セカイの果てのハテまでキミと共ニ誓ウ

葛城兎麻

文字の大きさ
16 / 26
第一章・スフェルセ大陸 一節・北国

十四話:北国の賑わい

しおりを挟む
「昨晩はよく分からなかったけど、改めて見るとやっぱり首都なだけあって活気付いてるね」

 珍しく空より舞い降りる雪は無く、誰しもが傘をささずに街中活気で埋め尽くされた。
 広場では不必要な雪は除雪。除雪された雪達を深い鋼で覆われた穴場にせっせと手際よく入れ込んでいた。作業しているのは屈強な男達が八割程度を占めており、女性は極めて少ない。


「北国の水は凄くおいしいよね」

「ああやって除雪した雪を火魔法が付与された鋼の穴場に入れて水として溶かした後、除水場に行くの。そこで細かなゴミとか、菌とか細かく取り除かれる……らしいわ」


 あえて、らしい、と返したのは専門外なので細かな質問をされないようにあえてそう返した。流石王弟殿下だけあって、他国の生活事情にはとても興味を示しているよう。レフィシアの眼がそこから離れずにいると、二人に気づいた作業員の男性がひょこひょことした足取りでやってきた。顎に細かな髭を生やした四十半ばと思われる。安全を考慮して鉄の帽子を頭に被っていた。


「兄ちゃん! そこの育ちの良さそうな兄ちゃん!」

「え、俺ですか?」

「あんた、他国のヤツだろ?」

「ええ、まあ」

「おう、そりゃあ、きょろきょろしてるしな! どうだ? 少し、やってみるか? オレァ、ここの責任者だから問題ねぇよ! 何なら給金も出す!」

「せっかくだし……少しやってみたら?」

「そうだね」


 明らかに平民としか見えない作業員の男性からも、育ちの良さそうなという言葉がすぐに出てきた事からレフィシアの容姿は目立つ。剣を所持しているだけならそう珍しくもないが、顔立ちや気品が他の比ではない。ここに来るまでの道中、すれ違う度年頃の若い女の子からご婦人まで黄色い声を上げていた。中には話しかけてくる人達も多く、レフィシアは流すように返事を返していたが当の本人はあまり目立ちたくないので大人しくしたいと小言を漏らしていた。

 リシェントもレフィシアにつられて除雪作業を手伝う中で様子を伺っていたが、レフィシアの瞳はまるで初めて出来たと言わんばかりの子供のようにきらきら輝いている。普段の淡く優しいものでも、敵に向ける恐ろしい位までの静けさでもない。

 それにしても——。

 上手い。

 リシェントは自分から見ても一般の成人男性以上に力があるのでたまに感覚麻痺のように感じているが、雪は水を吸って重くなる。積り始めたばかりの雪ならまだしも下手をしたら人一人以上に重くてとてもではないが運べる筈がない。除雪した雪を荷車に乗せる時点で骨が折れるが、レフィシアは何てことないと雪かきでせっせと雪を荷車に放り込んでいる。

 すると、思い当たる事が一つあって、まさかと思いひたすら没頭しているレフィシアの方に駆け寄った。


「ねえ、シア。重くない?」

「大丈夫だよ。日頃ちゃんと鍛えてるんだし、後はまあ、裏技というか……全身に魔力を込めて……ちょっと、ね。それよりそろそろこっちの荷車がいっぱいになるんだ。引くの、手伝ってくれないかな」


 やはりそうか……と、レフィシアが中央四将の中でも近接戦最強と謳われているのを改めて思い出した。ただし、そんなレフィシアも山盛りの雪を積み込んだ荷車を一人で引くのは出来ない。首を縦に振ってから、二人で荷車を引き始める。最初こそ重いが、荷車の車輪が動いてしまえばこっちのものだ。一気に引いて、鋼の穴場まで移動。荷車の棒を離すと一気に開放感に満たされてた。


「お疲れさん! ほい、給金はちょっとになっちまうけど、後はこれだな!」


 先程声をかけてきた作業員の男性の右手には給金袋が入ったベージュの布袋。左手はコップがふたつ乗ったトレー。先に給金を渡されて、その後レフィシアとリシェントは男性から何やら飲み物が入ったコップを手渡しされた。流石に毒はないだろうが念の為を思いレフィシアら疑いながら僅かな匂いを嗅ぎ分ける。


「お酒……?」

「酒に北国名産の氷を入れて更にその水で割ったんだ! 特別サービス! 悪いね! そこそこ強い酒しかなくてなあ」

「はい、ありがとうございます」

「……」


 十六で成人ならば飲めるだろうと言うあくまで男性の厚意によるものだが、リシェントは酒を飲んだ事がなかった。いくら水で割っているとはいえ飲めるだろうかと渋るが、酒も決して安くはない代物。それを厚意で手渡されたら、とてもではないが無下に出来ない。両手でコップを受け取ると、想像通りひんやりと冷たい。中身といえば色こそ水と大差がないが、何となく違いがあるのが分かる程度だ。
 いざ少し口をつけて含んでみると、荒々しい苦味が一気に口の中に広がり顔をしかめる。酒を飲んだのはこれがはじめてだったリシェントは自分は酒が苦手なんだなと改めて反省をして、コップから口を離した。

 胃の中に火がついたような熱さが走る中で、リシェントがぼうっとしている中——。


「へえ。おいしいですね」

「お! 兄ちゃん、酒が好きなのか?」

「好んでは飲まないのですが……よく兄に連れられて、その、集まりとかで飲まされるから耐性がついた、といいますか」


 レフィシアは平然とコップに水割りされた酒を既に飲み干している。王弟殿下として様々な交流の場に引っ張りだこにされたレフィシアは、度数の高い酒も次第に飲めるようになっていたのだ。そんなレフィシアがまだ一口しか飲み進めていないリシェントの様子を見て、空いた左手を開く。


「貸して」


 ただその一言。
 理解が追いつかないままに、リシェントは両手に持っていたコップをレフィシアに手渡す。何をするつもりかと不安になり窺って顔を覗き込もうとする仕草を見せた瞬間、リシェントから手渡されたコップに口をつけて飲み進めてなかった酒を一気に干した。
 確かに安くはない代物で厚意で渡されたものを無下にするのは心苦しいものがあったが、今問題視されるのはそこではない。


「ん……やっぱおいしいですね。お酒自体もいいものを——リシェント?」

「……兄ちゃん、無自覚でやってるならタチが悪ィな」

「……すみません。ようやく気づき、まし、た」


 リシェントの顔の赤さは酒が強かったからだとばかり思っていたレフィシアは作業員の男性の一声でハッと我に帰る。如何に恥じらいのない言動をしてしまい、流石のレフィシアも一気に顔を赤く染めた。「おっと! デートだったんなら働かせて済まなかったな! じゃあ、お邪魔者は退散すらぁ!」とやたらにニヤニヤと口元を緩ませながら、作業員の男性はコップを回収しながら自分の持ち場に戻っていく。



「……そ、そういえば、シア……って、婚約者とか居ないの?」


 身分の事を完全に忘れていたが、レフィシアは中央国の王弟殿下。成人しているのだから婚約者の一人や二人、居てもおかしくはない。
 先程の出来事を不敬に思っていつもより顔色を伺うように質問を投げると、レフィシアは特に酔った様子も見せずにいつも通りの声で答えた。


「婚約者か。確かにものすごい数の申込が来たけど、全部断ったよ。大体が権力と身分にすり寄って来る人達だ。御令嬢達も俺の容姿を見る人ばかりだから疲れちゃった」

「ア……えと、お兄さんは?」

「兄さんが一番婚約の申込は来たし、周囲からも促されていたけど、全部断ってた」

「そうなの? 何でかしら」

「うーん……」
   

 レフィシアは過去の記憶を掘り起こす。あれは、確かアリュヴェージュが成人し、婚約の申込が山のように舞い込んできた頃だ。


 *


「兄さん。断るの大変なんだけど、何で婚約者を選ばないの?」


 山のように積み上げられた封筒の中身は全て共通してアリュヴェージュへの婚約話だ。若くも国王陛下となり成人したアリュヴェージュ。身分よし、顔よし、頭よし、おまけに魔法士としてもとても優秀。レフィシアでさえ婚約話をこれでもかと舞い込んでくるが、アリュヴェージュにはその倍以上。彼の婚約話の手紙を届け出るのはレフィシアかキアーの仕事だが、あまりにも多いので流石に疲れてきた。


「好きな子がいるんだよ」


 アリュヴェージュは答えに悩むことなく、さらっと答えながら政治関係の書類に判子を叩き続ける。聞くに、当時はとても泣き虫の甘えたがり。銀髪に毛先が青がかっており、笑う時はまるで夜空のような深い群青の眼を満点の星のようにきらきらと輝かせる。一方で、時には月の淡い光のように誰かを優しく包み込む包容力がある……とアリュヴェージュはつらつら長く語り始めた。
 アリュヴェージュもどちらかといえばレフィシアと似て、女性との交流に積極的では無い。そんなアリュヴェージュがここまで褒め称え、何より、心からその女性を愛おしく想う気持ちが顔に現れている気がした。ただし、それは単なる愛情だけではない。懐かしむように優しく眼を瞑り、小さく息をひとつ。



「彼女と出逢ったのは、数年前。もう一人の、十は離れた彼と一緒に、ボク達三人は出逢った。もう、それから会えていない。今の僕の力では、会いに行けないほど、遠い。でも……必ず、会いに行く。行かなくちゃいけないんだ」



 窓から差し込む光で、ほんの僅かに眼が開かれる。今までになく、華やかとは程遠い深刻な闇を抱えた紫の瞳は小さく揺らいでいた。




「それがあの二人との〝約束〟で、このセ——」

「兄、さん……?」

「……ごめんね。こっから先は秘密だ」




 喋りすぎた、とアリュヴェージュは付け足して、椅子から立ち上がった。息抜きをするから後は頼むと言い残して執務室から出てゆく背中は、どこか虚しい。


 *



「……って、言ってたよ」


 レフィシアの話を聞く限り、どうもアリュヴェージュ・リゼルト・シェレイはただ悪い人という訳ではないらしい。どのみち中央討伐軍に身を寄せるのであればいずれは出会うのだろうから自分から見てアリュヴェージュの人柄を判断しようと考え込んでいると、レフィシアの姿が見当たらなくなった。
 いつの間に、と探すように左右に首を回していると、左手前側の屋台店の方に姿を見掛けて小走りで駆け寄る。


「すみません。こちらは?」

「とっ、当店は女性向けのアクセサリーを販売しております! あっ貴方のような素敵な殿方にお目に止まるとは、か、感激です!」


 レフィシアが顔を覗き込むように伺うと茶髪のロングヘアーの二十半ばの女性が、かしこまったように背筋を整えた。ずらりと机に並ぶのは、女性向けに作られたアクセサリーの数々だ。丁寧に手作りされて思わず魅入ったが、リシェントはただそれだけで興味はない。自分は着飾った事はないし、そもそも合わないと自覚しているからだ。


「で、どうですか? 是非、そちらの彼女に何かお贈りされては!」

「そうだね」


 茶髪の女性店員がリシェントに眼を向けてから、改めて両手の平をあわせてレフィシアに商売人の明るい笑顔を出す。
 商売人としては当たり前の接客だが、それに応えるレフィシアもレフィシアである。


「で、でも、私はこういうのに疎くて……」

「そう? なら俺が選んでもいいかな」

「でもお金が」

「大丈夫だよ。貰う側はそんな事気にしなくて」


 レフィシアはそのまま商品達にひとつひとつ目を置いておく。止めようとしたが、茶髪の女性店員がひょっこりリシェントの横に並び「貰えるのは、貰っておくべき!」と耳打ちしてきた。先程もそうだが、厚意は素直に受け取っておくものだろうと考えたらすんと収まる。
 ——一点一点確認していった中でレフィシアが気になったそれは、東国の〝サクラ〟をイメージした薄桃色の飾り紐に、金で型取りされたサクラの花。その中央には小さな白の宝石。それを手に取っては、試しにリシェントの方を向いて髪に触れる程度に当ててみた。


「——うん」



 レフィシアはそれはまるで美しい夢をみるように、うっとりした眼で眺めていた。酒を飲んだ直後なのか、いつもより表情が緩やかで熱っぽさを感じる。それとなく眼が合って、リシェントは切なさに胸が突き上げられた。
 どうしてこれが〝切なさ〟なのかはまだ分からないが、ただ、今確信、そして確実なのは——。


「(私が、シアの事が……前から……好き、だった……? でも、それは何時の話なの?)」
   

 出逢いはたった数日前だというのに、こんなにも切なく、愛しく彼を想う気持ちはどう足掻いてもおかしい。だからといって、それ以前に出会ったと言っても分からない。

 ——思い出せそうで、記憶の〝扉〟は頑なに閉じられてしまっている。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...