アナスタシス・フルム

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第4章 得たものとモノ

気の利いた答えとは

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ご飯をちびちび食べてたのも相まってヒルさんは俺の言葉を勘違いしたのだろう。眉毛を八の字にしこちらをじっと見てくる。


「あ、いや、そういうことじゃなくて・・・」


「ロガ、失礼よ」


「おい、ややこしくするなよ」


「ごめんごめん、僕も悪ふざけが過ぎたよ」


「へ?・・・ヒルさん冗談きついよ」


「はははっ。なんだか二人が楽しそうだったから、つい」


ヒルさんでも冗談を言うことがあるのか、覚えておこう。俺は驚きながらも飲み込みんでいるとヒルさんが聞いてきた。


「それより、午後はどうするの?ダンジョン探し?」


「うーん。それもしたいんだけど、その前にしなきゃいけないことがあって」


「そうなの?てっきり私もダンジョン探しに行くと思ってたわ」


ディタもそう思っていたのか。一人で考えても行き詰まりそうだから言ってみるか。


「これなんだけど、このままじゃダメな気がするんだよ」


「フロワストーン?二つ手に入ったんだからいいんじゃないの?」


「そうなんだけど、これ触れてないと使えないだろ」


そう言うと、ディタも理解したのか“ああ”と口を開けていた。


「そう言うこと。確かにそのまま持って戦うのはリスクがあり過ぎるわね」


「ボク達が持てばいいんじゃないの?ねえエミン」


それも考えた。ただ、エミンはともかくレクスはな。何をやらかすかわからない。そんなやつに任せるのは危険すぎる。エミンも同じ意見みたいだ。


「それは危険ちゃいますか」


「じゃあさ、加工してもらうってのはどう?例えばアクセサリーとか、あとは武器につけてもらうとかさ」


「それだ‼さすがヒルさん・・・でも、どこに行けば」


「それなら僕に任せて。ちょっと待っててね、今この町でそう言うことができそうなところ探すから」


そう言うとヒルさんは席を立った。それにしてもトントン拍子で話が進んでいく。何かディタの目がキラキラ輝いているような気がするのは気のせいだろうか。


「なんだかワクワクしてきちゃった。ネックレスにしようかしら、それとも指輪。ああ迷っちゃう」


多分独り言のつもりなのだろうが、こっちにまで聞こえてくる。というか、加工できるかどうかまだ決まったわけではないのでそこまで期待しているとできなかった時の反動が怖い。それでも、ここまで楽しそうなディタを見ていると何も言えなくなる。


「ロガなら何にする?」


「え、俺!?・・・俺は何でもいいかな、邪魔にならなければ」


「つっまんないわね。聞いた私がバカだったわ」


そこまで言わなくても良くないか。まあ、気の利いた答えでないのは確かだが。



「お待たせ」
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