必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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〜十月某日〜(全十話)

7♡〜日向先生の執着〜※




   聖南にしがみついてる腕も、そろそろ限界だった。

   力が抜けて腕がベッドに沈むと、聖南はまた怒った顔で至近距離から俺の瞳を覗き込んだ。


「誰が離れていいっつった?」
「ん、ごめ、ごめんなさ……っ」
「足抱えて。 体重乗せっから腹筋力入れとけよ」
「え、なにを……っ? やっ、あぁ──っ」


   こ、こんなの初めて……っ! 深い……! 聖南のが全部、俺の中に入ってる……!

   力が入んないのに膝裏を持たされた俺に、聖南がさらに腿裏をグッと押さえて奥までアレをねじ込んだ。

   聖南の体重を乗せてるから、ほんとに最奥まで届いたんじゃないかと思う。

   熱い。 内臓が燃えそうなくらい熱い。


「んぁっ……やっ……ぐっ……」
「気持ちいい? この体位は初めてだよな。 倉田ちゃんの中、全部俺で満たされてんだよ」
「……はぁ……っ、ぅぅっ、……」
「限界まで入ってる。 このまま動いたらどうなるかな?」
「やめ、やめ……っ、こわい……日向先生……っ……!」
「こわくない。 俺が体支えてる。 壊しはしねぇよ」


   ピタリと密着していた互いの下半身が、汗と俺の先走りとローションでドロドロだった。

   それなのに、聖南が俺の体を揺さぶるように動き始めて、あちこちにその混ざり合った液体が飛び散った。

   ベッドがたくさん濡れてる。

   ナース服も、俺のを結んであるネクタイも、すでにぐしょぐしょ。

   そんなに激しく揺さぶられたら、膝裏を抱えてる腕が解けてしまう。

   力が入んないんだってば、聖南──!


「んぁぁっ、……っ、っっ……、ね、ねぇ、だめだよ、も、……むりだって……ば……っ」
「まだ擦ってねぇよ? 押し上げてるだけ。 いっぱい啼いて、倉田ちゃん」
「……ぅぅっ、んっ、……日向、先生……っ、怒ってる、の……っ?」


   滲んだ視界の中で泣きながら聖南を見ると、太腿の内側やふくらはぎにまでキスマークをいくつも付けられた。

   優しくない、荒っぽいエッチも嫌いじゃないけど、聖南……ずっと怒った顔してるんだもん……。


「半々。 倉田ちゃんが俺じゃない奴と付き合うって想像したら、止まんない。 最近マジで連絡返してくれないし」


   あ、……これはリアルでの聖南の不満、かも。

   俺は毎日学校と仕事で多忙過ぎて、最近ほんとに寝落ちが多くなってしまってる。

   聖南からのメッセージを翌日の昼休みに見たりなんかが続いてるから、聖南は今日の収録被りをとっても喜んでた。

   俺と会えるからってウキウキで来たのに、俺は聖南にまた選曲を内緒にしてたし、あんな格好だし……。

   ──分かった、聖南……拗ねてるんだ。


「……ごめ、ごめんね……? 俺は誰とも、っ付き合ったりしない。 日向先生が、一番、好きだよ……?」
「信じらんねぇ。 患者も倉田ちゃんのファン多いし、いつどこで掻っ攫われるか分かんねぇじゃん。 体だけでも俺にメロメロにしとかねぇと……なっ」
「そんな……っ、ぁぁっ……奥は……奥はだめ、……っ、苦しいっ……!」
「俺ナシじゃいらんない体にしとく。 誰が抱いても満足出来ねぇように」
「もう、日向先生っ、だけ、だよ……! 俺は、日向先生しか……、知らない……のに……っ」
「それでいいんだよ。 俺以外の味知ったら許さねぇから」


   膝裏を抱える俺の手に、聖南の手のひらが添えられた。

   そしてグッと押さえ込まれて、さらにお尻を高く上げさせられる。

   恥ずかしい……っ、こんな体勢じゃ腹筋に力なんて入れられないよ……!

   声を出すのも難しくなってきた。

   しつこく奥を貫いてくる聖南の動きに、脳が揺れた。

   抜けるギリギリまで引き抜いて一気に押し入ってきた時なんか、ネクタイが弾け飛んでしまいそうなくらい下半身が悶えた。


「倉田ちゃん、俺だけ見てるよな?」
「……っうん、見て、る……! 日向先生だけ、見てるよ……っ」
「誰に何言われても付いて行くなよ?」
「ぅん、……っ、分かって、る……!」
「俺に隠し事は?」
「……っしないっ、」
「ほんとかよ」


   息も切らさず会話をする、疑り深い聖南の腰が止まらない。

   中を散々擦られて、揺さぶられて、こめかみや耳にキスされて、俺はもう限界だった。

   会話なんてしてる余裕、……ない。


「し、しないよ……っ! 絶対っ……あっ、も……だめ……漏れちゃう、出ちゃうってば……! 日向先生っ……!」


   激しい動きに付いて行くのがやっとだ。

   ネクタイと一緒に俺のものは膨張したままゆらゆらしていて雫を漏らし、解放の時を今か今かと待っている。


「さぁ、イこっか。 どんな絶頂が味わえっかな」


   聖南がそう言って不敵に笑うと、意識が飛んじゃいそうなくらい素早く腰を打ち付けられた。

   瞳をギュッと瞑って、あまりに早い動きに知らず力が入る。

   抱え上げていた膝裏を跡がつくほど握り締めて、中を擦られる快感に酔った。


「…………っ」
「あっ……あっ……ぅぅっ……やぁぁっ──!」


   聖南の甘い吐息が耳に入った瞬間、シュルっとネクタイを解かれて一気に熱が放出された。

   真っ白な精液が、まるで弧を描くようにして俺の首元まで飛び散ってきたのが分かる。

   三回くらい、背中と腰が震えた。

   出し尽くしてもまだ俺のものは立ち上がったままピクピクしていて、体内では中に放たれた聖南の熱い欲望をこれでもかと受け止めた。

   ……体が、熱い───。



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