必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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〜十月某日〜(全十話)

9♡〜倉田ちゃんもヤキモチ焼き〜※




「はぁ、……はぁ……っ、っ……」


   聖南の二回目もたくさんだった。

  扱きの代わりなのか何回も中を強く擦ってきて、お腹がじわぁって温かくなっても聖南のものが萎えないからいつイったのか毎回分からない。

   ……やっぱり、バックはあんまり好きじゃないや……。

   聖南の顔見えないし、キスも少ない。

   夢中で舌を絡ませてくる聖南の感じてる表情を見ると、否応なしに俺も昂って「唾液ちょーだい」っておねだりしちゃうんだ。

   恥ずかしいけど、聖南もたくさん感じてるって分かるから……顔は見てたい。

   ずっと。


「倉田ちゃん……俺だけ見ててよ、ね?」


   背中にのしかかってきた聖南に、うなじをベロ、と舐められた。

   俺の考えてる事、読まれたのかと思った。

   ……見てるよ、聖南だけ。 聖南だけしか見てないよ。

   こんなに聖南しか見えてないのに、よそ見なんてするはずない。

   大きくて熱い手のひらが、乱れた俺の髪を優しく撫でてくれた。


「……日向、先生……っ」
「……かわい。 おいで」


   まだ息が整わなくて枕に懐いてたら、聖南に体を抱き起こされて足の間に座らされた。

   また、繋がったままだ。

   対面する聖南が俺の顔を覗き込んでくるから、恥ずかしくて視線から避けるように広い胸に顔を押し付ける。

   あれ……聖南、いつの間にカッターシャツの前開けたんだろ。

   聖南の汗ばんだ肌が気持ち良くて、その男らしい胸にちゅってキスしてみたら、「くすぐったい」って微笑まれた。


「……ねぇ、……日向先生。 イった…よね?」
「ん? イったよ。 そろそろ喉乾いたってワガママ言い始める頃だろ、倉田ちゃん」
「……バレました?」
「三回連続はあんまりさせてくんないからな。 ところで、最高の射精した感想は?」
「なっっ! それは日向先生が意地悪を……っ」
「倉田ちゃんがよそ見すっから悪いんだろ。 俺、今日ずっとイライラしてたんだからな」


   つい「聖南さん」って言いそうになるけど、聖南が着てるドクターコートを見たらイメプレ中なのを嫌でも思い出す。

   あんなにイくのを我慢してた事がないから、気持ち良過ぎて別のも漏れちゃいそうだった……なんて言わないんだから。

   しかも、よそ見なんてしてないって何回も言ってるのに……聖南はほんと、ヤキモチ焼きだ。

    ──って思ってる俺も、さっきからずっとモヤモヤしてる事あるんだけど。


「日向先生、……さっき言ってた出張……俺じゃない人と行くの……?」
「あぁ、その話か。 どうしようか。 全員クビにすんのがダメなら、その可能性も出てくるだろうな」
「…………っっヤダ!」
「ん、嫌なの? なんで?」
「……わ、分かってるくせに~っ」


   聖南の真顔での問い詰めに俺は足をジタバタさせた。

   俺が思ってる事、何もかも聖南は分かっててそんな意地悪言うんだもん……!


「はいはい、俺まだ入ってんだから暴れんな。 ちゃんと倉田ちゃんの口で言ってくれなきゃ分かんねぇよ。 嫌だって思う理由話してくれたら、俺も安心すんだけど」
「…………むぅ……」
「言わねぇならまたネクタイで我慢プレイだぞー」
「そ、それはもうやめて!」
「じゃあ言って。 俺を安心させて」


   あれは確かに気持ち良かったけど、焦らされるなんてほとんど経験がないからしばらくは御免だ。

   恥ずかしくて、体が変になりそうな絶頂プレイをさせられるくらいなら、白状しちゃった方がいい。

   聖南が俺じゃない人と二人っきりになるなんて、考えただけで胸が焼け焦げそうだ……って。


「……日向先生には、俺だけ、見ててほしい……」
「うん?」
「お、俺じゃない人と二人きりにならないで……!」


   思い切って、聖南を見上げて言ってみた。

   聖南と同じように、俺だってヤキモチくらい焼くもん。

   毎日毎日、聖南が仕事場で誘惑されて、万が一なびいちゃったらどうしよって不安でいっぱいなんだ。

   ヤキモチ焼きなのは聖南だけじゃないって、いつになったら気付いてくれるんだろ。


「……かわいー……♡ そっか、俺が倉田ちゃんじゃない子と二人っきりになるのはダメか」
「…………うん、……だめ。 ……心が痛くなる……きゅぅって……」


   照れくさくてたまんないから、顔を見られないように聖南の体にしがみついた。

   すると聖南はニコニコ笑って俺の後頭部を優しく撫でて、それからギュッて力一杯抱き締めてくれた。

   恥ずかしい事言っちゃって、顔が熱いや……。


「やーばい。 嬉しい。 俺は倉田ちゃんしか見えてねぇから安心しろ」
「……あっ……! ま、また大きく……っ」
「そんなたまんねぇ事聞かされたら我慢出来ねぇよ」
「わわっ……っ……あっ……!」


   クン、と腰を突き動かされて、俺の体が後ろへとしなる。

   倒れそうになるのを抱き留めてくれた聖南は、体勢を整えてから俺の胸元に吸い付いた。

   最中も、聖南の太いものが奥まで深く深く入ってきて……。

   二回も出たのに衰えない強固なそれが幾度も中をえぐり続けて、お尻もお腹もジンジンした。


「あ、あの……っ、んぁっ、……日向先、生……っ」


   あれ、やりたい……。

   この前、聖南に体位の名前教えてもらったのにな……あれ……何ていうんだっけ……。


「ん? どした?」
「……あの、あの……、横向いてするの、したい……っ……」
「横向いて……? あぁ……松葉くずしな。 倉田ちゃん、あれ好きだな」
「ぅ、んっ、好き……っ、気持ちいい、の、好き……っ」


   突き上げられてる間も、ドクターコートを掴んで離さなかった俺に気を良くした聖南が、ふっと綺麗に笑って体を横たえてくれた。

   や、やっと、優しい表情してくれた……っ。




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