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森の学校
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ボクはある日お父さんと山登りに出かけた。
でも、ボクはお父さんとはぐれ、迷子になっちゃった。
そして、一匹のクマに出逢ったんだ。
「っ‼」
声も出ず、ボクは立ち尽くしていた。
するとクマはこちらに近づいてきて、目の前で止まった。
ボクは食べられちゃうという怖さでいっぱいで目の前の光景から目を背けたくて目をつぶる。
ポン、ポン。
「大丈夫だよ。そんなに怖がらないで。」
ボクは助かったと思った。だって声がしたんだもん。誰かが助けに来てくれたって思うじゃないか。
でも違った。期待を胸に目を開けると、そこにはさっき目の前にいたクマが二足立ちしてボクの肩に手を置いている。
「うわっ。」
驚きのあまり尻もちをつく。
「だ、大丈夫?」
「ご、ごめんなさい。いい子にするから、ボクのこと食べないで。」
「はははっ。さては君いつもいたずらばかりしているな。」
なんでわかったんだろう。ってそんなこと考えている場合じゃなかった。
ボクは徐々に後ずさりをする。でもクマに気付かれちゃった。
「あっ‼ちょっと待って。一人で行くのは危険だよ。ボクが山の入り口まで案内するから、ね。」
いつもお父さんに言われている言葉を思い出した。”知らないヒトについていくな”。ヒトではないけれど、ボクはその言葉を信じずに後ずさりを続けた。何だかクマは慌てている様子だった。
「ああ、どうしよう。どうすれば信じてもらえるかな。・・・そうだ‼」
そして、クマは何かひらめいたのか座り込んだ。短い手足をピンと伸ばして。そうまるで動物園にいるパンダのように座り込んでいた。そしてクマはこう一言言い放った。
「ぼく、悪いクマじゃないよ‼」
ボクは驚きで口が開いたままになっていた。ただ、なにお腹から込み上げてくる。ボクはこらえようとしたけど、ダメだった。そしてボクはそのいきおいで言ってしまう。
「ぷっ。ははははははっ。わ、わかった。君を信じるよ。」
「何で笑うんだよ。はあ、でもこれで信じてもらえるならいいか。」
クマはボクの手をひっぱり起き上がらせてくれる。そしてボクの手を見ながらこう言った。
「でも、そうだよね。こんなに爪を伸ばしている毛むくじゃらが現れたら驚きもするし、怖いとも思うよね。自分と違うモノって怖いよね。」
クマはなんだか落ち込んでいるようだった。ボクは、なんていえばわからなかったからとりあえず思ったことを正直に話した。
「最初は君の言う通り怖かったよ。でも、あのほらさっきの可愛い?ポーズでどうでもよくなったんだ。」
クマは照れている。そして何か勝ち誇ったような顔をしている。そんなにボクの言葉が嬉しかったのだろう。
「ふふふっ。そうかい。そうだろう、ぼくは可愛いだろう。」
そっちか。てっきり怖さを取れて喜んでいるのかと思ったよ。
でも、クマはすぐに照れた顔を止めてポツンと一言。
「ああ、ぼくが可愛いのはわかるけど、これだけは覚えていてね。ぼくたちクマも君たちヒトと変わらないって。」
ボクは何のことだかわからなかった。ボクが悩んでいるのが分かったのかクマがもう一言付け加えた。
「ふふふっ。あとあとわかるようになるさ。」
余計わからなくなった。その言葉に不思議と怖さはなかったけれど、イラつきがあった。
ボクたちは確実に入り口に向かっている、と思う。クマが鼻歌を歌いながら進んでいるんだ。そうに違いない。正直ボクは同じところとグルグル回っているとしか思えなかった。だって同じ景色がずっと続くんだもん。
「ねえ、本当にこの道で合ってるの?」
「もう、うるさいな。そう何回も聞かないでよ。襲っちゃうぞ。」
クマはこちらに振り返り前足をピンと伸ばし口を大きく開けてくる。多分冗談で言っていると思うんだけど、クマがいうと冗談に聞こえなくてぶるぶる震えてしまう。
「や、やめてよ。冗談でも怖い。」
「ごめん、ごめん。ちょっとね。・・・お腹空かない?」
「えっ。」
ボクはクマの言葉が冗談ではなかったのではと思って後ずさりした。
でも、ボクの体は正直だった。怖さよりも空腹が勝ったのだ。
グゥゥゥゥ‼
「あはははっ。お腹で返事かい。だったらこれでも食べる?」
また後ずさる。だってクマが食べてるものだとしたら・・・ねえ。
でも、出てきたのはドングリだった。開いた口が塞がらない。
クマってそんなものを食べるの!?
「クマって肉とか魚とか食べるんじゃないの?」
「そんな贅沢なもの食べられないよ。ほとんどのクマは木からできる実を食べているんだ。まあ、シャケを食べる贅沢なクマもいるけどね。それも皮や卵だけ食べるなんてやつもいるらしいよ。贅沢だよねぇ。」
「そうなんだ。知らなかったよ。」
クマはよだれを垂らしながら待ちきれないと言わんばかりにこっちをじっと見てくる。
「それよりほら食べないの?食べないならぼくが全部食べちゃうよ。」
「う、うん。ボクはいいや。」
首を傾げ不思議そうにこっちを見つめてくる。
「そう?美味しいのに。まあ、食の好みは人それぞれだからね。」
クマはそういうともう何をいってもあげないよと言わんばかりにドングリを頬張っていた。
そして、口をモグモグ動かしている。
「うーん。それじゃあ、さっき肉って言っていたからあれなんかどうかな。まあ肉っていっていいのかわからないけど・・・」
ボクの言った意味を勘違いしているみたい。クマはボクでも持ち上げられそうな岩の元に歩いていく。何だか嫌な予感がする。さすがのボクでも考えるだけで鳥肌が立つ。ボクは慌てて断わった。
「だ、大丈夫。ボクこれぐらいなら我慢できるから‼」
そういうとクマは岩から手をはなした。間一髪だった。何だか汗をかいちゃったよ。
「そう、これも美味しんだけどな。・・・イライラしておそってこないでね。」
「そんなことしないよ‼」
「本当かな?まあいいや、早く入り口まで行こう。襲われたら適わないからね。」
まだ、言っているよ。もう何をいっても聞かないだろう。クマはすでにボクに背を向けて進み始めていた。
「でもがまんできなかったら、拾って食べたらいいよ。ここはまだいっぱいあるからね。」
下を向くと辺り一面ドングリで埋め尽くされていた。まあ、食べないけどね。
やっと進んでいることがわかるくらいに開けてきた。周りの様子もわかってくる。
ずっとスタスタ歩いていたクマが急に立ち止まり、座り込んだ。
「ちょっと休もうか。さすがのぼくも疲れちゃった。」
ボクは一刻もはやく入り口まで向かいたかったけど、一人だとまた迷っちゃいそうだし、仕方なくクマのとなりに座る。沈黙が流れたけど、その雰囲気に耐え切れなかったのかクマが話始めた。
「ねえ、あそこ見て。」
なんだろうと思いクマが指を指した方向に視線を送る。
そこには、山があった。半分はげている山が。それに何か動く影が見えた。
「ぼくね、あそこから引っ越してきたんだ。」
ボクは何とも言えない気持ちになった。でも、クマから出てきた言葉はけなすような言葉ではなかった。それでボクは調子に乗ってしまったのかもしれない。
「ヒトってすごいよね。ああいう風に切り開いて、ヒトが住みやすい環境を整えていくんだ。あの機械もヒトが造ったモノでしょ。ぼくたちにはできないよ。」
ボクは自分自身を褒められているわけではないのはわかっていても誇らしく思ってしまった。
「へへへっ。すごいでしょ。」
クマはボクの言葉を気にせず続ける。遠くをずっと見つめて。
「それに、ああやって切った木をいろんなものに利用するんだって。ほとんどは君たちが住む家とかに使われているみたい。あと君のリュックに入っている本や君のポケット入っているティッシュにも使われているらしいよ。ホントにすごいよ、ヒトは。」
ボクはクマがそんなことを知っていることに驚くよりもボクの持っているモノが分かったかの方に驚いた。
「なんで、ボクが持っているモノわかったの?」
「ああ、そこかい?ふっふっふっ。ぼくは君たちより鼻が良いからね!」
前足を腰に当てて背をピンと伸ばし、誇らしそうにクマはそう言った。
そのあとしばらく目の前の山を二人で静かに見つめていた。
「さて、そろそろ行こうか。日も暮れちゃうしね。」
そういわれて上を向くと空が色づき始めていた。クマは腰をあげた。
「うん、お願いするよ。」
そしてボクたちはスタスタと道なき道を進んでいく。
ボクの見覚えのない、知らない道を。
「ほら着いたよ。」
その声にボクは顔をあげる。すると、見覚えのあるところだった。それに見知った人が立っている。ボクは駆け出していた。
「お父さ~ん‼」
お父さんはこっちに気付き両手を広げてボクを迎え入れてくれた。
「よかった、無事で。心配してたんだぞ。」
「ごめんなさい。」
ボクは安心感でお礼を言うのを忘れていたことに気づく。すぐに振り返った。
そこにはまだ後ろ足で立っているクマがいた。
何かこちらに言っているけど遠くて聴こえない。でも、なぜかボクは何を言いたいのかわかった。クマはこう言っていた。
”良かったね。・・・それと君はどう思った?”って。
今のボクには何のことだかさっぱりわからなかった。でも、クマの言ったことを思い出す。”あとあとわかるようになるさ”って言葉を。なんとなくその言葉信じてみようと思った。
少しずつわかっていけばいいんだ。そして、ボクの思いがまとまったらまたここにこよう。あのクマに伝えるために。
クマは四足歩行で山に帰っていった。
でも、ボクはお父さんとはぐれ、迷子になっちゃった。
そして、一匹のクマに出逢ったんだ。
「っ‼」
声も出ず、ボクは立ち尽くしていた。
するとクマはこちらに近づいてきて、目の前で止まった。
ボクは食べられちゃうという怖さでいっぱいで目の前の光景から目を背けたくて目をつぶる。
ポン、ポン。
「大丈夫だよ。そんなに怖がらないで。」
ボクは助かったと思った。だって声がしたんだもん。誰かが助けに来てくれたって思うじゃないか。
でも違った。期待を胸に目を開けると、そこにはさっき目の前にいたクマが二足立ちしてボクの肩に手を置いている。
「うわっ。」
驚きのあまり尻もちをつく。
「だ、大丈夫?」
「ご、ごめんなさい。いい子にするから、ボクのこと食べないで。」
「はははっ。さては君いつもいたずらばかりしているな。」
なんでわかったんだろう。ってそんなこと考えている場合じゃなかった。
ボクは徐々に後ずさりをする。でもクマに気付かれちゃった。
「あっ‼ちょっと待って。一人で行くのは危険だよ。ボクが山の入り口まで案内するから、ね。」
いつもお父さんに言われている言葉を思い出した。”知らないヒトについていくな”。ヒトではないけれど、ボクはその言葉を信じずに後ずさりを続けた。何だかクマは慌てている様子だった。
「ああ、どうしよう。どうすれば信じてもらえるかな。・・・そうだ‼」
そして、クマは何かひらめいたのか座り込んだ。短い手足をピンと伸ばして。そうまるで動物園にいるパンダのように座り込んでいた。そしてクマはこう一言言い放った。
「ぼく、悪いクマじゃないよ‼」
ボクは驚きで口が開いたままになっていた。ただ、なにお腹から込み上げてくる。ボクはこらえようとしたけど、ダメだった。そしてボクはそのいきおいで言ってしまう。
「ぷっ。ははははははっ。わ、わかった。君を信じるよ。」
「何で笑うんだよ。はあ、でもこれで信じてもらえるならいいか。」
クマはボクの手をひっぱり起き上がらせてくれる。そしてボクの手を見ながらこう言った。
「でも、そうだよね。こんなに爪を伸ばしている毛むくじゃらが現れたら驚きもするし、怖いとも思うよね。自分と違うモノって怖いよね。」
クマはなんだか落ち込んでいるようだった。ボクは、なんていえばわからなかったからとりあえず思ったことを正直に話した。
「最初は君の言う通り怖かったよ。でも、あのほらさっきの可愛い?ポーズでどうでもよくなったんだ。」
クマは照れている。そして何か勝ち誇ったような顔をしている。そんなにボクの言葉が嬉しかったのだろう。
「ふふふっ。そうかい。そうだろう、ぼくは可愛いだろう。」
そっちか。てっきり怖さを取れて喜んでいるのかと思ったよ。
でも、クマはすぐに照れた顔を止めてポツンと一言。
「ああ、ぼくが可愛いのはわかるけど、これだけは覚えていてね。ぼくたちクマも君たちヒトと変わらないって。」
ボクは何のことだかわからなかった。ボクが悩んでいるのが分かったのかクマがもう一言付け加えた。
「ふふふっ。あとあとわかるようになるさ。」
余計わからなくなった。その言葉に不思議と怖さはなかったけれど、イラつきがあった。
ボクたちは確実に入り口に向かっている、と思う。クマが鼻歌を歌いながら進んでいるんだ。そうに違いない。正直ボクは同じところとグルグル回っているとしか思えなかった。だって同じ景色がずっと続くんだもん。
「ねえ、本当にこの道で合ってるの?」
「もう、うるさいな。そう何回も聞かないでよ。襲っちゃうぞ。」
クマはこちらに振り返り前足をピンと伸ばし口を大きく開けてくる。多分冗談で言っていると思うんだけど、クマがいうと冗談に聞こえなくてぶるぶる震えてしまう。
「や、やめてよ。冗談でも怖い。」
「ごめん、ごめん。ちょっとね。・・・お腹空かない?」
「えっ。」
ボクはクマの言葉が冗談ではなかったのではと思って後ずさりした。
でも、ボクの体は正直だった。怖さよりも空腹が勝ったのだ。
グゥゥゥゥ‼
「あはははっ。お腹で返事かい。だったらこれでも食べる?」
また後ずさる。だってクマが食べてるものだとしたら・・・ねえ。
でも、出てきたのはドングリだった。開いた口が塞がらない。
クマってそんなものを食べるの!?
「クマって肉とか魚とか食べるんじゃないの?」
「そんな贅沢なもの食べられないよ。ほとんどのクマは木からできる実を食べているんだ。まあ、シャケを食べる贅沢なクマもいるけどね。それも皮や卵だけ食べるなんてやつもいるらしいよ。贅沢だよねぇ。」
「そうなんだ。知らなかったよ。」
クマはよだれを垂らしながら待ちきれないと言わんばかりにこっちをじっと見てくる。
「それよりほら食べないの?食べないならぼくが全部食べちゃうよ。」
「う、うん。ボクはいいや。」
首を傾げ不思議そうにこっちを見つめてくる。
「そう?美味しいのに。まあ、食の好みは人それぞれだからね。」
クマはそういうともう何をいってもあげないよと言わんばかりにドングリを頬張っていた。
そして、口をモグモグ動かしている。
「うーん。それじゃあ、さっき肉って言っていたからあれなんかどうかな。まあ肉っていっていいのかわからないけど・・・」
ボクの言った意味を勘違いしているみたい。クマはボクでも持ち上げられそうな岩の元に歩いていく。何だか嫌な予感がする。さすがのボクでも考えるだけで鳥肌が立つ。ボクは慌てて断わった。
「だ、大丈夫。ボクこれぐらいなら我慢できるから‼」
そういうとクマは岩から手をはなした。間一髪だった。何だか汗をかいちゃったよ。
「そう、これも美味しんだけどな。・・・イライラしておそってこないでね。」
「そんなことしないよ‼」
「本当かな?まあいいや、早く入り口まで行こう。襲われたら適わないからね。」
まだ、言っているよ。もう何をいっても聞かないだろう。クマはすでにボクに背を向けて進み始めていた。
「でもがまんできなかったら、拾って食べたらいいよ。ここはまだいっぱいあるからね。」
下を向くと辺り一面ドングリで埋め尽くされていた。まあ、食べないけどね。
やっと進んでいることがわかるくらいに開けてきた。周りの様子もわかってくる。
ずっとスタスタ歩いていたクマが急に立ち止まり、座り込んだ。
「ちょっと休もうか。さすがのぼくも疲れちゃった。」
ボクは一刻もはやく入り口まで向かいたかったけど、一人だとまた迷っちゃいそうだし、仕方なくクマのとなりに座る。沈黙が流れたけど、その雰囲気に耐え切れなかったのかクマが話始めた。
「ねえ、あそこ見て。」
なんだろうと思いクマが指を指した方向に視線を送る。
そこには、山があった。半分はげている山が。それに何か動く影が見えた。
「ぼくね、あそこから引っ越してきたんだ。」
ボクは何とも言えない気持ちになった。でも、クマから出てきた言葉はけなすような言葉ではなかった。それでボクは調子に乗ってしまったのかもしれない。
「ヒトってすごいよね。ああいう風に切り開いて、ヒトが住みやすい環境を整えていくんだ。あの機械もヒトが造ったモノでしょ。ぼくたちにはできないよ。」
ボクは自分自身を褒められているわけではないのはわかっていても誇らしく思ってしまった。
「へへへっ。すごいでしょ。」
クマはボクの言葉を気にせず続ける。遠くをずっと見つめて。
「それに、ああやって切った木をいろんなものに利用するんだって。ほとんどは君たちが住む家とかに使われているみたい。あと君のリュックに入っている本や君のポケット入っているティッシュにも使われているらしいよ。ホントにすごいよ、ヒトは。」
ボクはクマがそんなことを知っていることに驚くよりもボクの持っているモノが分かったかの方に驚いた。
「なんで、ボクが持っているモノわかったの?」
「ああ、そこかい?ふっふっふっ。ぼくは君たちより鼻が良いからね!」
前足を腰に当てて背をピンと伸ばし、誇らしそうにクマはそう言った。
そのあとしばらく目の前の山を二人で静かに見つめていた。
「さて、そろそろ行こうか。日も暮れちゃうしね。」
そういわれて上を向くと空が色づき始めていた。クマは腰をあげた。
「うん、お願いするよ。」
そしてボクたちはスタスタと道なき道を進んでいく。
ボクの見覚えのない、知らない道を。
「ほら着いたよ。」
その声にボクは顔をあげる。すると、見覚えのあるところだった。それに見知った人が立っている。ボクは駆け出していた。
「お父さ~ん‼」
お父さんはこっちに気付き両手を広げてボクを迎え入れてくれた。
「よかった、無事で。心配してたんだぞ。」
「ごめんなさい。」
ボクは安心感でお礼を言うのを忘れていたことに気づく。すぐに振り返った。
そこにはまだ後ろ足で立っているクマがいた。
何かこちらに言っているけど遠くて聴こえない。でも、なぜかボクは何を言いたいのかわかった。クマはこう言っていた。
”良かったね。・・・それと君はどう思った?”って。
今のボクには何のことだかさっぱりわからなかった。でも、クマの言ったことを思い出す。”あとあとわかるようになるさ”って言葉を。なんとなくその言葉信じてみようと思った。
少しずつわかっていけばいいんだ。そして、ボクの思いがまとまったらまたここにこよう。あのクマに伝えるために。
クマは四足歩行で山に帰っていった。
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