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小動物系肉食女 対 女王様
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「・・・・・・・・!!」
や・・・・やばい!!一番会ってはいけない人に会ってしまった!!私は高鳴る鼓動に気付かれない様にしながら、できるだけゆいかちゃんの方を見ないようにして言う。
「このケーキお譲りしますわ。ど・・・どうぞ」
ゆいかちゃんが動きを止めたまま、私のほうを伺っているのが気配で分かる。
「・・・あなた・・何処かで見たような・・・」
ひぃぃぃぃ!!これ絶体絶命だ!!
「あの・・・どこにでもある平凡な顔なのでよく言われますの。では私これで・・・」
このまま、さりげなく姿を消そうと後ろを振り返った時にゆいかちゃんが叫んだ。
「あ!!イケメン100人のひとだ!!!」
私は思わずゆいかちゃんの口に手を当てて、小さな声でいう。
「ゆいかちゃん。静かにして!!とにかく話し合いをしましょう。話し合いを・・・」
私は怪訝そうに見つめるゆいかちゃんに、かいつまんで状況を説明した。
私はあの後聖女ではないと認定されて、町で暮らすようになったこと。そこで知り合った人に見初められて婚約者としてこのパーティーに参加しているということ。婚約者には私が別の世界から来たと言っていないので、内緒にして欲しいこと。特にセイアレスや神官達には言わないでくれと念をおしておいた。
「ちょっとまって・・ということはあなた男がいるってことなの?しかも婚約者って・・・まさかイケメンじゃないでしょうね!!」
「大丈夫。私の婚約者のユーリス公爵様は、チビでデブで禿げでブサメンだから!!」
私はユーリの面目を思うと罪悪感を感じながらも、嘘をついた。とにかくここで騒がれてはまずい。私は話を逸らすためにゆいかちゃんに話を振った。
「それよりゆいかちゃんはどう?神殿の暮らしは楽しい?なんたって聖女さまだものね」
ゆいかちゃんは大きな目をくりんとしながら下から上目遣いで見上げて、アヒル口をしながら言った。
「うーん。まあ充実してるよ。転移魔法を使えるアッシー君や、色々宝石なんかを貢いでくれるみつぐ君もいるし、キープ君だって何人か・・・。まあ神殿は基本男ばかりだから、不自由はしてないよ」
彼女の背後に、3人くらいのイケメン神官が3メートルくらい距離をとって控えている。さすが!!小動物系肉食女。やることが一味違います。ある意味逞しいなぁと・・・感動していると、そこに一番来てはいけない人がやってきた。
「セシリア。その方はどなた?貴方の知り合い?」
昼間の庭園パーティーなので、薄い紫の光沢のあるセクシーなドレスをお召しになって、これまた超お似合いのふさふさの羽のついた扇を手に、アイシス様がキアヌス様を連れだって現れた。
小動物系肉食女子と、女王様は瞬間に互いが敵であるという事を本能で感じ取ったらしい。すぐに攻撃を開始した。
「なぁに、この小娘。あんなに男を引き連れてはしたないわね」
アイシス様が上から目線でいい放つと、ゆいかちゃんが負けじと下から見上げる目線でこう言い返す。
「いやだわ、おばさん。そんなちっとも冴えない男を連れて歩くほうが恥ずかしいわ」
「キアヌス様はね。わたくしが人生をかけて探しに探し抜いた、有能で財産のある長男ではない男性ですわよ。その辺のちょっと顔がいいだけの男と一緒にしないで欲しいわ」
ぽっとキアヌス様の頬が赤らむ。いや・・・それでいいのですかキアヌス様・・・。
十数分ほど・・・淑女とは程遠い言い争いをした後、二人とも散々言い尽くして満足したようで、やっと静かになった。
そう思ったら向こうの方で歓声があがる。目をやると、アルフリード王子とクリスティーナ様がお二人で仲睦まじそうに輪の中心にいた。ゆいかちゃんが一瞥して憎々しげに言う。
「それにしてもあの女、クリスティーナだっけ・・。気に食わないわ。セイアレスやエルドレッドまであの女のことをべた褒めするのよ!」
その意見にはアイシス様も同意したようで、頷きながら言う。
「たしかにおかしいわね。こんな短期間で国の重要人物の殆どが彼女を褒めちぎっているわ。魅了の魔力でも使っているのかと探知してみたけど、それらしい魔力は感じられないし・・・。でもあんなに女嫌いで有名だったアルフリード王子までがあんなふうになるなんて、異常としか考えられない」
私は確かにそうなのかなと思いながら、何も考えずに発言する。
「まあ・・・そうですね。あのお堅いクラウス公爵様まで、私のミューズだとか言って崇拝している様子でしたけれど・・・」
アイシス様が妙な顔をして、扇を口に当てながらいう。
「それはクラウス様自身が、おっしゃったのね」
「は・・・はい。いつもクールなお方が急にデレたので、かなり驚きました」
すると良く分からない会話に焦れたゆいかちゃんが、叫ぶように言い放つ。
「もういい!!とにかくあの女は変よ。私の勘がそういってる。セシリア!私この王宮に数日滞在するらしいから、あの女のこと調べておくわ。絶対なにか隠してる」
そういい捨てるとゆいかちゃんは、あっという間に取り巻きの3人の神官達を連れて去っていった。
あ・・・ゆいかちゃん。もしかして私の名前、忘れちゃってた?
うん、まあいいよセシリアで。
や・・・・やばい!!一番会ってはいけない人に会ってしまった!!私は高鳴る鼓動に気付かれない様にしながら、できるだけゆいかちゃんの方を見ないようにして言う。
「このケーキお譲りしますわ。ど・・・どうぞ」
ゆいかちゃんが動きを止めたまま、私のほうを伺っているのが気配で分かる。
「・・・あなた・・何処かで見たような・・・」
ひぃぃぃぃ!!これ絶体絶命だ!!
「あの・・・どこにでもある平凡な顔なのでよく言われますの。では私これで・・・」
このまま、さりげなく姿を消そうと後ろを振り返った時にゆいかちゃんが叫んだ。
「あ!!イケメン100人のひとだ!!!」
私は思わずゆいかちゃんの口に手を当てて、小さな声でいう。
「ゆいかちゃん。静かにして!!とにかく話し合いをしましょう。話し合いを・・・」
私は怪訝そうに見つめるゆいかちゃんに、かいつまんで状況を説明した。
私はあの後聖女ではないと認定されて、町で暮らすようになったこと。そこで知り合った人に見初められて婚約者としてこのパーティーに参加しているということ。婚約者には私が別の世界から来たと言っていないので、内緒にして欲しいこと。特にセイアレスや神官達には言わないでくれと念をおしておいた。
「ちょっとまって・・ということはあなた男がいるってことなの?しかも婚約者って・・・まさかイケメンじゃないでしょうね!!」
「大丈夫。私の婚約者のユーリス公爵様は、チビでデブで禿げでブサメンだから!!」
私はユーリの面目を思うと罪悪感を感じながらも、嘘をついた。とにかくここで騒がれてはまずい。私は話を逸らすためにゆいかちゃんに話を振った。
「それよりゆいかちゃんはどう?神殿の暮らしは楽しい?なんたって聖女さまだものね」
ゆいかちゃんは大きな目をくりんとしながら下から上目遣いで見上げて、アヒル口をしながら言った。
「うーん。まあ充実してるよ。転移魔法を使えるアッシー君や、色々宝石なんかを貢いでくれるみつぐ君もいるし、キープ君だって何人か・・・。まあ神殿は基本男ばかりだから、不自由はしてないよ」
彼女の背後に、3人くらいのイケメン神官が3メートルくらい距離をとって控えている。さすが!!小動物系肉食女。やることが一味違います。ある意味逞しいなぁと・・・感動していると、そこに一番来てはいけない人がやってきた。
「セシリア。その方はどなた?貴方の知り合い?」
昼間の庭園パーティーなので、薄い紫の光沢のあるセクシーなドレスをお召しになって、これまた超お似合いのふさふさの羽のついた扇を手に、アイシス様がキアヌス様を連れだって現れた。
小動物系肉食女子と、女王様は瞬間に互いが敵であるという事を本能で感じ取ったらしい。すぐに攻撃を開始した。
「なぁに、この小娘。あんなに男を引き連れてはしたないわね」
アイシス様が上から目線でいい放つと、ゆいかちゃんが負けじと下から見上げる目線でこう言い返す。
「いやだわ、おばさん。そんなちっとも冴えない男を連れて歩くほうが恥ずかしいわ」
「キアヌス様はね。わたくしが人生をかけて探しに探し抜いた、有能で財産のある長男ではない男性ですわよ。その辺のちょっと顔がいいだけの男と一緒にしないで欲しいわ」
ぽっとキアヌス様の頬が赤らむ。いや・・・それでいいのですかキアヌス様・・・。
十数分ほど・・・淑女とは程遠い言い争いをした後、二人とも散々言い尽くして満足したようで、やっと静かになった。
そう思ったら向こうの方で歓声があがる。目をやると、アルフリード王子とクリスティーナ様がお二人で仲睦まじそうに輪の中心にいた。ゆいかちゃんが一瞥して憎々しげに言う。
「それにしてもあの女、クリスティーナだっけ・・。気に食わないわ。セイアレスやエルドレッドまであの女のことをべた褒めするのよ!」
その意見にはアイシス様も同意したようで、頷きながら言う。
「たしかにおかしいわね。こんな短期間で国の重要人物の殆どが彼女を褒めちぎっているわ。魅了の魔力でも使っているのかと探知してみたけど、それらしい魔力は感じられないし・・・。でもあんなに女嫌いで有名だったアルフリード王子までがあんなふうになるなんて、異常としか考えられない」
私は確かにそうなのかなと思いながら、何も考えずに発言する。
「まあ・・・そうですね。あのお堅いクラウス公爵様まで、私のミューズだとか言って崇拝している様子でしたけれど・・・」
アイシス様が妙な顔をして、扇を口に当てながらいう。
「それはクラウス様自身が、おっしゃったのね」
「は・・・はい。いつもクールなお方が急にデレたので、かなり驚きました」
すると良く分からない会話に焦れたゆいかちゃんが、叫ぶように言い放つ。
「もういい!!とにかくあの女は変よ。私の勘がそういってる。セシリア!私この王宮に数日滞在するらしいから、あの女のこと調べておくわ。絶対なにか隠してる」
そういい捨てるとゆいかちゃんは、あっという間に取り巻きの3人の神官達を連れて去っていった。
あ・・・ゆいかちゃん。もしかして私の名前、忘れちゃってた?
うん、まあいいよセシリアで。
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