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臨終録X1
弥重 由宇
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臨終録_No.5
■氏名:弥重 由宇
■性別:女
■年齢:32歳
■死亡理由:
気温は徐々に氷点下を上回り始め、アパートの屋根に積もり積もった雪が水を滴らせるようになっていた。
冷たい雫が首の隙間へ滑り込み、小さく「ひゃっ」と声を上げる。彼女の両手はスーパーマーケットで二日分の食材を買いためていたため塞がれており、代わりに小さく首をすくめた。
その小さな反動で、袋いっぱいに詰め込められた袋の上部からミネラルウォーターが零れ落ちそうになった、その時、世界は変わった。
ラグルシィ諸国の最北にある周辺部族の聖地ラ・ラプ。
地上で唯一、神の島が上空を通るこの場所。世界各国から何世紀にも渡り攻められるも、多くの血を流しながらも部族らが守り抜いた聖なる土地。鬱蒼とした森の中にぽつりと広がる広場の中央に、5mはありそうな漆黒の岩石が聳え立つ。それを、眩いばかりの金銀財宝が周囲を無造作に囲んでいる。
気づけば春の訪れを感じさせる雪景色の中から、彼女は金貨の海へと身を沈めていた。
この地に足を踏み入れることを許されたのは、各部族から認められた酋長のみ。
見張りに見つかった彼女はその影に気づくこともなく、黒く極限まで研ぎ澄まされた石の弓矢で、心臓をするりと射抜かれた。
■生存日数:1日
■氏名:弥重 由宇
■性別:女
■年齢:32歳
■死亡理由:
気温は徐々に氷点下を上回り始め、アパートの屋根に積もり積もった雪が水を滴らせるようになっていた。
冷たい雫が首の隙間へ滑り込み、小さく「ひゃっ」と声を上げる。彼女の両手はスーパーマーケットで二日分の食材を買いためていたため塞がれており、代わりに小さく首をすくめた。
その小さな反動で、袋いっぱいに詰め込められた袋の上部からミネラルウォーターが零れ落ちそうになった、その時、世界は変わった。
ラグルシィ諸国の最北にある周辺部族の聖地ラ・ラプ。
地上で唯一、神の島が上空を通るこの場所。世界各国から何世紀にも渡り攻められるも、多くの血を流しながらも部族らが守り抜いた聖なる土地。鬱蒼とした森の中にぽつりと広がる広場の中央に、5mはありそうな漆黒の岩石が聳え立つ。それを、眩いばかりの金銀財宝が周囲を無造作に囲んでいる。
気づけば春の訪れを感じさせる雪景色の中から、彼女は金貨の海へと身を沈めていた。
この地に足を踏み入れることを許されたのは、各部族から認められた酋長のみ。
見張りに見つかった彼女はその影に気づくこともなく、黒く極限まで研ぎ澄まされた石の弓矢で、心臓をするりと射抜かれた。
■生存日数:1日
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