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第二章 別れ
ツァールとの出会い
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どれぐらい歩いただろう。足が鉛のように重くなる。
「大丈夫か。もう少しで着くからもうちょっと頑張れ。」
ディグニに声をかけられる。
”だらしないわね!”なんて声が飛んでくると思ったけど、そんなことはなかった。
それが不気味で仕方ない。
ディグニは時々後ろの様子を確認してくるし、
クラフトは何だかソワソワしていた。
「シェーン様。もうちょっと抑える努力をしてください。」
ペルがとうとう触れてはいけないものに触れた。
それも、ストレートしかも剛速球で。
「え?何のこと?私何かしたかしら。」
ペルの言葉に覚えがないのかシェーンはキョトンとしている。
「はあ、シェーン様足は大丈夫ですか?」
「え、ええ。まだ歩けるわ。ねぇ、それより、さっきの言葉は何だったの?」
「さっきの言葉とは何ですか?」
ペルが分かりやすくとぼけている。意地でも答えないつもりらしい。
「ぐぬぬぬぬ!もういいわ。こうなったら絶対話してくれないんだから。」
二人にとってはよくあることなのだろうか。
シェーンはすぐに食い下がっていた。
それにさっきまでの雰囲気は和らいでいた。
城門に人影が見えた。その人は、大きく手を振って近寄ってくる。
「おおーい!」
「ツァール兄様は、もう。
王様自ら出向かいにきてどうするのよ。それにあの大声。」
シェーンは愚痴っていた。
「お久しぶりです。ツァール様。」
「おお、ディグニ。よく来てくれた。おっ。君がビス君だな。宜しくな。」
ツァールの勢いに押されてしまう。
「う、うん。宜しく。」
そのあと、ツァールはみんなに一言ずつ声をかけていた。
「おお、クラフト。家族には挨拶できたか?」
「はい。充分に。」
「そうか。それは良かった。
早くお前の家族がこっちに来られるように俺も努力するよ。」
「ペルフェットも見ない間にまた一段と綺麗になったなぁ。嫁に来ないか。」
「御冗談を。でも、ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですよ。
・・・あっ、それと嫁になることは丁重にお断りします。
私には心に決めた方がいますから。ふふふ」
「あははは。そうであったな。残念だよ。」
「シェーンもよく来てくれたな。道中疲れただろう。」
「そうなんです。ツァール兄様。
足が鉛のように重くなってしまって。どこかで休憩したいですわ。」
「そ、そうだな。とりあえず城の中に入ろう。こっちだ。」
シェーンの言葉を聞いて、ツァールは僕たちを城の中へと案内する。
気さくな人だな、と思うと同時に、
モーヴェ王国の王様とは全然違うなと思ってしまう。
ツァールに客室に案内される。
「疲れているところ済まなかったな。ここで休憩してくれ。」
部屋は、僕とディグニ。シェーンとペル。クラフト。の三つに分かれた。
「ツァール兄様。二人で少々お話がしたいのですが、宜しいですか。」
「ああ、それはもちろん。いいが、足はいいのか?」
「ええ、もう治りましたわ。」
「そ、そうか。じゃあ私の部屋で話そうか。」
シェーンはツァールのあとを着いて行った。
「先を越されてしまったか。」
「まあ、いいじゃないか。兄妹で積る話もあるのだろう。
俺は他の傭兵たちに挨拶に行くが、ディグニ。お前はどうする?」
「俺も着いて行きます。ちょっと探りたいこともありますし。」
クラフトとディグニもいってしまった。この場に僕とペルしかいない。
ペルは何かすることがあるのか部屋に入ろうとしている。
僕はペルは呼び止めた。聞くなら今しかないと思ったからだ。
「ペル、ちょっと待って。」
ペルは足を止めてこちらに向きなおる。
「どうかしましたか?ビス様。」
「あの、その、城門で言ってたその・・・」
ペルは屈んでこっちをじっと見てくる。
「・・・心に決めた相手って誰?」
意をけっして僕はペルに聞いた。
「ああ、そのことですか。それは・・・ふふ。内緒です。」
人差し指を口に当ててそう言った。
いつの間にかペルは部屋に入っていて、
廊下には僕以外だれもいなくなっていた。
「大丈夫か。もう少しで着くからもうちょっと頑張れ。」
ディグニに声をかけられる。
”だらしないわね!”なんて声が飛んでくると思ったけど、そんなことはなかった。
それが不気味で仕方ない。
ディグニは時々後ろの様子を確認してくるし、
クラフトは何だかソワソワしていた。
「シェーン様。もうちょっと抑える努力をしてください。」
ペルがとうとう触れてはいけないものに触れた。
それも、ストレートしかも剛速球で。
「え?何のこと?私何かしたかしら。」
ペルの言葉に覚えがないのかシェーンはキョトンとしている。
「はあ、シェーン様足は大丈夫ですか?」
「え、ええ。まだ歩けるわ。ねぇ、それより、さっきの言葉は何だったの?」
「さっきの言葉とは何ですか?」
ペルが分かりやすくとぼけている。意地でも答えないつもりらしい。
「ぐぬぬぬぬ!もういいわ。こうなったら絶対話してくれないんだから。」
二人にとってはよくあることなのだろうか。
シェーンはすぐに食い下がっていた。
それにさっきまでの雰囲気は和らいでいた。
城門に人影が見えた。その人は、大きく手を振って近寄ってくる。
「おおーい!」
「ツァール兄様は、もう。
王様自ら出向かいにきてどうするのよ。それにあの大声。」
シェーンは愚痴っていた。
「お久しぶりです。ツァール様。」
「おお、ディグニ。よく来てくれた。おっ。君がビス君だな。宜しくな。」
ツァールの勢いに押されてしまう。
「う、うん。宜しく。」
そのあと、ツァールはみんなに一言ずつ声をかけていた。
「おお、クラフト。家族には挨拶できたか?」
「はい。充分に。」
「そうか。それは良かった。
早くお前の家族がこっちに来られるように俺も努力するよ。」
「ペルフェットも見ない間にまた一段と綺麗になったなぁ。嫁に来ないか。」
「御冗談を。でも、ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですよ。
・・・あっ、それと嫁になることは丁重にお断りします。
私には心に決めた方がいますから。ふふふ」
「あははは。そうであったな。残念だよ。」
「シェーンもよく来てくれたな。道中疲れただろう。」
「そうなんです。ツァール兄様。
足が鉛のように重くなってしまって。どこかで休憩したいですわ。」
「そ、そうだな。とりあえず城の中に入ろう。こっちだ。」
シェーンの言葉を聞いて、ツァールは僕たちを城の中へと案内する。
気さくな人だな、と思うと同時に、
モーヴェ王国の王様とは全然違うなと思ってしまう。
ツァールに客室に案内される。
「疲れているところ済まなかったな。ここで休憩してくれ。」
部屋は、僕とディグニ。シェーンとペル。クラフト。の三つに分かれた。
「ツァール兄様。二人で少々お話がしたいのですが、宜しいですか。」
「ああ、それはもちろん。いいが、足はいいのか?」
「ええ、もう治りましたわ。」
「そ、そうか。じゃあ私の部屋で話そうか。」
シェーンはツァールのあとを着いて行った。
「先を越されてしまったか。」
「まあ、いいじゃないか。兄妹で積る話もあるのだろう。
俺は他の傭兵たちに挨拶に行くが、ディグニ。お前はどうする?」
「俺も着いて行きます。ちょっと探りたいこともありますし。」
クラフトとディグニもいってしまった。この場に僕とペルしかいない。
ペルは何かすることがあるのか部屋に入ろうとしている。
僕はペルは呼び止めた。聞くなら今しかないと思ったからだ。
「ペル、ちょっと待って。」
ペルは足を止めてこちらに向きなおる。
「どうかしましたか?ビス様。」
「あの、その、城門で言ってたその・・・」
ペルは屈んでこっちをじっと見てくる。
「・・・心に決めた相手って誰?」
意をけっして僕はペルに聞いた。
「ああ、そのことですか。それは・・・ふふ。内緒です。」
人差し指を口に当ててそう言った。
いつの間にかペルは部屋に入っていて、
廊下には僕以外だれもいなくなっていた。
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