22 / 33
臨終録X1
鈴木 藍子
しおりを挟む
臨終録_No.018
■氏名:鈴木 藍子
■性別:女
■年齢:28歳
■死亡理由:
安倍川に掛かる長い橋を自転車で渡りながら、明日もまたこの川を渡り仕事へ向かうのかと思うと、延々と続く日常にため息がこぼれる。現在のところ、唯一の楽しみは月末に行われる追っかけているバンドのライブくらいであったが、それもまだ遠い。そう考えるとまたもやため息がこぼれる。
ストレスがたまるのを感じ、何とか発散したいと考えた結果、今夜はカロリーを気にせず、呉服町にあるお気に入りのラーメン屋へ行ってしまおう。
ハンドルを強く握りしめ自転車のスピードを増した、その時、世界は変わった。
アテッサの首都。
鉄鎖で上半身と手首足首を何重にも巻かれた女性。
いや、頭部に布袋を被されたそれからは女性とは分からなかったが、はみ出ている長い黒髪を振り乱しながら、巻かれた鎖を解こうと体中に力を入れると見た目からは想像もできないような力が鉄に加わり悲鳴のような軋み音を挙げる。
彼女を囲むようにして黒服の制服に身を包んだ者たちが並ぶ。皆の視線は彼女の髪に注がれていた。
それを見た黒服たちからは驚愕の声があがり「やはり神託は……」「……世界が終わってしまうのか」「一刻も早く処刑しなければ」と、様々な声が飛び交う。
鎖がはち切れる前にと、黒服たちは急いでその身柄を教会の聖堂へ運んで行った。
■生存日数:8日
■氏名:鈴木 藍子
■性別:女
■年齢:28歳
■死亡理由:
安倍川に掛かる長い橋を自転車で渡りながら、明日もまたこの川を渡り仕事へ向かうのかと思うと、延々と続く日常にため息がこぼれる。現在のところ、唯一の楽しみは月末に行われる追っかけているバンドのライブくらいであったが、それもまだ遠い。そう考えるとまたもやため息がこぼれる。
ストレスがたまるのを感じ、何とか発散したいと考えた結果、今夜はカロリーを気にせず、呉服町にあるお気に入りのラーメン屋へ行ってしまおう。
ハンドルを強く握りしめ自転車のスピードを増した、その時、世界は変わった。
アテッサの首都。
鉄鎖で上半身と手首足首を何重にも巻かれた女性。
いや、頭部に布袋を被されたそれからは女性とは分からなかったが、はみ出ている長い黒髪を振り乱しながら、巻かれた鎖を解こうと体中に力を入れると見た目からは想像もできないような力が鉄に加わり悲鳴のような軋み音を挙げる。
彼女を囲むようにして黒服の制服に身を包んだ者たちが並ぶ。皆の視線は彼女の髪に注がれていた。
それを見た黒服たちからは驚愕の声があがり「やはり神託は……」「……世界が終わってしまうのか」「一刻も早く処刑しなければ」と、様々な声が飛び交う。
鎖がはち切れる前にと、黒服たちは急いでその身柄を教会の聖堂へ運んで行った。
■生存日数:8日
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる