49 / 69
第49話 神の調味料
しおりを挟む
「それまで、女を口説くことしか頭にない、頭からっぽ顔だけ男だったっていうのに、人間の言葉を話せるようになってたんだけど……」
エディットの歯に衣着せぬ言葉はそう続いた。
どうやらその顔だけ男とやらは、エディットのお弁当に入っていた唐揚げを奪って食べたようだ。でもそれ、好きでもない男にやられたら殴りたくなるような悪行だ。わたしだったら悲鳴を上げて逃げると思う。
話を聞いたエリクも表情を強張らせているし。
でも。
なるほど、エディットの困惑は納得できた。つまり、その男がまともになったのは唐揚げのせいか、疑っているわけだ。
唐揚げというか、醤油にそんな効能があるなら、大々的に売り出すべきかな……。
なんてことを考えていたら、エディットはまだ不安の種があると言い出した。その男の婚約者と、その友人たちだ。彼女たちは嫌味を言うためにエディットに近寄ることが多いのだという。
これもまた、テンプレ行動というか何と言うか。
「唐揚げを食べさせておけばいいんじゃないですかあ? もしかしたら嫌味言うのも忘れて唐揚げの美味しさを語り出すかもしれませんよう」
と、マルガリータは無責任にそんなことを言う。
「どうやって食べさせるのよ」
それに応えるエディットは、どうやら半分本気だ。明日もわたしにお弁当を作って欲しいと言い出したから、まあ、一応了承したけれど。
しかし本当に、どうやって食べさせるつもりなんだろうね?
そんなことを考えこんでいると、廊下の真ん中で立ち話中のわたしたちに召使の女性が「お風呂の準備ができております」と声をかけてきて我に返る。
そして、それぞれ自分の部屋に戻ることになった。
夢など見ない夜が終わり、新しい朝がくる。残念ながら、朝日を見ながらのラジオ体操は省略した。このお屋敷の人に見られたら恥ずかしくて死ねるかもしれないからね。
エディットが学園に行き、またわたしたちは街の中をエリクと一緒に歩き回る。今日は昨日よりもずっとスローペースで移動した。
トルデル商会の傘下の店というのは本当に多くて見どころも多く、職種も様々だ。食品、服飾、武器、その他。
そして、今日は買い物を中心にした。
やっぱりアレよ、調味料。唐揚げの新しい味付けを試してみなくてはならない。できれば辛い奴がいい。夏場にビールと一緒に食べる感じのやつ。
そうやって色々な調味料の瓶をエディットのお屋敷に持ち帰り、料理人さんたちにそれぞれのお勧めの使い方を教えてもらっていた時のこと。
「やったわ! 食べさせてやったのよ、無理やり!」
と、頬を紅潮させたエディットが台所の扉を開けて、わたしたちはそれぞれ「おお」としか言えなかったのだった。
「あ、これも美味しい」
わたしは料理人の男性と一緒に唐揚げを揚げていて、カリカリ揚げたてジューシーな奴を皿に積んでいく。それを皆で分け合って食べる、という光景が目の前にある。
「これはこのスパイスを使っています」
料理人さんの説明を間に挟みつつ、わたしたちは椅子に座って唐揚げを食べる。まだ夕方の時間だけど、こんなに食べていても大丈夫だろうかと思ってしまうけれど、唐揚げは別腹である。やっぱり揚げたては最高。
「で、どうやって食べさせたの? っていうか、食べさせたのはその……わたしと同じ名前のご令嬢なのよね?」
わたしが果実水を飲みながらそう言うと、わたしの目の前の椅子に腰を下ろしているエディットが頷く。
「そう。名前が同じでも、美少女なのが共通であったとしても、性格は全然違うんだよ」
「照れるなあ」
美少女と言われたところ、確実に拾っていくわたし。反応もします。
「何かね、昨日のお昼、わたしとあの女たらしが会話しているところを誰かに見られていたみたいなのよね。会話っていうか、唐揚げを食べられたところを」
エディットは唇を尖らせて言った。「どんだけ皆、わたしに興味あるの? 見張られているようで凄く厭なんだけど」
「エディットが可愛いからじゃないの?」
「えー、わたしが? それはないわね。むしろ、女たらしが目立つからかな。全ての元凶はあいつだ」
うー、と小さく唸った彼女は、わたしと同じように果実水を飲んでお口の中をさっぱりさせた。そして次の唐揚げにかぶり付く。
「まあ、その目撃者が告げ口したみたいでね、わたしは今日もお昼休みに呼び止められたわけよね。何なのもう、皆、お昼休みくらいは休憩させてって感じよ」
不満たらたらの彼女と、「まあまあ。それで?」と話の先を促すわたし。
料理人の皆さんは気を遣ってわたしたちから離れ、夕食の準備を始めた。唐揚げをつまみながら。
「シルフィア・シャープ伯爵令嬢様はこう言ったのよ。『やっぱりあなたは油断ならない人ね』って」
胸を張り、いかにも上から目線、といった表情を作ったエディットは続ける。「『身分の高い男性に取り入るためには、何でもするのかしら? 邪魔な相手を蹴落とすためには手段を選ばないってことかしら。口が上手いっていうのはあなたのことね』」
そして彼女は、その伯爵令嬢の言葉の後に、二人のご友人というか取り巻きというか、金魚のフンというかそういうタイプの人が続けて慇懃無礼な言葉を次々と投げつけてきたと言った。
いかにも典型的な虐めの図である。
「かなり険悪な様子だけど、そこからどうやって唐揚げを食べさせることになったの?」
わたしが続けて訊くと、エディットはふふん、と笑って見せる。
「わたし、根本的なところが商売人だから得意なのよね。相手を煙に巻くの」
「ほほう?」
「相手を煽てて、自分を卑下して、話をそらしていつの間にか醤油を売り込んでたわ」
「さすが商売人」
「貴族の間に醤油が流行れば、飛ぶように売れるようになるでしょ? わたし、新しい調味料を売り出すために色々な人に食べてもらっているって彼女に言ったわ。健康にいい調味料だし、お肌にも(多分)いいし、本当は男性より女性に食べてもらいたかったけど、昨日は近くに試食してくれる人がいなくて……って落ち込んだふりをしてみせてね」
「さすが演技派」
「昨日の場合は、通りすがりの女たらし……いえ、子爵令息様に試してもらって反応を見たんですうって言って、そこで彼女たちに改めてお願いしたの。何とか食べて味の感想をお聞かせ願えないでしょうか、って。わたしの一世一代の演技、可憐な表情で目をぱちぱちさせながら言って見せたわよ! 終わった後に凄く自己嫌悪で落ち込んだけど!」
「よくそれで食べてもらえたねえ」
わたしは素直に驚いて、彼女の顔を見つめ直した。相手は性格悪そうな雰囲気なのに。
「まあ、ほとんど無理やりだったよ」
そこで、エディットも気まずそうに笑って肩を竦める。「わたしの営業話術を駆使して、逃げ道を塞いで、相手を煽ててお弁当箱を押し付けたんだ。ちょうどお昼時間で、誰もまだ食事を取っていなかったからね。向こうも香ばしい香りに負けたんでしょ」
「そ、そっか……」
「でもね、やっぱり変化があったのよ。それぞれ唐揚げを食べてくれたんだけど、彼女たち、その後から少しだけわたしに優しくなって、それまでとは違って色々話を聞いてくれるようになったんだ」
――おお。
わたしが思わず感嘆の息を吐くと、エディットはその表情を引き締めて続けた。
「ねえ、あなたたちは一体何者なの? あの醤油って何? お母様もそうだけど、こんなに性格が……というか、話を聞いてくれるようになるなんてびっくりなのよ」
「え?」
わたしは何て応えるべきか悩んだ。
でも、わたしが口を開く前にマルガリータが胸を張って椅子から立ち上がり、こう言った。
「だってあれは神の調味料ですから!」
「え?」
エディットだけじゃなく、わたしもヴェロニカも困惑した声を上げた。
「白竜神様が認めた、神の調味料! 神聖な魔力の宿る調味料です!」
「ええ?」
「ちょっと」
放っておいたら何かヤバいことまで発言しそうなマルガリータを大人しくさせるために、わたしは慌てて口を挟んだ。
ええと。
何ていうべきだろうか。
神の調味料、か。
「……ええと、神殿にお供えした調味料というか」
わたしの視線が上空を彷徨う。それは嘘をつく時の癖に似ている、と自分で自覚しながらも思いついたことをそのまま口にした。
「お供えじゃなくて……その、魔力を分けてもらったって感じ? 実はこの街に来る前に、竜の神殿に寄ってきたんだよね。で、醤油の入った瓶を神殿の前に置いておいて、魔力が宿った奴を持ってきたというか」
何だか胡散臭いことを言っている。わたしがエディットだったら絶対に信用しないだろう。
だが。
「そうなんだ! やっぱり、白竜神様が復活したっていう噂は本当だったんだね!」
エディットが目をキラキラさせて言うものだから、わたしは少し不安になってしまった。
大丈夫か、商売人。
騙されやすいんじゃないのか、商売人。
エディットの歯に衣着せぬ言葉はそう続いた。
どうやらその顔だけ男とやらは、エディットのお弁当に入っていた唐揚げを奪って食べたようだ。でもそれ、好きでもない男にやられたら殴りたくなるような悪行だ。わたしだったら悲鳴を上げて逃げると思う。
話を聞いたエリクも表情を強張らせているし。
でも。
なるほど、エディットの困惑は納得できた。つまり、その男がまともになったのは唐揚げのせいか、疑っているわけだ。
唐揚げというか、醤油にそんな効能があるなら、大々的に売り出すべきかな……。
なんてことを考えていたら、エディットはまだ不安の種があると言い出した。その男の婚約者と、その友人たちだ。彼女たちは嫌味を言うためにエディットに近寄ることが多いのだという。
これもまた、テンプレ行動というか何と言うか。
「唐揚げを食べさせておけばいいんじゃないですかあ? もしかしたら嫌味言うのも忘れて唐揚げの美味しさを語り出すかもしれませんよう」
と、マルガリータは無責任にそんなことを言う。
「どうやって食べさせるのよ」
それに応えるエディットは、どうやら半分本気だ。明日もわたしにお弁当を作って欲しいと言い出したから、まあ、一応了承したけれど。
しかし本当に、どうやって食べさせるつもりなんだろうね?
そんなことを考えこんでいると、廊下の真ん中で立ち話中のわたしたちに召使の女性が「お風呂の準備ができております」と声をかけてきて我に返る。
そして、それぞれ自分の部屋に戻ることになった。
夢など見ない夜が終わり、新しい朝がくる。残念ながら、朝日を見ながらのラジオ体操は省略した。このお屋敷の人に見られたら恥ずかしくて死ねるかもしれないからね。
エディットが学園に行き、またわたしたちは街の中をエリクと一緒に歩き回る。今日は昨日よりもずっとスローペースで移動した。
トルデル商会の傘下の店というのは本当に多くて見どころも多く、職種も様々だ。食品、服飾、武器、その他。
そして、今日は買い物を中心にした。
やっぱりアレよ、調味料。唐揚げの新しい味付けを試してみなくてはならない。できれば辛い奴がいい。夏場にビールと一緒に食べる感じのやつ。
そうやって色々な調味料の瓶をエディットのお屋敷に持ち帰り、料理人さんたちにそれぞれのお勧めの使い方を教えてもらっていた時のこと。
「やったわ! 食べさせてやったのよ、無理やり!」
と、頬を紅潮させたエディットが台所の扉を開けて、わたしたちはそれぞれ「おお」としか言えなかったのだった。
「あ、これも美味しい」
わたしは料理人の男性と一緒に唐揚げを揚げていて、カリカリ揚げたてジューシーな奴を皿に積んでいく。それを皆で分け合って食べる、という光景が目の前にある。
「これはこのスパイスを使っています」
料理人さんの説明を間に挟みつつ、わたしたちは椅子に座って唐揚げを食べる。まだ夕方の時間だけど、こんなに食べていても大丈夫だろうかと思ってしまうけれど、唐揚げは別腹である。やっぱり揚げたては最高。
「で、どうやって食べさせたの? っていうか、食べさせたのはその……わたしと同じ名前のご令嬢なのよね?」
わたしが果実水を飲みながらそう言うと、わたしの目の前の椅子に腰を下ろしているエディットが頷く。
「そう。名前が同じでも、美少女なのが共通であったとしても、性格は全然違うんだよ」
「照れるなあ」
美少女と言われたところ、確実に拾っていくわたし。反応もします。
「何かね、昨日のお昼、わたしとあの女たらしが会話しているところを誰かに見られていたみたいなのよね。会話っていうか、唐揚げを食べられたところを」
エディットは唇を尖らせて言った。「どんだけ皆、わたしに興味あるの? 見張られているようで凄く厭なんだけど」
「エディットが可愛いからじゃないの?」
「えー、わたしが? それはないわね。むしろ、女たらしが目立つからかな。全ての元凶はあいつだ」
うー、と小さく唸った彼女は、わたしと同じように果実水を飲んでお口の中をさっぱりさせた。そして次の唐揚げにかぶり付く。
「まあ、その目撃者が告げ口したみたいでね、わたしは今日もお昼休みに呼び止められたわけよね。何なのもう、皆、お昼休みくらいは休憩させてって感じよ」
不満たらたらの彼女と、「まあまあ。それで?」と話の先を促すわたし。
料理人の皆さんは気を遣ってわたしたちから離れ、夕食の準備を始めた。唐揚げをつまみながら。
「シルフィア・シャープ伯爵令嬢様はこう言ったのよ。『やっぱりあなたは油断ならない人ね』って」
胸を張り、いかにも上から目線、といった表情を作ったエディットは続ける。「『身分の高い男性に取り入るためには、何でもするのかしら? 邪魔な相手を蹴落とすためには手段を選ばないってことかしら。口が上手いっていうのはあなたのことね』」
そして彼女は、その伯爵令嬢の言葉の後に、二人のご友人というか取り巻きというか、金魚のフンというかそういうタイプの人が続けて慇懃無礼な言葉を次々と投げつけてきたと言った。
いかにも典型的な虐めの図である。
「かなり険悪な様子だけど、そこからどうやって唐揚げを食べさせることになったの?」
わたしが続けて訊くと、エディットはふふん、と笑って見せる。
「わたし、根本的なところが商売人だから得意なのよね。相手を煙に巻くの」
「ほほう?」
「相手を煽てて、自分を卑下して、話をそらしていつの間にか醤油を売り込んでたわ」
「さすが商売人」
「貴族の間に醤油が流行れば、飛ぶように売れるようになるでしょ? わたし、新しい調味料を売り出すために色々な人に食べてもらっているって彼女に言ったわ。健康にいい調味料だし、お肌にも(多分)いいし、本当は男性より女性に食べてもらいたかったけど、昨日は近くに試食してくれる人がいなくて……って落ち込んだふりをしてみせてね」
「さすが演技派」
「昨日の場合は、通りすがりの女たらし……いえ、子爵令息様に試してもらって反応を見たんですうって言って、そこで彼女たちに改めてお願いしたの。何とか食べて味の感想をお聞かせ願えないでしょうか、って。わたしの一世一代の演技、可憐な表情で目をぱちぱちさせながら言って見せたわよ! 終わった後に凄く自己嫌悪で落ち込んだけど!」
「よくそれで食べてもらえたねえ」
わたしは素直に驚いて、彼女の顔を見つめ直した。相手は性格悪そうな雰囲気なのに。
「まあ、ほとんど無理やりだったよ」
そこで、エディットも気まずそうに笑って肩を竦める。「わたしの営業話術を駆使して、逃げ道を塞いで、相手を煽ててお弁当箱を押し付けたんだ。ちょうどお昼時間で、誰もまだ食事を取っていなかったからね。向こうも香ばしい香りに負けたんでしょ」
「そ、そっか……」
「でもね、やっぱり変化があったのよ。それぞれ唐揚げを食べてくれたんだけど、彼女たち、その後から少しだけわたしに優しくなって、それまでとは違って色々話を聞いてくれるようになったんだ」
――おお。
わたしが思わず感嘆の息を吐くと、エディットはその表情を引き締めて続けた。
「ねえ、あなたたちは一体何者なの? あの醤油って何? お母様もそうだけど、こんなに性格が……というか、話を聞いてくれるようになるなんてびっくりなのよ」
「え?」
わたしは何て応えるべきか悩んだ。
でも、わたしが口を開く前にマルガリータが胸を張って椅子から立ち上がり、こう言った。
「だってあれは神の調味料ですから!」
「え?」
エディットだけじゃなく、わたしもヴェロニカも困惑した声を上げた。
「白竜神様が認めた、神の調味料! 神聖な魔力の宿る調味料です!」
「ええ?」
「ちょっと」
放っておいたら何かヤバいことまで発言しそうなマルガリータを大人しくさせるために、わたしは慌てて口を挟んだ。
ええと。
何ていうべきだろうか。
神の調味料、か。
「……ええと、神殿にお供えした調味料というか」
わたしの視線が上空を彷徨う。それは嘘をつく時の癖に似ている、と自分で自覚しながらも思いついたことをそのまま口にした。
「お供えじゃなくて……その、魔力を分けてもらったって感じ? 実はこの街に来る前に、竜の神殿に寄ってきたんだよね。で、醤油の入った瓶を神殿の前に置いておいて、魔力が宿った奴を持ってきたというか」
何だか胡散臭いことを言っている。わたしがエディットだったら絶対に信用しないだろう。
だが。
「そうなんだ! やっぱり、白竜神様が復活したっていう噂は本当だったんだね!」
エディットが目をキラキラさせて言うものだから、わたしは少し不安になってしまった。
大丈夫か、商売人。
騙されやすいんじゃないのか、商売人。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる