ヒレイスト物語

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第二章 別れ

帰国

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 そんな日常を過ごし、僕たちはモーヴェ王国を出ることになった。
 クラフトを除いて。


「俺はここに残ってツァール様の元で働く。
 モルカとレイスにあったら宜しく伝えてくれ。
 こっちで元気にやっていると。」


「うん。わかったよ。寂しくなるな。」


「あらそう?私は暑苦しくなくなって清々しているわ。」


 シェーンは振り返っていった。
 そんなことを言っているシェーンの目には涙が溜まっていた。


「ん?シェーン様、何か言いましたか?」


「何でもないわよ。」


「みんな、レーグル王国の復興に尽力してくれてありがとう。
 助かった。まだ、復興するまで時間がかかると思うが、
 軌道に乗ってきたし、あとはこっちでどうにかするよ。

 国民も率先して動いてくれるようになったしね。
 みんながいなくなるのはさびしいけど、あっちの様子も気になるし、
 モーヴェ王国のことはよろしく頼むよ。ディグニ。」


「はい。ご期待に応えられるように努力します。」


 なんだか、言い方が固くなった。


「あ、ああ。シェーンもビス君もよろしくな。」


「うん。」「ええ。」


「じゃあ、そろそろ行くか。それでは、お元気で。ツァール様。クラフトさん。」


 僕はお辞儀をして、その場をあとにした。





 僕たちは城門を出た。セフォンたちが待っていた。


「セフォン‼久しぶり。一緒に帰ろう。」


「ビス、どうする?一人で乗るか?」


「いいの?だったらセフォンに乗りたい。」


「ああ、いいぞ。」


「シェーン様は?」


「わたしも一人で大丈夫よ。ね、アイブス。」


「そう、ですか。では、私はクラフトさんが乗ってきた馬に乗りますね。」


 ディグニは寂しそうな顔をしていた。




 僕たちは来た道と同じ道を通ってモーヴェ王国に向かった。
 しかし、着た時とは様子が変わっている。
 異質な生物が闊歩しているのだ。そして襲ってくる。


「相手をしている暇はない。二人ともしっかり着いてこい。」


 僕とシェーンはディグニを必死に追った。


「は、はやい。頑張って。セフォン‼」


 セフォンは鼻を鳴らし、スピードを上げる。






 プロウバの森に着いた。やっと、異質な生物たちを撒くことができた。
 ただ、おかしいことに逆にプロウバの森だけ異質な生物はいなかった。
 それに、じとっとまとわりつく感覚が僕を包み込む。不気味で仕方ない。


 シェーンは知識欲を必死に抑えている。
 シェーンも何か違和感を覚えたんだろう。
 それに気づいたのかディグニが言った。


「ここで少し休憩しましょう。
 目の見える範囲であれば自由に行動していいですよ。」


「で、でも急がないと。」


「ここを抜けたらおそらく休憩する隙がないと思います。
 ですので、ここで一休みしましょう。そうしないと体が持ちませんよ。」


「わかったわ。」


 態度には出さないがシェーンはワクワクしている。
 そしてそこら辺を探索している。


「ビスもいいぞ。時間が来たら、呼ぶから。」


「うん。」






「そろそろ行くぞ。」


 その声に僕とシェーンはディグニの元に行く。


 シェーンは両手いっぱいにいろいろなものを持っていた。
 シェーンは僕の視線に気づく。


「な、何よ。これは必要なことなの。私がやろうとしていることに。」


 シェーンは顔を赤くしていた。


「別に。何も思ってないよ。」


「何してるんだ。行くぞ。」


 僕たちはプロウバの森を進んだ。






 ディグニの言う通り、プロウバの森を出たら、休む暇がなかった。
 大勢の異質な生物がいてレーグル王国に向かっていた時よりも時間がかかった。


「何でこんなにいるのよ。」


「シェーン、そんなに大きい声だしたら気付かれるよ。」


「わかってるわよ。」


「二人とも静かに。」


 どうやら僕もうるさかったらしい。


 進んで、隠れて、進んで、その繰り返しだった。
 モーヴェ王国に着いたのは太陽が少し顔を出している時だった。
 不思議なことに回りには魔物がいなくなっていた。


「おーい。俺だ。」


 橋が降りてくる。進むと見覚えのある人が立っていた。


「戻ってきたか。ディグニ。ビス。シェーン様も。」


 ハウだ。ただ、雰囲気が少し違っていた。それに疲れているような。


「ああ、いろいろ話したいが、王様に早く報告しなくちゃいけないんだよ。」


「そうか、そうだよな。」


 ディグニが急いでいる。


「モーヴェ王国は変わりないか?」


「自分の目で確かめな。」


 なんだか含みのある言い方。嫌な予感がする。



 城門をくぐり抜けるとそこには







 ・・・・荒れ果てたモーヴェ王国の姿があった。
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