異世界臨終録

星野大輔

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臨終録X1

鈴木 藍子

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臨終録_No.018


■氏名:鈴木 藍子
■性別:女
■年齢:28歳

■死亡理由:
安倍川に掛かる長い橋を自転車で渡りながら、明日もまたこの川を渡り仕事へ向かうのかと思うと、延々と続く日常にため息がこぼれる。現在のところ、唯一の楽しみは月末に行われる追っかけているバンドのライブくらいであったが、それもまだ遠い。そう考えるとまたもやため息がこぼれる。
ストレスがたまるのを感じ、何とか発散したいと考えた結果、今夜はカロリーを気にせず、呉服町にあるお気に入りのラーメン屋へ行ってしまおう。
ハンドルを強く握りしめ自転車のスピードを増した、その時、世界は変わった。

アテッサの首都。
鉄鎖で上半身と手首足首を何重にも巻かれた女性。
いや、頭部に布袋を被されたそれからは女性とは分からなかったが、はみ出ている長い黒髪を振り乱しながら、巻かれた鎖を解こうと体中に力を入れると見た目からは想像もできないような力が鉄に加わり悲鳴のような軋み音を挙げる。
彼女を囲むようにして黒服の制服に身を包んだ者たちが並ぶ。皆の視線は彼女の髪に注がれていた。
それを見た黒服たちからは驚愕の声があがり「やはり神託は……」「……世界が終わってしまうのか」「一刻も早く処刑しなければ」と、様々な声が飛び交う。
鎖がはち切れる前にと、黒服たちは急いでその身柄を教会の聖堂へ運んで行った。


■生存日数:8日
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