私モブ(幽霊)だよねっ!

弥生 桜香

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幽霊少女サイド

イベント不発? 5

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 理科室にたどり着いた私たちはそれぞれの担当に分かる。

「北斗、被害者の症状を確認して。」
「ああ。」
「……。」

 私はざっと周りを見渡し、そして、原因である薬草の前に手をかざす。

「……。」

 本能が私をせっつく。

 手をかざせと。

 意識を集中。

 薬草から漏れている黒い靄。

 それを消す。

 掌が熱くなる。

 そして、一瞬カッと光る。

「――っ!」

 あまりの眩しさに目を瞑る。
 掌の熱がなくなり、私はそっと目を開ければ、薬草が消えていた。

「えっ?」

 不思議に思うが、まだ終わっていない。

「スピカ。」
「北斗、そっちはどう?」
「全員意識がねぇ。」
「呼吸は?」
「ある。」
「顔色は?」
「さっきまで青かったが、今は普通だ。」
「分かった、そっちに行く。」

 私は消えた薬草を取り敢えず意識から離し、北斗と患者の方に意識を持っていく。
 そして、北斗が寝かしたと思われる数人の男女の姿を見て、最悪な状況ではない事を判断した。

「どうだ?」
「大丈夫…だと思う。」
「……。」
「でも、保健室の先生とか誰か呼んでこないとまずいよね。」
「なあ。」
「ん?」
「お前さ、何の能力だ?」
「……私はただのモブの幽霊だよ。」
「…答えろ。」
「……。」

 真剣な顔をする北斗に私は苦笑する。

「分からないよ。」
「嘘だろう。」
「……。」

 信じてくれない北斗に私の胸が痛む。

「……本当だよ、私だって、何でこんな事が分かるのか分からないんだもん。」
「……。」
「あの日、北斗と出会って、今まで私は自分が能力を有しているなんて思った事なかった。」

 そう、私は能力と関係ない人種だと思った。

 今までそんな事はなかったから。

 あれ…今まで?

 今までって私記憶喪失だよね?

 思い出せないもの…。

 でも…、何だろう、私は確かに能力とかそんなモノとは疎遠だった。

 ……何か…気持ち悪い。

 頭もいたい気がする…。

「おい、スピカ?」

 なんか…北斗の声も遠い気がする…。

 いつの間にか私の目の前は真っ黒になっていた。

 その時、北斗の焦るような声が聞こえた気がしたけど、多分気の所為だろう。

 だって、最後に見た時は冷たい目をしていたのだから。

 そんな彼が私を心配する訳なんか…

 ないのだから…

 そうでしょ?北斗…。
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