《 アルファ編 》 時を止めるって聖女の能力にしてもチートすぎるんじゃないんでしょうか? 

南 玲子

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現在のサクラ

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私は今ドリトス村にいた。ブレント君が言っていた通り、村の人はとても親切で、行く所が無いという私を、何も聞かずに村長さんの家においてくれた。

まだこの村に来て3日しか経っていないけれど、この村の暮らしは意外に私に合っているみたいだった。朝早くおきて、朝食を食べるとこの村の名産の花の世話をする。土を耕したり、球根を植えたりやることは沢山あった。毎日体を使って仕事をすることで辛いことも忘れられたし、村の人はみんな私に優しかった。

「セシリアさん。この村に来て楽しそうで良かった」

そういって私の隣で、屈託のない笑みを浮かべるブレント君を見ると心が安らぐ。

私は一仕事を終えて、村の女性達と休憩している時だった。ここは本当に田舎で見える範囲が全て緑の草原だった。その一角にこの村があって花畑が所狭しと並んで作られている。私達は花畑の間にあるベンチで腰掛けている。

「ありがとう。ここの仕事はきついけど、私の努力が綺麗な花を咲かせると思うと、やりがいがあって楽しいよ」

私が笑うと安心したようにホッとした顔をした。突然ブレント君が何かを思いついたように自分のズボンのポケットに手を入れて、小さな袋に入った青い色の飴を取り出した。

「これ、昔ママが僕が泣いた時に必ずくれた飴なんだ。これを食べると悲しみが減って、幸せが増えるんだって。僕は一杯あるからセシリアさんに全部あげるよ」

私は袋から一粒とって口に入れてみた。その飴は甘くてちょっぴり酸っぱい味がする。確かになんだか幸せな気持ちがこみ上げてくる気がする。

「ふふ、ありがとうブレント君。でももう私元気だから気を使ってもらわなくてもいいよ。でもこの飴はもらっておくね」

私は飴の袋をスカートのポケットにしまうと、また花畑の仕事に戻った。

ブレント君は私に気を使ってか、王城での話を一切しない。その心遣いは私にとって本当にありがたかった。

今は何も考えたくない。

私はまたブレント君のくれた飴を口に運んだ。

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