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第6章 勇気ある愚者
激突2
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アグニのいたところには白い煙が立ち込めている。そして、俺は地面へと落ちていく。どうなった?煙が少しずつ晴れていく。そしてアグニの姿がはっきり見えてくる。
「くっ」
アグニはそこに立っていた。ただ、アグニのお腹には俺の攻撃でそうなったであろう傷が刻まれていた。ここから消える覚悟をした瞬間、浮遊感が消えた
「カカカッ、やるではないか。やはり我の目に狂いはなかった」
驚くことにアグニに助けられたのだ。俺は今アグニの手のなかにいる。
「なんで助けた?」
「なんでだと?認めたからじゃよ。お主を、いやお主たちをな」
「ロガ、大丈夫?」
俺はディタの元へと下ろされた
「お前たちの勇気しかと見届けた。アグニの試練、攻略じゃ」
アグニの言葉に呆然としている俺とディタを他所に本がアグニの元へと向かう。そして、アグニの手によって何かが書き込まれた。
「え?俺たちお前のこと倒してないのに?なんで」
「我を倒す気でおったのか。本当に面白いやつだな。最初から言っておるじゃろ。これは愚者を試すものだと」
「愚者?」
「そう。お主たちは、火山に飛び込み勇気を示した。そして強大な敵に立ち向かうという愚者でもあった。故に我はお主たちを認めたのだ」
言おうとしていることはわかるが、それは良いことなのだろうかと思ってしまった
「わかっていないようじゃな。我が言う愚者とは、自分をあるいは仲間を信じ抜くバカモノのことよ」
「な?」
「だってそうであろう。絶対に勝てないと分かっている相手に真っ向からぶつかるなど愚者の何者でもない。それでも、自分を信じ、仲間を信じ抜きそれを全うするそんな愚者かどうか見極めておったのだ」
馬鹿にされているのか褒められているのかわからない
「安心せい。お主たちはそれをやり遂げる力も知恵も持ち合わせておる。だから認めたのだ。」
「ちょっと聞いていいか、ユゼリたちはどうなったんだ?」
認められなかった者がどうなってしまうのか気になってしまった。死んでしまったのだろうか
「死んではおらん。普通のダンジョンのようにダンジョン前に戻されるだけだ」
「よかった」
ディタの安堵の言葉。俺もディタと同じ気持ちである。あそこでお別れなんて後味が悪い。
「・・・良かったか」
「あ、あとひとつフロワストーンなしで火山に入ったらどうなるんだ?」
「跡形もなく溶けてなくなるだろうな」
怖いことを平然という。考えただけでもう火山のなかに飛び込もうとは思わない
「カカカッ。フロワストーンじゃったか?それがなければここのダンジョンには辿り着けぬからそこは大丈夫じゃよ」
「そりゃよかった」
「む、そろそろお別れのようじゃ」
その言葉を聞いて、自分の体を見ると透けてきているのがわかった。
「今度あった時は必ず倒してやるからな」
「カカカッ。楽しみにしておるよ。そうだ、一つ忠告しておく。この試練を攻略したことを話す相手は選ぶことだ、出なければ災いを呼ぶ。わかったな」
なぜなのか理由を聞く前に俺たちはダンジョンの前に戻されていた。そして異常気象も元に戻っていた
「くっ」
アグニはそこに立っていた。ただ、アグニのお腹には俺の攻撃でそうなったであろう傷が刻まれていた。ここから消える覚悟をした瞬間、浮遊感が消えた
「カカカッ、やるではないか。やはり我の目に狂いはなかった」
驚くことにアグニに助けられたのだ。俺は今アグニの手のなかにいる。
「なんで助けた?」
「なんでだと?認めたからじゃよ。お主を、いやお主たちをな」
「ロガ、大丈夫?」
俺はディタの元へと下ろされた
「お前たちの勇気しかと見届けた。アグニの試練、攻略じゃ」
アグニの言葉に呆然としている俺とディタを他所に本がアグニの元へと向かう。そして、アグニの手によって何かが書き込まれた。
「え?俺たちお前のこと倒してないのに?なんで」
「我を倒す気でおったのか。本当に面白いやつだな。最初から言っておるじゃろ。これは愚者を試すものだと」
「愚者?」
「そう。お主たちは、火山に飛び込み勇気を示した。そして強大な敵に立ち向かうという愚者でもあった。故に我はお主たちを認めたのだ」
言おうとしていることはわかるが、それは良いことなのだろうかと思ってしまった
「わかっていないようじゃな。我が言う愚者とは、自分をあるいは仲間を信じ抜くバカモノのことよ」
「な?」
「だってそうであろう。絶対に勝てないと分かっている相手に真っ向からぶつかるなど愚者の何者でもない。それでも、自分を信じ、仲間を信じ抜きそれを全うするそんな愚者かどうか見極めておったのだ」
馬鹿にされているのか褒められているのかわからない
「安心せい。お主たちはそれをやり遂げる力も知恵も持ち合わせておる。だから認めたのだ。」
「ちょっと聞いていいか、ユゼリたちはどうなったんだ?」
認められなかった者がどうなってしまうのか気になってしまった。死んでしまったのだろうか
「死んではおらん。普通のダンジョンのようにダンジョン前に戻されるだけだ」
「よかった」
ディタの安堵の言葉。俺もディタと同じ気持ちである。あそこでお別れなんて後味が悪い。
「・・・良かったか」
「あ、あとひとつフロワストーンなしで火山に入ったらどうなるんだ?」
「跡形もなく溶けてなくなるだろうな」
怖いことを平然という。考えただけでもう火山のなかに飛び込もうとは思わない
「カカカッ。フロワストーンじゃったか?それがなければここのダンジョンには辿り着けぬからそこは大丈夫じゃよ」
「そりゃよかった」
「む、そろそろお別れのようじゃ」
その言葉を聞いて、自分の体を見ると透けてきているのがわかった。
「今度あった時は必ず倒してやるからな」
「カカカッ。楽しみにしておるよ。そうだ、一つ忠告しておく。この試練を攻略したことを話す相手は選ぶことだ、出なければ災いを呼ぶ。わかったな」
なぜなのか理由を聞く前に俺たちはダンジョンの前に戻されていた。そして異常気象も元に戻っていた
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