狂愛サイリューム

須藤慎弥

文字の大きさ
492 / 632
45♡撮影当日

45♡20※

しおりを挟む





 明日の心配をしなくていいエッチなんて、どれくらいぶりだろう。

 何回イっても元気なまんま、動いてない時が休憩だと言い張る絶倫な聖南だけど、夏に俺が倒れちゃってからはほんとによく我慢してくれてたと思う。

 次の日の仕事に差し支えないように、長くても三時間でやめちゃうようになって、頻度自体も少なくなって、聖南にとっては物足りなかったよね。

 俺でさえ、ムラムラしちゃって聖南を困らせた事があるから分かるよ。

 なんとなく決まった暗黙のルールが、ちょっとだけ煩わしいと感じちゃうこともあるよね。


「葉璃、顔見せて」
「や、っ……やだ……っ! ぜったい、ひどい顔、してる……っ!」


 ベッドに移動してからの俺たちは、会話らしい会話もそこそこに性急にお互いを求めた。

 聖南だけじゃない。

 お風呂場で散々焦らされた俺も、ベッドに押し倒されてすぐに『早くちゃんと触って』とばかりに両足を聖南の体に巻きつけた。

 大胆にも、あろうことか俺は聖南を急かしたんだ。

 ナカをほぐしてくれてる聖南の手を、三回は止めた。終始、「煽るなよ」って苦笑いを浮かべられた。

 それでも、俺を傷付けないために自分の快楽を後回しにして、たっぷりのローションで時間をかけてナカをトロっトロにほぐしてくれた聖南の忍耐力は凄まじい。

 ただ、聖南の我慢はそこまでだった。

 二時間だけ、三時間だけ、という縛りを、今日は設けてない。聖南にお伺いを立てられなかったから、言い忘れてただけってのもあるけど……それにしても、……。


「そんなことねぇから。てか手はそこじゃねぇだろ?」
「んんっ……!」


 あの、少し掠れたセクシーな声で「挿れるよ」と言われた瞬間から、聖南は俺のことが大好きな獣に変身した。

 仰向けになったりうつ伏せになったりを三回は繰り返しながら、特に休憩らしい休憩をくれない聖南から、かれこれ二時間以上容赦なく攻められている。

 いつものごとく、自分がいつ、何回イったのかももう分からない。

 触ったり扱いたりしなくてもイけるようになっちゃった俺の体は、聖南のモノがナカで好き勝手暴れたり、乳首を甘噛みされたり、背中を撫でられたり、唾液を飲まされたりするだけで気持ちよくなる。

 聖南が、俺の体をそういう風にした。


「はーる。手、邪魔だって」
「やっ……やだ……っ」
「俺もヤだ」
「あっ、ちょっ……!」


 たった二回じゃ少しも衰えないモノを突き立てられてる今、俺の顔は涙と汗と唾液できっとぐっちゃぐちゃだ。それを見られたくないから、両腕をバッテンにして顔を隠してたのに。

 もの好きな聖南は、そのぐっちゃぐちゃな顔をいつも見たがる。

 ……変わってるとしか言いようがない。


「俺しばらく脱ぐ仕事無えから、いっぱい痕つけていいよ?」
「ひぅっ……! んっ! んぅぅ……っ」


 喋ってる最中も動きを止めなかった聖南が、わずかに腰を突き上げた。敏感なナカを先端でぐにゅんっと押された俺は、もっとひどく顔を歪めた。

 許可なく顔を隠してたこと、それで両腕が塞がっちゃって聖南をぎゅっとしなかったことで、ほんの少しご機嫌ナナメになっている。

 気持ちいいところを避けて、めいっぱい拡がったナカをさらに拡げようとするのはただのいじわるだ。

 言うことを聞かない俺に対する、聖南なりのお仕置きのつもり……なんだろうな。


「このかわいーおてては、どこに、置いとくんだっけ?」


 ひとまとめにした俺の両手首を取ったまま、いじわるをやめない聖南がどんどんとナカを抉ってくる。奥に進むにつれて、貫かれた俺の腰も少しずつ浮いていった。

 ズッ、ズッ、と太い先端がナカを分け入ってくる。擦られて喘いじゃう俺も悪いんだけど、聖南が目指そうとしてるところは毎回こわくて。

 そこに到達すると気絶に近い感覚に襲われるから、着々と腰を進めてく聖南に、俺は息も絶え絶えに抗議の目を向けた。


「んっ、あっ……あぁっ! せなさんっ……せなさん、ぎゅって、するから……っ! 奥、ぐりぐり、しな……で……っ!」


 聖南のいじわるには慣れてると言っても、ぐじゅ、ぐじゅっとやらしい音を立てて奥を抉られると勝手に膝が震えてくる。

 あんまりいじめないで、と必死に訴えた俺を、欲に濡れた瞳でジッと見下ろしてくる聖南は、この状況下で「いやいや……」と薄く笑った。


「何言ってんの。全然奥までいってねぇし」
「へっ!? う、うそ……っ」
「ホントー♡」
「ひっ、やっ、待って、待っ……! やぁぁっ……!!」


 それを証明するように、聖南は笑顔のまんま腰を回した。そして、俺には知る由もない場所にぐぷっと入り込んでくる。


「いっ、ぁあっ……っ!」


 俺の浮いた腰を、「な?」と微笑む聖南が鷲掴む。

 奥の奥に先端をねじ込まれてしまった俺は、顎をのけ反らせた。わずかな痛みと強烈な快感に、目の前が真っ白になる。


「はぅ……んっ……んっ……んっ……」


 自分の意思で口を閉じることが出来なかった。

 だらしなく開いた唇の端から、唾液がうっすらと溢れ落ちる。それを舐め取ろうと聖南が背中を丸めたせいで、グッとナカを強く押された俺の意識はまさしく飛びかけた。


「葉璃、舌」
「んんっ、んっ、ふぁ……っ」


 聖南の声に、何も返せない。ちゃんと聞こえてるし、反応もしてるつもりなんだけど、近付いてきた聖南の顔がぼやけて見えるほど焦点も合わなくなっていた。

 聖南と密着した下半身の感覚が、無くなり始めてる。舌を吸われながら、聖南の言う奥をぐぷぐぷと出入りされて朦朧とした。


「きもちーなぁ? 葉璃ちゃん、もう何回イったかなぁ?」
「うぅっ……んっ……ん、むぅっ……」
「もどかしかったろ? 甘イキ出来なかったの」
「ん、くっ……んっ……む、っ……」


 遠くで、俺の大好きな甘い声がする。

 満足いくまで唇と舌を支配した聖南は、やっぱり動くのをやめてくれなかった。おかげで俺は、浅い呼吸しか出来ない。力が入らないから、聖南のことを抱きしめられもしない。


「葉璃ちゃんが言ったんだからな? あんまイジんなって。ヘトヘトになるからって。でも分かっただろ? 物足んねぇんだよ、もう」
「そ、んなこと、なっ……んんっ……」
「あんなにナカうずうずさせといて、そんな事ないって? ウソはダメだぞ、葉璃ちゃん」
「うっ……うそじゃ、……うそじゃない、もん……っ」


 そう、ウソじゃない。でも聖南の指をあんなに締め付けといて、「やめて」は無かった。

 聖南の困ったように笑う顔が思い浮かんだ俺は、恥ずかしさのあまり無意識に反抗する。

 敬語も使わず、気絶一歩手前の滑舌でどこまで伝わったか分からないけど、それは絶えず奥を探る聖南への文句も兼ねていた。


 もう、やめて──飛んじゃう。


 下っ腹の内部から、聞き馴染みのない〝ぐぷん、ぐぷん〟という音が響いている。

 聖南の先端がそこに挿入れられるたび、俺の分身からサラッとした液体が漏れていた。


「ひぁっ……せなさんっ……! ナカ、やぶけちゃうっ、ぐ、っ……くるしいってばぁ……!」
「ごめんな? 苦しいよな? でもな、先っぽ吸い付いてくんのたまんねぇんだ。もう少しだけ……我慢して」
「やっ……やだぁっ……こわい、……! こわいんだよっ、せなさ、……っ!」
「何がこわい?」


 ついに目を開けてられなくなった俺は、暗闇で聖南と会話した。

 楽しそう。

 エッチな声で、「きもちい」って呟くのもドキドキするけど、下半身がおかしくなってる俺はそれどころじゃない。


「このへん、おかしくなってる……! おかしい、の……っ! さっきから、ずっと……んっ、ふぁ……っ!」
「そりゃ、俺のがここまで挿入ってるからな?」
「あっ……んっ……!」
「てかおかしくなってもらわねぇと。朝まで正気保ってんのしんどいと思うよ?」
「んくっ……んっ……んん……っ!」


 「俺、二徹くらい余裕の男だからな」と、聖南は俺の下腹部をなぞって恐ろしい事を言った。

 俺も気持ちいいって、言い損ねてることにちょっとだけ罪悪感を抱いてたけど、もう……無理かもしれない。

 朝まで正気を保っておく自信が、俺には無いもん……。





しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...