今世ではのんびりしたいのですが…無理ですか…

第二章

《属性判断 ６》

『ノームの翁が強行突破するとはな。』
『そうですね、まあ、彼らの気持ちも分からなくはないですが。』
「えっと。」

　いまだに残っている二人を見てセイラは遠い目をする。

「……セイラ、大丈夫か？」
「多分？」
「……セイラ様…。」
「早くお家に帰りましょう？」
『そうだな、早めに話を終えて帰らせぬとな。』
『そうですね。』

　まさかのレラの言葉に二人の精霊王は頷く。

『セイラ、我らはそなたの力になる為にこうして顕現している、しかし、そなたが望まぬのなら我らはこの身を隠す事を誓おう。』
「い、いいのですか？」
『ええ、貴女は戸惑っておりますから、ですが、もし、力が必要ならばいつでも、およびください。』
「えっと、二人の名前は？」
『闇のと呼ばれているな。』
『ええ、わたくしも、光のと呼ばれております。』
「……。」

　二人の言葉を聞き、セイラは彼らに愛称でもつけたいと思った。
　しかし、すぐには思いつかず、上目遣いで彼らを見る。

「あの、もし、いやじゃなければ、次に会った時、私が考えた名前で呼んでもいいですか？」

　セイラの言葉が意外だったのか、二人は軽く目を見張っている。

『てっきり、次などとはないものだと思っていた。』
『ですね。』
「それは…。」
『ふむ、ならば、次を楽しみにしている。』
『よろしければ、ノームたちにも何か名前を考えていてくださいね、彼らのあの名は個人ではなく王としての通称となりますので。』
「分かりました。」

　セイラがうなずくと彼らは互いに顔を見合わせ、微笑んだ。

『楽しみにしている、我らが主よ。』
『今度は落ち着いてお話ができるといいですね。』

　そう言うと、彼らは現れた時と同じようにすぐに姿を消した。
　こうして、セイラ、カルム、ミラ、レラの属性を知ることはできたのだが、その代償はあまりにも大きく。
　セイラはその小さな体に見合わない何かを背負うことになった。