30 / 171
第二章 別れ
ツァールとの出会い
しおりを挟む
どれぐらい歩いただろう。足が鉛のように重くなる。
「大丈夫か。もう少しで着くからもうちょっと頑張れ。」
ディグニに声をかけられる。
”だらしないわね!”なんて声が飛んでくると思ったけど、そんなことはなかった。
それが不気味で仕方ない。
ディグニは時々後ろの様子を確認してくるし、
クラフトは何だかソワソワしていた。
「シェーン様。もうちょっと抑える努力をしてください。」
ペルがとうとう触れてはいけないものに触れた。
それも、ストレートしかも剛速球で。
「え?何のこと?私何かしたかしら。」
ペルの言葉に覚えがないのかシェーンはキョトンとしている。
「はあ、シェーン様足は大丈夫ですか?」
「え、ええ。まだ歩けるわ。ねぇ、それより、さっきの言葉は何だったの?」
「さっきの言葉とは何ですか?」
ペルが分かりやすくとぼけている。意地でも答えないつもりらしい。
「ぐぬぬぬぬ!もういいわ。こうなったら絶対話してくれないんだから。」
二人にとってはよくあることなのだろうか。
シェーンはすぐに食い下がっていた。
それにさっきまでの雰囲気は和らいでいた。
城門に人影が見えた。その人は、大きく手を振って近寄ってくる。
「おおーい!」
「ツァール兄様は、もう。
王様自ら出向かいにきてどうするのよ。それにあの大声。」
シェーンは愚痴っていた。
「お久しぶりです。ツァール様。」
「おお、ディグニ。よく来てくれた。おっ。君がビス君だな。宜しくな。」
ツァールの勢いに押されてしまう。
「う、うん。宜しく。」
そのあと、ツァールはみんなに一言ずつ声をかけていた。
「おお、クラフト。家族には挨拶できたか?」
「はい。充分に。」
「そうか。それは良かった。
早くお前の家族がこっちに来られるように俺も努力するよ。」
「ペルフェットも見ない間にまた一段と綺麗になったなぁ。嫁に来ないか。」
「御冗談を。でも、ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですよ。
・・・あっ、それと嫁になることは丁重にお断りします。
私には心に決めた方がいますから。ふふふ」
「あははは。そうであったな。残念だよ。」
「シェーンもよく来てくれたな。道中疲れただろう。」
「そうなんです。ツァール兄様。
足が鉛のように重くなってしまって。どこかで休憩したいですわ。」
「そ、そうだな。とりあえず城の中に入ろう。こっちだ。」
シェーンの言葉を聞いて、ツァールは僕たちを城の中へと案内する。
気さくな人だな、と思うと同時に、
モーヴェ王国の王様とは全然違うなと思ってしまう。
ツァールに客室に案内される。
「疲れているところ済まなかったな。ここで休憩してくれ。」
部屋は、僕とディグニ。シェーンとペル。クラフト。の三つに分かれた。
「ツァール兄様。二人で少々お話がしたいのですが、宜しいですか。」
「ああ、それはもちろん。いいが、足はいいのか?」
「ええ、もう治りましたわ。」
「そ、そうか。じゃあ私の部屋で話そうか。」
シェーンはツァールのあとを着いて行った。
「先を越されてしまったか。」
「まあ、いいじゃないか。兄妹で積る話もあるのだろう。
俺は他の傭兵たちに挨拶に行くが、ディグニ。お前はどうする?」
「俺も着いて行きます。ちょっと探りたいこともありますし。」
クラフトとディグニもいってしまった。この場に僕とペルしかいない。
ペルは何かすることがあるのか部屋に入ろうとしている。
僕はペルは呼び止めた。聞くなら今しかないと思ったからだ。
「ペル、ちょっと待って。」
ペルは足を止めてこちらに向きなおる。
「どうかしましたか?ビス様。」
「あの、その、城門で言ってたその・・・」
ペルは屈んでこっちをじっと見てくる。
「・・・心に決めた相手って誰?」
意をけっして僕はペルに聞いた。
「ああ、そのことですか。それは・・・ふふ。内緒です。」
人差し指を口に当ててそう言った。
いつの間にかペルは部屋に入っていて、
廊下には僕以外だれもいなくなっていた。
「大丈夫か。もう少しで着くからもうちょっと頑張れ。」
ディグニに声をかけられる。
”だらしないわね!”なんて声が飛んでくると思ったけど、そんなことはなかった。
それが不気味で仕方ない。
ディグニは時々後ろの様子を確認してくるし、
クラフトは何だかソワソワしていた。
「シェーン様。もうちょっと抑える努力をしてください。」
ペルがとうとう触れてはいけないものに触れた。
それも、ストレートしかも剛速球で。
「え?何のこと?私何かしたかしら。」
ペルの言葉に覚えがないのかシェーンはキョトンとしている。
「はあ、シェーン様足は大丈夫ですか?」
「え、ええ。まだ歩けるわ。ねぇ、それより、さっきの言葉は何だったの?」
「さっきの言葉とは何ですか?」
ペルが分かりやすくとぼけている。意地でも答えないつもりらしい。
「ぐぬぬぬぬ!もういいわ。こうなったら絶対話してくれないんだから。」
二人にとってはよくあることなのだろうか。
シェーンはすぐに食い下がっていた。
それにさっきまでの雰囲気は和らいでいた。
城門に人影が見えた。その人は、大きく手を振って近寄ってくる。
「おおーい!」
「ツァール兄様は、もう。
王様自ら出向かいにきてどうするのよ。それにあの大声。」
シェーンは愚痴っていた。
「お久しぶりです。ツァール様。」
「おお、ディグニ。よく来てくれた。おっ。君がビス君だな。宜しくな。」
ツァールの勢いに押されてしまう。
「う、うん。宜しく。」
そのあと、ツァールはみんなに一言ずつ声をかけていた。
「おお、クラフト。家族には挨拶できたか?」
「はい。充分に。」
「そうか。それは良かった。
早くお前の家族がこっちに来られるように俺も努力するよ。」
「ペルフェットも見ない間にまた一段と綺麗になったなぁ。嫁に来ないか。」
「御冗談を。でも、ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですよ。
・・・あっ、それと嫁になることは丁重にお断りします。
私には心に決めた方がいますから。ふふふ」
「あははは。そうであったな。残念だよ。」
「シェーンもよく来てくれたな。道中疲れただろう。」
「そうなんです。ツァール兄様。
足が鉛のように重くなってしまって。どこかで休憩したいですわ。」
「そ、そうだな。とりあえず城の中に入ろう。こっちだ。」
シェーンの言葉を聞いて、ツァールは僕たちを城の中へと案内する。
気さくな人だな、と思うと同時に、
モーヴェ王国の王様とは全然違うなと思ってしまう。
ツァールに客室に案内される。
「疲れているところ済まなかったな。ここで休憩してくれ。」
部屋は、僕とディグニ。シェーンとペル。クラフト。の三つに分かれた。
「ツァール兄様。二人で少々お話がしたいのですが、宜しいですか。」
「ああ、それはもちろん。いいが、足はいいのか?」
「ええ、もう治りましたわ。」
「そ、そうか。じゃあ私の部屋で話そうか。」
シェーンはツァールのあとを着いて行った。
「先を越されてしまったか。」
「まあ、いいじゃないか。兄妹で積る話もあるのだろう。
俺は他の傭兵たちに挨拶に行くが、ディグニ。お前はどうする?」
「俺も着いて行きます。ちょっと探りたいこともありますし。」
クラフトとディグニもいってしまった。この場に僕とペルしかいない。
ペルは何かすることがあるのか部屋に入ろうとしている。
僕はペルは呼び止めた。聞くなら今しかないと思ったからだ。
「ペル、ちょっと待って。」
ペルは足を止めてこちらに向きなおる。
「どうかしましたか?ビス様。」
「あの、その、城門で言ってたその・・・」
ペルは屈んでこっちをじっと見てくる。
「・・・心に決めた相手って誰?」
意をけっして僕はペルに聞いた。
「ああ、そのことですか。それは・・・ふふ。内緒です。」
人差し指を口に当ててそう言った。
いつの間にかペルは部屋に入っていて、
廊下には僕以外だれもいなくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
婚約破棄された元OL悪役令嬢、コンサル知識で潰れかけのギルドを王国一に再建します
黒崎隼人
ファンタジー
エルムガンド王国の第一王子から、卒業パーティーの最中に婚約破棄を宣告された公爵令嬢イザベラ。
断罪のショックで、彼女は自分が現代日本で経営コンサルタントとして働いていた前世の記憶を取り戻す。
ここは乙女ゲームの世界。このままでは爵位剥奪、領地没収の破滅ルートが待っている!
「冗談じゃない。そんな未来、絶対に受け入れてなるものか」
イザベラは破滅フラグを回避するため、父の道楽である赤字続きの冒険者ギルド「白銀の獅子」の運営を引き継ぐことを宣言。
前世で培った現状分析、プロジェクト管理、成果報酬制度などのビジネススキルを駆使し、潰れかけのギルドの改革に乗り出す。
クエストの可視化、新人教育、そしてエルフの賢者や獣人ギルドのマスターとの異種族間連携。
最初は彼女を馬鹿にしていた荒くれ者の冒険者たちも、その圧倒的な手腕とカリスマ性に惹かれ、いつしか彼女の頼もしい仲間となっていく。
やがて彼女のギルドは王都最大の組織へと成長し、彼女を陥れた敵の陰謀すらも打ち砕く!
恋愛よりも仕事! 最高の仲間たちと共に、すべての種族が笑って暮らせる未来を創り上げる、元悪役令嬢の痛快お仕事ファンタジー、開幕!
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
異世界魔法、観察してみたら
猫チュー
ファンタジー
異世界に転生した少年レイは、ある日、前世の記憶を取り戻す。
未知でありながら日常の一部となっている魔法に強い興味を抱いた彼は、村の魔法オババに師事し、修行の日々を送る。
やがてレイは、この世界の魔法が、地球で学んだ知識と多くの共通点を持つことに気づいていく。
師の元を離れ、世界を知っていく中で、少年は魔法を観察し、考え、少しずつ理解を深めていく。
これは、少年レイが世界を、魔法を、科学していく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる