必然ラヴァーズ

須藤慎弥

文字の大きさ
530 / 541
~三月某日~(全九話)

7♡変化※




 まるで終わりのない夢を見てるみたいだ。

 真っ暗闇だった室内が明るみ始めても、聖南は俺を求め続けていた。

 何度果てても聖南の欲は尽きない。

 俺のお尻は聖南の精液でドロドロになってて、あちこちに移動させられた影響かシーツも至るところが濡れている。

 ゆらゆらしていた俺のものは、出るべきものが何も無くなって元気を失い、もう許してと心の奥底で唱えても聖南の瞳には届かなかった。

 逃げないって言ったのは俺だけど、一秒の休憩もなく何時間も受け止め続けなきゃなんて思わなかったんだから、泣き言くらいは許されるはずだ。


「せな、さん……っ、も、もう……だめ……俺、……っ」
「あと一回」
「ん、やっ……!  むり、むりだって……っ」


 疲れたとか、喉乾いたとか、そんな甘っちょろいレベルの「無理」じゃない。

 何度も押さえ付けられた右肩は赤みを帯びてしまっていて、強めに噛まれた乳首はずっと敏感に育ったままで空気が触れるだけヒリヒリする。

 ……もう、こんなエッチしたくない。

 いっぱい甘い言葉を囁いてくれる、いつもの聖南とエッチしたい……。


「ぅ、ぅわ……っ、んんんっ……ん、……!」


 必要最低限の言葉しか発さない聖南から無言で抱き起こされ、繋がった状態で足の間に置かれた。

 俺の中を深くまで抉る聖南のものは、何回イってもずっと同じ強度を保っていて、くたりとなった俺のものが異常なんじゃないかって思っちゃうけど…俺は普通なんだよ。

 下を向いてたら聖南に上向かされて、いっぱい唾液を送り込まれる。

 時折サイドテーブルに置いてある甘いお酒で聖南は水分と欲望の補給をしてるけど、俺が許されてるのはこの聖南の唾液だけ。

 序盤に喉乾いたって言ってみたら目一杯唾液を飲まされて、「逃げんのかよ」と睨まれたから怖くて言えなくなった。

 苦しげに「ごめん」って謝ってきたり、その時みたいに激怒してきたり、聖南も感情のコントロールが出来なくてツラいのかもしれないけど、俺もこの状況把握に全然追い付けてないんだよ…。


「……っ……っ、……んっ……っ……」


 突き上げが激しくなってきた。

 聖南が自分のペースで動けるように、俺は逞しい背中に腕を回して自分でも体重を支えた。

 あっ……やばい、気持ちいい……っ。

 中がぐちょぐちょだから滑りがとってもよくなってて、聖南が入ってくる度に良いところが絶妙に擦られる。

 軍人聖南の帽子はもうどこかにいっちゃったけど、この姿は精悍で、たとえ髪が乱れていたとしてもカッコいい。

 快感に溺れていても、まだ聖南を見詰める事が出来てる俺は……どこまで聖南に夢中なんだか……。

 視線を感じたらしい聖南が俺の目をジッと見てくる。

 荒々しい突き上げも、視線も、吐息も、何もかも熱くて、体の芯からゾクゾクした。

 俺は聖南の首元に腕を移動させて体を密着させると、聖南が腰を浮かせて一気に中を擦り上げて低く呻く。


「…………っ……」
「んんっ────!」


 中がじわ~と熱くなって、中に居る聖南のものに沿って精液がたらたらと下へ移動していくのが分かる。

 何度目か分からない射精を深いところで受け止めた俺は、全身から力が抜けて聖南の胸に寄りかかった。

 肩で呼吸する俺の髪を、聖南が優しく撫でてくれて安堵した。

 衣装を脱がされても猫耳カチューシャは最後まで取らせてもらえなかったけど、もういいや、何でも……。

 すっかり明るくなった室内で、俺達は繋がったまましばらくそうしてまどろんだ。

 ようやく聖南の欲が尽きたのかもしれない。

 休憩ナシの八時間?九時間?は、ほんとに死ぬかと思ったんだから……。

 ジッとしてると急に眠気も襲ってきて瞳を閉じると、頭上から「あ…」と呟く聖南の声がした。


「……戻ったかも」
「…………?」


 いつもの聖南の声色がして見上げると、バチっと視線が合う。


「おぉぉ、戻ったっぽい!」
「……な、に……? なにが戻ったんですか……?」


 あれ……この聖南……。

 ふっと笑った聖南に痛いほど抱き締められて、その後すぐに俺の体を持ち上げて自身を引き抜くと、優しく横たえてくれた。


「いやぁ、すげぇ波だったわー。  ……ドロドロじゃん」
「せなさん……っ?」
「衣装全部脱げてんのか。  猫耳だけあるな」
「……せ、聖南さんだ……!  おかえりなさい!!」
「おぉっ、熱烈!  よく分かんねぇけどただいま!」


 いつもの聖南がやっと戻ってきてくれたのが心の底から嬉しくて、喜びのあまり抱き着いたら同じ熱量で返してくれた。

 嬉しい……っ、俺の聖南だぁ……!


「ごめんな、葉璃。  体ツラかったろ」
「いえ……いや、うん。  ツラかった……。  でも俺、聖南さんになら何されても大丈夫みたいです!」
「……かわいーなぁ♡」


 甘々な聖南は、ぐりぐりと頬擦りして鼻先を付けて微笑み、おでこにちゅっとキスをしてきた。

 ……俺、聖南のこの優しくて甘い愛撫が無いと、愛されてる実感が持てなくなってる。

 無表情で寡黙な聖南もカッコ良かったけど、あんなの聖南じゃない。

 あんなの……気持ちいいエッチとは言えない。


「葉璃ネコちゃん、ちょっとだけ待っててな」


 聖南の手のひらにスリスリしてたら、笑顔でするりと俺から離れて行く。


「え……?  聖南さん、ど、どこ行くの……?」
「ぶっ飛ばさなきゃなんねぇ奴がいるから、行ってくる♡」
「……え、……ぶっ飛ば……えぇっ?」
「すーぐ戻っから、葉璃ネコちゃんは体力温存のために寝といて♡」
「え、え、あ、あの……!」


 待って聖南、さっきのエッチの時よりその笑顔の方が怖いかもしれない……!

 俺に布団を掛けた聖南は、身なりを整えてほんとに部屋を出て行ってしまった。


「……ぶっ飛ばさなきゃならない人って……誰……?」





 とても寝られるわけない俺が扉を見詰めて三十分後、戻ってきた聖南の手には謎の小さな瓶?が握られていて、それを何故か洗面所で叩き壊した。


「あんなもん要らねぇっつーの。  な、葉璃ネコちゃん♡」
「…………っ???」


 ──恐ろしい笑顔が咲き乱れる大好きな聖南の拳が少しだけ赤くなってたのは、……見なかった事にしておこう。






感想 3

あなたにおすすめの小説

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

魔性の男

久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。 最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。 そう、思っていた。

元アイドルは現役アイドルに愛される

BL
人気アイドルグループのエースだった奏多は事故により脚を怪我し、グループを脱退する。エースの抜けたグループの人気はみるみる下落し、そのまま解散。そのことに責任と罪悪感を感じた奏多は芸能界の表舞台から引退し、正体不明の作曲家Kとして裏で支えることに。 罪悪感からご飯を食べなくなった奏多の肌は痩せこけ、青白くかつての輝きはなくなっていた。 ある日の打ち合わせでかつてのグループメンバーである颯真と再会する。 メガネとマスクをしているがかつてのメンバーのことは騙せない。 『奏多、会いたかった』 『僕、奏多さんのパフォーマンスを見て、人生変わったんです!』 やけに自分に懐いているワンコ系の後輩リオと、かつてのグループのメンバー颯真に受け止めきれない愛を向けられる話。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

【R18】兄弟の時間【BL】

BL
色々あってニートになった僕、斑鳩 鷹は当たり前だけど両親にめっちゃ将来を心配されまさかの離島暮らしを提案されてしまう。 待ってくれよ! アマゾンが当日配送されないとこなんて無理だし、アニメイトがない世界に住めるか!  斯くて僕は両親が改心すればと家出を決意したが行く宛はなく、行きついたさきはそいつの所だった。 「じゃぁ結婚しましょうか」 眼鏡の奥の琥珀の瞳が輝いて、思わず頷きそうになったけど僕はぐっと堪えた。 そんな僕を見て、そいつは優しく笑うと机に置かれた手を取って、また同じ言葉を言った。 「結婚しましょう、兄さん」 R18描写には※が付いてます。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。