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第五章 旅立ち
目立つモノ
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エルフの里。そこは壁の異様よりもそれ以上の異様な光景が広がっていた。里の至るところに色鮮やかな花が咲き、木々が疎らに生えている。それでも、手が加えられている感じはしなかった。今まで通ってきた道は木がいくつか生えていたけれど、ここまで自然を感じるようなことはなかった。人々が住んでいるというのに、あまりにも自然でそして不自然であったそして、今俺たちは男性のエルフにどこかに連れて行かれていた
「あの、サジュさん。どこに向かっているんですか」
「ああ、すみません。言っていませんでしたね。長のところです、お連れしろと申しつけられまして。ほら見えてきましたよ」
サジュが指さした先には一際大きい木がたっていた。何かがおかしい、壁よりも高くそびえたっているように見えるのは気のせいだろうか。なぜあんなにも目立つものに気が付かなかったのか。もう夕方だというのに後光射している神々しい木を
「ははは、驚きますよね。あそこにおられる二人もそうでしたよ」
サジュは後ろを一瞥しそう言った。おそらくアシオンとメイユのことだろう。俺たちが一瞬振り返ったことを不思議に思ったのか二人の頭の上には?が浮かんでいた
「何と言うか目立って仕方ないですね」
「ん?・・・ああ、あの木は“ルミラクム”という木ですよ。本来であればあそこまで育たないんですけど、あの木は特別なんです」
サジュは眉毛を八の字にし、“ハハッ”と空気が抜けるように笑った。何か複雑な理由がありそうだ
「特別とは?」
「守っているんですよ、あの木は。その恩恵であんなに大きく育ったのです。まあ、見ていただければわかると思います」
余計謎が深まったような気がする。守っているとは何だろう?里の人々を守っているという意味だろうか
「はあ」
「はははっ。そんなに不服そうな顔をしないでくださいよ」
そんなに不服そうな顔をしていただろうか。自分的には真顔のつもりだったんだけどな
「そんな顔していましたか?」
「あっ。すみません。今の忘れて・・・くれませんよね。私わかるんですよ、人の微かに動いた表情で」
「すごいですね」
微かな表情の違いがわかるなんてすごいなと思いつつ怖さも感じてしまった。それにしても心のなかまでわかっているわけではないよな
「そんなことないですよ。ただ、臆病なだけです・・・一応言っておきますが、心のなかまでわかるわけではないですから」
「ははっ、だといいんですけど」
そうは言うが、一瞬もこちらを見ていなかったような気がするのだが。それに俺の言葉を何も思わなかったようだ。信じられようが信じられまいがあまり気にしていないみたいだ。まあ、何回もあのやり取りをしているからなのかもしれない。後ろの二人、特にアシオンはやりそうだからな
「ほら見えてきましたよ」
「あの、サジュさん。どこに向かっているんですか」
「ああ、すみません。言っていませんでしたね。長のところです、お連れしろと申しつけられまして。ほら見えてきましたよ」
サジュが指さした先には一際大きい木がたっていた。何かがおかしい、壁よりも高くそびえたっているように見えるのは気のせいだろうか。なぜあんなにも目立つものに気が付かなかったのか。もう夕方だというのに後光射している神々しい木を
「ははは、驚きますよね。あそこにおられる二人もそうでしたよ」
サジュは後ろを一瞥しそう言った。おそらくアシオンとメイユのことだろう。俺たちが一瞬振り返ったことを不思議に思ったのか二人の頭の上には?が浮かんでいた
「何と言うか目立って仕方ないですね」
「ん?・・・ああ、あの木は“ルミラクム”という木ですよ。本来であればあそこまで育たないんですけど、あの木は特別なんです」
サジュは眉毛を八の字にし、“ハハッ”と空気が抜けるように笑った。何か複雑な理由がありそうだ
「特別とは?」
「守っているんですよ、あの木は。その恩恵であんなに大きく育ったのです。まあ、見ていただければわかると思います」
余計謎が深まったような気がする。守っているとは何だろう?里の人々を守っているという意味だろうか
「はあ」
「はははっ。そんなに不服そうな顔をしないでくださいよ」
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「そんな顔していましたか?」
「あっ。すみません。今の忘れて・・・くれませんよね。私わかるんですよ、人の微かに動いた表情で」
「すごいですね」
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「ははっ、だといいんですけど」
そうは言うが、一瞬もこちらを見ていなかったような気がするのだが。それに俺の言葉を何も思わなかったようだ。信じられようが信じられまいがあまり気にしていないみたいだ。まあ、何回もあのやり取りをしているからなのかもしれない。後ろの二人、特にアシオンはやりそうだからな
「ほら見えてきましたよ」
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