異世界臨終録

星野大輔

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臨終録X1

水上 玄伍

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臨終録_No.015


■氏名:水上 玄伍
■性別:男
■年齢:12歳

■死亡理由:
六年間連れ添ったランドセルは傷だらけであったが、今もなお丈夫であり、その黒革を鈍く光らせている。
数週間後にはこれとはお別れし、新しい鞄に持ち変える時が迫っていた。
不安は大きい。12年の人生のうちの半分を過ごした校舎は、あまりにも馴染み過ぎており、ヒエラルキーの最上位から最下位へ落ちる恐怖もまたあった。それでも他の道はない彼は、人生の大河に身をゆだねるしかなかった。
フェンス越しに誰もいなくなった校庭を眺めていた、その時、世界は変わった。

リフの東方にある教会。
聖堂の中へ連れこまれたのは黒髪の少年。黒い教会の衣服に身を包んだ女性の中から、貫禄ある壮年の女性が歩み出た。彼女は傍らに侍る女性へ確認の声をかける。
「この少年が予言にある悪魔かい?」
「見た目こそ幼いですが、その姿格好は神託通りでございます」
壮年の女性はその言葉に顔を仰ぎ、一分ほど沈黙を続けた後、傍らの女性へ一言放った。
「……処刑せよ」


■生存日数:5日
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