈だなぁ、かわいー♡ 葉璃だけだよ、俺の一生あげただろ」


 聖南がこのベッドで俺じゃない誰かをこうして腕枕してた猛烈に嫌な夢を見たせいで、現実とごちゃ混ぜになってる。

 一瞬だけ驚いた顔をした聖南は、途端に笑顔になって俺をギューッと抱き締めてくれた。

 そのまま体を支えられて、仰向けになった聖南の上に乗せられる。

 こてん、と聖南の胸に頭を乗せると規則正しい心臓の音がして、何故かキュン…っとした。


「……もう他の人とエッチしないでください……俺、自分で慣らすの練習するから、濡れなくてもめんどくさいって思わないで……」
「俺が浮気したみたいな言い方だな。 しかも超かわいー事言ってんじゃん。 寝起きの俺を誘うなんて葉璃ちゃん大胆♡」
「え、あっ……わっ……あぁんっ……」


 いつの間に濡らしてたのか、下着に滑り込んできた聖南の指先がぐちゅっと俺の中に入ってきた。

 ここに来ると俺用に用意されてる聖南のパーカーは、こうしてすぐに下着に到達するからあっという間に触られて、ずらした下着の隙間から聖南のものが忍び込んでくる。

 ちょっとだけ荒く孔を慣らしてきながらも、滑り込んできた聖南の熱いものがお尻の丸みをイタズラしていた。


「自分で慣らす練習なんかしなくていいよ。 俺の楽しみ奪うな」
「あっ……あっ……でも、でもっ……」
「葉璃、たまにそういう事言うよな。 まだ俺の事信じらんねぇ?」
「違っ……あっ、あっ……や、そこっ……気持ちいい……っ」
「俺はもう葉璃しか要らない。 不安になるなら何回でも言ってやる。 葉璃しか愛してない」


 ほんと? 俺だけ?

 夢の中の聖南は、俺じゃない人を抱き寄せてた。

 それは現実じゃないのに、聖南に浮気されたって勝手に悲しくなって、穴をぐちゅぐちゅされてる今ももどかしさが襲う。

 早く聖南を感じたい。

 つながってないと、不安だよ、聖南……っ。


「あんっ……ん、んっ……聖南さん、大好き……ですっ。 い、いれて……」
「………………キた」
「え、わっ……あ、ぁぁあっ……やぁっ……」
「挿れてっつったの葉璃だからな、ちょっと我慢な。 ……あーヤバかった。 葉璃の上目遣いはマジでヤバ過ぎる。 俺の「ぜんぶあげる」からな」


 言いながら、ググッと聖南の性器が入ってきたのが分かる。

 あんまり慣らされてないけど、つい何時間か前まで聖南のものが入ってたからそんなに痛くは無かった。

 挿れられた喜びと聖南の大きな存在が、俺の全身を貫くみたい。

 素早く襞を擦られて我慢できずに聖南のお腹を濡らしてしまって、早過ぎる自身の絶頂に恥ずかしくなった。


「なんで急にあんな事言ったの?」
「んっ……んんんっ、夢、見た……」
「夢? 俺が浮気してた?」
「うんっ、このベッド、で! ひどい!!」
「いや浮気してねぇから。 てかこのベッドでって、それも無理あるぞ。 俺ん家来たの葉璃しか居ねぇし。 アキラは来た事あるけどそれは葉璃が言ってんのとは意味が違うだろ」
「えっ……!? ほ、ほんと……?」
「あぁ。 こんな時に言うのも何だけど、俺一回も家に女上げた事ねぇから。 ……へぇ~なるほどな~それでヤキモチ焼いてたのか」


 そ、そうなんだ……聖南のこのベッドには俺しか……。

 それを聞いて嬉しい反面、俺ってば寝惚けてまた一人で空回ってたみたいで、自分で自分にいい加減にしろよって言いたくなる。

 呆れたよね、聖南……。

 自分の夢で騒いで聖南を困らせてしまって、ほんと俺は最悪だ……って脱力していると、押し倒されて激しく口付けられた。


「……んむっ……んっ……」
「かわいーなぁ、もう。 俺が浮気なんかするわけねぇじゃん。 どっちかっつーと葉璃の方が心配なんだけど。 すぐ俺以外で練習するとかほざくしな」
「……あっ、やだ……っ! 当てないで、そこっ、……っダメ、出そう、……漏れそうっ」
「葉璃、俺見て。 俺だけ見てて。 不安なんか感じさせねぇくらい愛してやるから。 ……よそ見するなよ、絶対に」


 よそ見なんてしないよ、絶対しない。

 夢ごときでこんなにヤキモチ焼くぐらい、俺は聖南に夢中なんだよ。

 カッコ良くて眩しい聖南が、ほんとにほんとに大好きなんだよ───。



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