狂愛サイリューム

須藤慎弥

文字の大きさ
44 / 632
3♡「ルイ」

3♡⑨※

しおりを挟む




 聖南に後ろから抱き締められて、これでもう許してもらえると俺はすっかり安心しきっていた。

 呼吸を整えながら、広い胸に寄りかかって全身にこもった熱を逃がしていると、さらりと俺の髪を撫でた聖南がまた四つん這いを強いる。


「……え、…っ?」
「ん?」


 まだお仕置きは終わってないの…っ?

 床に手を付いて聖南を振り返ると、ギラギラした瞳で見詰め返される。

 よく見たら聖南…挿入する気満々で自分の性器を握っていた。


「せなさん…こ、ここでする…?」
「うん、我慢出来ねぇもん」
「ま、ま、待っ……!  待って、待っ…あ、ぁんんん……っっ」


 たっぷり慣らしたそこにボディーソープを塗りたくった性器をあてがうと、聖南は躊躇なくぐちゅっと音を立てて挿入ってきた。

 左手は俺の肩に、右手は立派過ぎる性器を握ってぐんぐんと腰を進めてくる。

 先端から半分くらいまでを一気にねじ込んできた聖南は、俺に覆い被さるようにして床に手を付いた。


「はぁ……最高…」
「ん、んんーっ、っ……」
「葉璃ちゃん、痛い?」
「…んっ?  …い、いたくは…ない…っ」
「じゃあ全部入れてい?  苦しいかもしんねぇけど我慢出来る?」
「え、…?  ぜんぶ……んっ?」
「最初っから奥まで入っちゃっていいかなー?て事」


 よくない…!  よくないと思う!

 今も手がぷるぷるしてるんだよ。

 挿入ってきた質量が、温度が、俺の何もかもを奪っていってる。

 じっくり時間を掛けて拓いてくれないと、このまま一気に奥までなんて貫かれたら意識が飛んじゃうかもしれない。

 力なく聖南を振り返ってギラつく視線とぶつかった俺は、無理だよと言葉に出す事も出来なかった。

 俺の承諾ナシに、ほんとに少しずつ奥を目指してる猛獣には何の躊躇いも無い。


「んぁあっ、……も、もういれてる…よ…ねっ?」
「苦しいだろ」
「ぅぅ…っ…すごい…せな、さん…っ、ほんとに、くるしい……!」


 分かってるならちょっとだけ待ってほしい。

 こんなに苦しいのは、いきなり貫かれたせいだけじゃなくて、聖南のものがいつも以上に欲にまみれてるからだ。

 俺の中にギチギチに嵌まり込んだ聖南の性器が、ぜんぶの内臓にまで浸透するように脈打っては襞を温める。

 あまりに大きな存在感に、俺は床を見詰めてふぅ、ふぅ、と呼吸を整えた。


「…こっち向いて。  抱っこしたい」
「……んっ?  …んぁっ……うぅっ…ぅぅ…っ」


 ちょっ…まだ慣れてないのに…!

 二日ぶりの欲望を受け止めて必死で体に馴染ませようとしていた俺の体を、聖南がくるりと反転させて抱き締めてきた。

 そして繋がったまま立ち上がる。  慌てて聖南の首元に腕を回して、俺とはまるで違う逞しい肩に顔を埋めた。

 聖南の大好きなこの体位は、さっきよりも深く俺の中を抉った。  その気はなくても、ついつい力んで聖南のものを締め上げてしまう。


「あぁ……っ、だめ、だめ…!  くるし…っ」
「ギンギンだから固えよな。  てかそんな締めたら俺も苦しい」
「…んっ…ま、まだ…っ、動かないで…!」
「そうは言ってもさぁ、葉璃ちゃんの中めちゃくちゃ狭いから俺ので慣らさねぇと」
「ちがっ…そうじゃ、なくて…!  くるし、の…!」
「だから慣らしてんじゃん、今」
「お腹、いっぱい…っ……いっぱい、なんだってばぁ…!」
「フッ…かわい。  葉璃、舌」


 シャワー下を避けて俺のお尻を鷲掴んだ聖南は、体を上下に揺さぶってくれながら舌まで要求してきた。

 聖南のものが挿抜される度に、ビリビリっと背中に電気が走る。

 舌を出して絡ませていると、もっと体中が熱くなってきて力が入らない。  聖南の腰に巻き付けた脚も、首元に絡ませてる両腕も震えてきた。

 唾液が欲しいとせがむ無言の唇から、舌を思いっきり吸われる。  たっぷり吸われて、上顎を舐められて、それから唾液を持ってかれた。

 その間も、ひたすら聖南の腕が俺の腰を上下に揺らし、聖南自身も我慢ならない様子で険しい表情をしていた。


「んや…っ、…っ……ふっ…ん…」
「気持ちい?  葉璃ちゃん、気持ちい?」
「んっ…んっ…んん…っ」
「───葉璃、一つ相談」
「…え、っ…?  なにっ?」
「禁欲なんてマジでごめんなんだけど。  どうにかなんない?」
「ど、…どうにかって…っ?  あぁっ…ぁっ…んん、っ…」
「ずーっとムラムラすんだよ。  俺の仕事に影響出てる。  地方行ってたらしょうがねぇからオナるけど、葉璃ちゃんと寝てんのに手出せないって拷問中の拷問なわけ」
「でも…っ…俺は…!」
「葉璃の大事な影武者、失敗出来ねぇから我慢しろって言ってんのは分かってる。  けど無理。  俺、葉璃にメロメロなんだよ。  この顔毎日見たいんだよ」


 こ、こんな時に駄々っ子はやめてよ…!

 毎日毎日愛されて、それが嫌だったら受け入れるはずないってば。

 それでもおあずけしてしまったのは、たくさん練習してきたのにヒナタとして本番に向かう自信がまったく無かったからだ。

 もし、動けなかったり、ミスしたり、叱られたりしても聖南のせいにだけは絶対にしたくなかった。

 土壇場で万が一が起こった時、毎晩のエッチのせい、なんて頭の片隅で思ってしまうかもしれない自分が心底嫌だった。

 言い訳なんてしたくない。

 聖南からこれ以上ないほど愛されて、俺もほんの僅かでも愛し返して、脳内が痺れるくらいに気持ちいいエッチをしてるのに、不安を抱えてたくなかったんだ…。


「や、やっ……やぁ…っ…ちょっ……んん…っ」
「相談っつーか、お願い?  …加減すっから、お願いします。  葉璃ちゃん」
「……せなさ、ん…っ…!」
「葉璃への愛で俺は狂いそうなんだよ」


 ───俺もそうだよ、同じ気持ちだよ、聖南。

 口には出せないけど、俺もいっぱい愛してる。  いつか胸を張って言える日がきたら、飛び付いて抱っこをせがんで、たくさんたくさん言ってみたいよ。

 聖南がよく言ってくれる愛の言葉を、俺だって───。


「…ぁっ…、あぁっ、んぁぁぁ……っっ」


 圧迫感と波打つ快感が、全身を駆け巡る。

 膨張した性器が何度も襞を擦り上げて、荒く呼吸しながら喉を仰け反らせると首筋を甘噛みされた。

 絶え間なく猛獣のように腰を動かす聖南にも、一応の理性があるらしい。

 キスマークを付けないように咄嗟に配慮した聖南が愛おしくなって、ほっぺたにちゅ、とキスを落とす。

 その行為がさらに聖南の欲の炎を滾らせた事に気が付かない俺は、聖南にしがみついてひたすら啼いた。


「せな、さん…っ……俺、こわれる…よ…」
「壊すわけねぇだろ。  俺の大事なお嫁さんを」


 自身も二日ぶりの快感には逆らえないみたいで、そう言った聖南は苦々しく眉を顰めて俺の唇に噛み付いた。




しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...