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ユーリス様ってやっぱりBL?
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「ハハハ。まさかユーリスのこんな姿が見られるなんて、思ってもみなかった。朴念仁の戦闘バカに、こんな台詞を吐かせるご令嬢に会えて光栄だ」
手をたたきながら、近づいてきて私の手をとって口付けしようとしたのを、ユリウスが目で諌める。
「クラウス兄さん。彼女に触れることを許した覚えはないよ。さあセシリアこちらにおいで」
「あ、でも私ご挨拶を・・・」
突然現れた、ユーリスのお兄さんに挨拶をしようとしたところを阻止された。
「兄さん。こちらは セシリア・デラ・ルベージュ 。ルベージュ子爵の遠い親戚だ。セシリア、これは私の長兄のクラウス兄さんだ。将来家族になるから、名前だけ覚えておけばいいよ」
ユーリス様はそっけなく、クラウス様と私の紹介をして、さっさと向こうに行ってくれといわんばかりに、クラウス様に目を向けた。
「では、私たち、これで・・・・失礼しますわ」
その隙に、令嬢達がさあっと潮が引くように去っていった。
そこに残されたのは、ユーリス様に無理やりお菓子の皿を両手に持たされてベンチに腰掛けさせられた私と、その隣でフォークを持ち皿の上のケーキを私に食べさせようとしているユーリス様。その光景を感心したような顔で見て、傍らでたたずむクラウス様だった。
「でも、ユーリス様。私、あの!クラウス公爵様に・・・うぐっ」
「私のことはユーリと呼んでくださいといっているでしょう。セシリア。ほらこのケーキおいしいよ」
クラウス様が見ている前で、ユーリス様が私の口にケーキを押し込む。
なんてことするんだ、この男は!・・・でも、おいしい!!!これ桃の味がする!隠し味はミントかな?異世界にきてから初めてこんなおいしいケーキ食べたかも。
条件反射でついケーキを堪能する。
いや、これ感動する場面じゃないから、これ公然羞恥プレイだから!!ほら、クラウス様だけじゃなく、他の方もこっちをチラチラ見てるよ!
ほらユーリス様の部下のブレア騎士様が、こっちみて真っ赤になって絶句してるよ!!
「だから、あの・・・!」
止めさせようと口を開いた隙に、次はチョコレートを放り込まれた。騎士隊長のその優れた反射神経、こんなところで無駄遣いしないでください!!
もう、これ以上勝手に口に入れられたらたまらないので、唇をしっかり閉じたまま、ユーリス様を涙目で睨んだ。
その光景に、たまらなくなったらしくクラウス様がお腹を抱えて笑い始めた。
笑わなくていいから、助けてよ!あんたの弟でしょ!どうにかして!
とばかりにクラウス様に目で助けを求める。それに気づいたユーリス様が最高に不機嫌そうな顔をして、クラウス様に向き直った。
「兄さん。まだ何か用事でも?私は兄さんが望んだとおりに伴侶を見つけたんだよ。邪魔しないで欲しいな。それに兄さんといえども、他の男にあまりセシリアを見られるのは好きじゃない」
伴侶って!!いや仮の・・・臨時の恋人役ですから!!!それに女の格好をしていますけど、本当は男の振りをした、女なんですーーーー!!あれ? なんか変になった。
クラウス様は笑っていたのを止めて、ふっと優しい笑みに戻ると、私に向かっていった。
「セシリア嬢。うちの愚弟は君のことが本当に大切らしい。まさか、こんなに変わるなんて想像もしていなかった。でも一途で信頼できる男だよ。これからも弟のことよろしくお願いする。ああーもうわかった。そんな顔で睨まなくても、これで退散するから。じゃあ、楽しい夜を・・・」
あ、私を置いていくんですね、お兄さん。
結局ユーリス様と二人きりになった私は、絶望的になりながらユーリス様の目を見つめる。
手には大量のお菓子の乗ったお皿があるので、両手とも使えない。
だけど口を開くわけにもいかない。開けると同時にお菓子が詰め込まれる。まるで椀子そばのように!!
それだけは阻止したい。私の羞恥心のために!!!
結局ユーリス様と見つめあうような状態になって、しばらく時間が流れる。
どのくらいそうしていただろうか、ユーリス様のお顔がゆっくり近づいてきた。え、これ・・・まさか・・・いや私男だから!!しつこいようだけど、女の格好をしてて、男の振りをした女ですから!!
「ちょ・・・ユーリ・・・んっ・・」
唇に、ユーリス様の唇が重なる。ふわっとユーリス様の匂いが広がる。
これ、キスってやつですか?!ファーストキスなんですけど!!
ユーリス様これBLなんですけど!!
ファーストキスが、男となんて・・!あれ?これ、いいのか?!いいんだよね。
しかもこれ、思ったより長いんだけど。
唇をついばまれるように、何度もキスをされる。頭の中がいっぱいいっぱいになって、ぼうっとしてきた。とたんに両手に持っていた、お皿を取り落としそうになる。
あっ・・・やばい・・。
と思ったけれど、ユーリス様が器用にキスをしながらお皿を右手でキャッチする。左手は未だに私の首の後ろにあって、未だにキスをし続けている。
転がり落ちたお菓子が、私のドレスの上に落ちてくるのを肌で感じるのと同時に、すかさず空になった両手で、ユーリス様の胸を押しのけてつい叫んでしまった。
「・・・これっ、アイシス様のドレスなのに、汚れちゃう!」
さっきまでぼうっとしていた頭が、突然冴えてドレスの汚れに集中する。私のドレスの上には無残にも生クリームが鎮座していた。
「ユーリス様。大変です。これ早く落とさないとしみになっちゃう!」
泣きそうな声になっているのが自分でも分かる。
ユーリス様は一瞬固まったが、すぐにいつもの溺愛マックススマイルに戻って言った。
「大丈夫だよ。これは実は私がセシリアのために特別に作らせたものだから。本当のことを言うと君が遠慮すると思って、アイシスに頼んで古いドレスということにしてもらったんだ。だから、染みがついてもいいんだよ」
いや、サラッといいますね。っていうか、今になってキスしていたことを思い出して、かあっと頭に血が昇る。
やばい。私、いま最高に真っ赤だと思う。
「あのっ。あのっ。今のっ。私、男で、それでユーリス様も男で・・・。そのっ、どういうつもりっていうか・・・っていうか、私、初めて・・・なのに・・こんなっ」
緊張で、全然言葉にならない。
「初めてだったんだ。嬉しいよ」
「・・・!そうじゃなくて、私、男だし。仮の恋人でしょ。そこまで演技するなんて聞いてないよ」
誰かに聞かれるとまずいので、耳元に口を寄せささやく。端からみるといちゃこいてるようにしか見えないかもしれないけど、ここははっきり言っておかないと困る。
ユーリス様は、なんともいえない微妙な顔をして、何も答えないままいつもの笑みをもらす。
これは肯定なのか。否定なのか。やっぱりそっちの趣味なのか。
そう思うとなんだか妙な気持ちになってきた。私は本当は女で、でもユリウス様は女の格好をした男が好きで・・・。なんだか、だんだん腹が立ってきた。
「セシリア?」
ユーリス様も私の気持ちの変化に気がついたようで、心配そうな顔で覗きこむ。
だめだ、だめだ。と思っても、もう感情が止められない。
さっきのキスだって、男のクラマが好きだからしたんだと思うと、もういてもたってもいられなかった。
その微笑だって男のクラマに対するものだ。私が女だって分かったら、ミデルバ様に向けていたような冷たい目で見るに違いない。
「ごめんなさい。私・・・もう帰りたいです」
ユーリス様の顔を見ることができないまま、泣きそうになっているのを悟られないように、小さな声で言った。
ユーリス様が何かを言おうとした空気を感じた瞬間、お屋敷中の雰囲気が変わったのに気がついた。
手をたたきながら、近づいてきて私の手をとって口付けしようとしたのを、ユリウスが目で諌める。
「クラウス兄さん。彼女に触れることを許した覚えはないよ。さあセシリアこちらにおいで」
「あ、でも私ご挨拶を・・・」
突然現れた、ユーリスのお兄さんに挨拶をしようとしたところを阻止された。
「兄さん。こちらは セシリア・デラ・ルベージュ 。ルベージュ子爵の遠い親戚だ。セシリア、これは私の長兄のクラウス兄さんだ。将来家族になるから、名前だけ覚えておけばいいよ」
ユーリス様はそっけなく、クラウス様と私の紹介をして、さっさと向こうに行ってくれといわんばかりに、クラウス様に目を向けた。
「では、私たち、これで・・・・失礼しますわ」
その隙に、令嬢達がさあっと潮が引くように去っていった。
そこに残されたのは、ユーリス様に無理やりお菓子の皿を両手に持たされてベンチに腰掛けさせられた私と、その隣でフォークを持ち皿の上のケーキを私に食べさせようとしているユーリス様。その光景を感心したような顔で見て、傍らでたたずむクラウス様だった。
「でも、ユーリス様。私、あの!クラウス公爵様に・・・うぐっ」
「私のことはユーリと呼んでくださいといっているでしょう。セシリア。ほらこのケーキおいしいよ」
クラウス様が見ている前で、ユーリス様が私の口にケーキを押し込む。
なんてことするんだ、この男は!・・・でも、おいしい!!!これ桃の味がする!隠し味はミントかな?異世界にきてから初めてこんなおいしいケーキ食べたかも。
条件反射でついケーキを堪能する。
いや、これ感動する場面じゃないから、これ公然羞恥プレイだから!!ほら、クラウス様だけじゃなく、他の方もこっちをチラチラ見てるよ!
ほらユーリス様の部下のブレア騎士様が、こっちみて真っ赤になって絶句してるよ!!
「だから、あの・・・!」
止めさせようと口を開いた隙に、次はチョコレートを放り込まれた。騎士隊長のその優れた反射神経、こんなところで無駄遣いしないでください!!
もう、これ以上勝手に口に入れられたらたまらないので、唇をしっかり閉じたまま、ユーリス様を涙目で睨んだ。
その光景に、たまらなくなったらしくクラウス様がお腹を抱えて笑い始めた。
笑わなくていいから、助けてよ!あんたの弟でしょ!どうにかして!
とばかりにクラウス様に目で助けを求める。それに気づいたユーリス様が最高に不機嫌そうな顔をして、クラウス様に向き直った。
「兄さん。まだ何か用事でも?私は兄さんが望んだとおりに伴侶を見つけたんだよ。邪魔しないで欲しいな。それに兄さんといえども、他の男にあまりセシリアを見られるのは好きじゃない」
伴侶って!!いや仮の・・・臨時の恋人役ですから!!!それに女の格好をしていますけど、本当は男の振りをした、女なんですーーーー!!あれ? なんか変になった。
クラウス様は笑っていたのを止めて、ふっと優しい笑みに戻ると、私に向かっていった。
「セシリア嬢。うちの愚弟は君のことが本当に大切らしい。まさか、こんなに変わるなんて想像もしていなかった。でも一途で信頼できる男だよ。これからも弟のことよろしくお願いする。ああーもうわかった。そんな顔で睨まなくても、これで退散するから。じゃあ、楽しい夜を・・・」
あ、私を置いていくんですね、お兄さん。
結局ユーリス様と二人きりになった私は、絶望的になりながらユーリス様の目を見つめる。
手には大量のお菓子の乗ったお皿があるので、両手とも使えない。
だけど口を開くわけにもいかない。開けると同時にお菓子が詰め込まれる。まるで椀子そばのように!!
それだけは阻止したい。私の羞恥心のために!!!
結局ユーリス様と見つめあうような状態になって、しばらく時間が流れる。
どのくらいそうしていただろうか、ユーリス様のお顔がゆっくり近づいてきた。え、これ・・・まさか・・・いや私男だから!!しつこいようだけど、女の格好をしてて、男の振りをした女ですから!!
「ちょ・・・ユーリ・・・んっ・・」
唇に、ユーリス様の唇が重なる。ふわっとユーリス様の匂いが広がる。
これ、キスってやつですか?!ファーストキスなんですけど!!
ユーリス様これBLなんですけど!!
ファーストキスが、男となんて・・!あれ?これ、いいのか?!いいんだよね。
しかもこれ、思ったより長いんだけど。
唇をついばまれるように、何度もキスをされる。頭の中がいっぱいいっぱいになって、ぼうっとしてきた。とたんに両手に持っていた、お皿を取り落としそうになる。
あっ・・・やばい・・。
と思ったけれど、ユーリス様が器用にキスをしながらお皿を右手でキャッチする。左手は未だに私の首の後ろにあって、未だにキスをし続けている。
転がり落ちたお菓子が、私のドレスの上に落ちてくるのを肌で感じるのと同時に、すかさず空になった両手で、ユーリス様の胸を押しのけてつい叫んでしまった。
「・・・これっ、アイシス様のドレスなのに、汚れちゃう!」
さっきまでぼうっとしていた頭が、突然冴えてドレスの汚れに集中する。私のドレスの上には無残にも生クリームが鎮座していた。
「ユーリス様。大変です。これ早く落とさないとしみになっちゃう!」
泣きそうな声になっているのが自分でも分かる。
ユーリス様は一瞬固まったが、すぐにいつもの溺愛マックススマイルに戻って言った。
「大丈夫だよ。これは実は私がセシリアのために特別に作らせたものだから。本当のことを言うと君が遠慮すると思って、アイシスに頼んで古いドレスということにしてもらったんだ。だから、染みがついてもいいんだよ」
いや、サラッといいますね。っていうか、今になってキスしていたことを思い出して、かあっと頭に血が昇る。
やばい。私、いま最高に真っ赤だと思う。
「あのっ。あのっ。今のっ。私、男で、それでユーリス様も男で・・・。そのっ、どういうつもりっていうか・・・っていうか、私、初めて・・・なのに・・こんなっ」
緊張で、全然言葉にならない。
「初めてだったんだ。嬉しいよ」
「・・・!そうじゃなくて、私、男だし。仮の恋人でしょ。そこまで演技するなんて聞いてないよ」
誰かに聞かれるとまずいので、耳元に口を寄せささやく。端からみるといちゃこいてるようにしか見えないかもしれないけど、ここははっきり言っておかないと困る。
ユーリス様は、なんともいえない微妙な顔をして、何も答えないままいつもの笑みをもらす。
これは肯定なのか。否定なのか。やっぱりそっちの趣味なのか。
そう思うとなんだか妙な気持ちになってきた。私は本当は女で、でもユリウス様は女の格好をした男が好きで・・・。なんだか、だんだん腹が立ってきた。
「セシリア?」
ユーリス様も私の気持ちの変化に気がついたようで、心配そうな顔で覗きこむ。
だめだ、だめだ。と思っても、もう感情が止められない。
さっきのキスだって、男のクラマが好きだからしたんだと思うと、もういてもたってもいられなかった。
その微笑だって男のクラマに対するものだ。私が女だって分かったら、ミデルバ様に向けていたような冷たい目で見るに違いない。
「ごめんなさい。私・・・もう帰りたいです」
ユーリス様の顔を見ることができないまま、泣きそうになっているのを悟られないように、小さな声で言った。
ユーリス様が何かを言おうとした空気を感じた瞬間、お屋敷中の雰囲気が変わったのに気がついた。
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