必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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〜七月二十九日〜(全六話)

〜その晩〜② ♡※




   昨日禁欲をさせてしまったからか、聖南の目がいつも以上にギラついていて怖い。

   飲み掛けの紅茶に後ろ髪引かれていた葉璃は、問答無用で聖南にベッドまで運ばれて、早速組み敷かれている。

   移動の合間もずっと乳首を舐められていて、性急過ぎる前戯に戸惑いと照れを隠せなかった。


「んっ……せな、さんっ……」
「………………」


   名前を呼んでも返事をしてくれないほど、夢中で乳首を舐めている。

   右にいったり左にいったりでじわじわと襲ってくる快感が、少しずつ葉璃の声を甘くさせていった。

   舐めたり食んだりする、ぴちゃぴちゃという音が耳に入ってきて、裸に剥かれながらも思わず耳を塞いでしまう。

   聖南が左の脇腹からお尻辺りを撫で回してくるものいけない。

   大きくて温かな掌が体を這い回る事で、葉璃をいつものように欲してくれているのが分かって、だんだん恥ずかしさも薄れてくる。

   聖南のせいだと言い訳をしていると、もっといい。
  

「俺イジった罰として、今日はずっと前からやりたかった事やる。 葉璃ちゃん我慢してな?」


   両方の乳首を堪能したらしい聖南が、欲に濡れた表情で葉璃に顔を寄せ、キスを求めてくる。

   だが何やら罰があるらしいと聞くと黙っていられず、聖南の両頬を取って拒んだ。


「えぇ……っ? い、嫌だ!」
「嫌だじゃねぇよ。 まだ何やるかも言ってねぇじゃん」
「嫌だよっ! なんで罰なんて……!」
「葉璃、舌」
「んむーっ……!!」


   取り付く島が無かった。

   反論空しく、聖南は強引に葉璃の口元を舐めて開かせると、そのまま舌を差し込んで目一杯口腔内を弄んだ。

   何度も角度を変えてのキスは唾液の交換も当然あって、慣れてきたと思っていても毎回溺れそうになる。

   聖南の唾液を飲み干してゆっくり瞳を開くと、二重の瞳を細めた獣がジッと葉璃を見ていた。


「かわい。 ……飲んだ?」
「……うん」
「葉璃のもちょうだい」
「んんむっ……っっ!!」


   そんなに根こそぎ唾液を持っていかないで。

   葉璃が瞳を見開いて聖南に非難を訴えても、ギラギラした獣にはまったく届かない。

   やはり禁欲後の聖南は危なかった。


「風呂入っといて良かったなぁ。 じゃあ葉璃ちゃん、さっそく舐めさせて」
「ふはっ……、えっ? やだ、やだよっ」
「前じゃねぇ。 う、し、ろ♡」
「えぇ!? やだ、前からそれだけは嫌だって言って……うわっ」


   今日の聖南は葉璃の「嫌だ」は聞いてくれないつもりらしく、ころんと葉璃を反転させた聖南が早くも下着を下げてきた。


「うまそーっ」


   逃げ腰を掴まれて枕に顔を埋めた葉璃は、両手でもちもちの臀部を掴み、孔を顕にするべくグイと開いた聖南を恨みがましく睨んだ。

   そんなところを舐めたいだなんて、どうかしている。
   美味そうだなんて、絶対嘘だ。

   葉璃は何度も聖南の手を払い除けようとしたのだが、興奮しまくった聖南に優しく「コラ」と窘められてむくれるしかなかった。


「んっ……ちょ、ほんとに……っ、やめて……」


   ぎゅっと瞳を瞑り、葉璃が覚悟を決めた瞬間──ペロっとまずはひと舐めされた。

   不快感と、言い様のないゾワゾワとした感覚が背中をしならせる。

   濡らすためもあるのか、唾液を多く注がれている気がして、またもぴちゃぴちゃという粘膜音が葉璃の耳を犯していた。


「んー? やめねぇよー?」
「……っ……聖南、さん……っ、ダメ、あんまり……見ないで……っ」
「そう言われてもなぁ……葉璃、腰揺れてるけど」
「嫌だから、逃げてるの……!」
「あぁ、分かった。 物足りねぇのか。 待って、ナカ掻き回してやる」
「違っ……そんな事言ってな……っ……あっ……やっ……」


   ジロジロ見るのも、孔の中に舌を入れられてグリグリされるのも、どっちもやめてほしいという意味で言ったのに。

   ローションで濡らした指をぐちゅっと穴に突き入れられて、同時に舌も入ってきている。

   聖南の中指が葉璃の中を蠢き始めて、腰が揺れるのを止められない。

   気持ちいいけれど、聖南のギラつく視線、いやらしく蠢く指、卑猥な舌が葉璃をとてつもない羞恥に追いやる。


「葉璃ちゃんは欲張りだなぁ」
「聖南さん……っ! ……あぁっ、やめっ、……ベロ、熱い……!」
「やめてっつーわりには気持ち良さそうじゃん。 この先走り……舐めてぇ……」
「ちょっ……せな、せなさん……っ?」


   中をぐちゅぐちゅ掻き回されながら、上げさせられた腰の下を覗き込む聖南がいやらしい。

   葉璃が流せない涙の代わりに、性器からはすでにポロポロと透明な液体がシーツに溢れ落ちていた。

   それを舐めたいと言い出した聖南の行動は早く、二本の指を入れたまま葉璃の体を反転させ、泣いている性器を素早く口に含む。


「わっ……待って、待っ……あぁっ、も、ダメ、せなさんっ……ダメ、すぐ出ちゃうから……ぁっ」


   中を蠢く聖南の指先が前立腺を捉えた。

   グリ、グリ、と最初は強く何度か押す程度だったのが、葉璃の絶頂が近いと分かるや激しく指を出し入れして擦り始めた。

   一方の左手は葉璃の性器を上下に扱き、亀頭を含む聖南の口元は唾液と先走りで艶めいている。


「あ、もぅっ、ダメっ、せなさんっ……やぁっ───」


   こんなに一緒くたに追い立てられたのは初めてだった。

   射精したものをゴク、と飲み干す音が聞こえても、葉璃の目の前はチカチカするどころか真っ暗だ。

   いつもはお星様が舞って、目の前がチカチカキラキラしているのに───強過ぎる刺激に、なかなか瞳を開ける事が出来なかった。



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