「‥君に気安く話しかけられたくないな。」初恋の人に使用人と間違えられて、塩対応されちゃいました。

みるみる

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グスタフ卿‥?

 エリーゼがキス以上の事が起きる事を覚悟し、グスタフ卿のキスに応えようとした瞬間‥

 グスタフ卿がハッとした表情で我に返りました。

「エリーゼ!‥すまない‥どうしてこんな事に‥。それに今日は2人で出かけるはずだったのに、どうしてここに‥。」

 ベッドの上に横たわるエリーゼ、その上に覆い被さる自分‥この事からグスタフ卿は即座にこの状況を把握しました。

「クソッ!思い出せない‥。エリーゼ、僕は君の事をベッドに押し倒して襲い掛かろうとしたのだな。‥ひどい事をしてしまった、すまない。いや、謝ってすむ問題ではないか‥、だが本当にすまない。」

「グスタフ卿‥?」

 両手で顔を覆いながら小刻みに震えるグスタフ卿を、抱きしめて落ち着かせようと思い手を伸ばしたエリーゼでしたが、その手はグスタフ卿によって振り払われてしまいました。

「触らないでくれ!僕は自分が怖いんだ。僕はいつか君にとんでもない事をしてしまうかもしれない‥。だから、しばらくは会わないでおこう。」

「‥しばらくって‥いつまでですか?」

「すまない、僕がこのことを解決するまで待っていて欲しい。‥いや、それは都合が良すぎる話だな。‥エリーゼ、どうか僕より良い人を探してくれ。」

「グスタフ卿‥一人で悩まないで下さい。2人で一緒に考えながら解決するという方法もあるじゃないですか!」

「エリーゼ‥僕が怖いのは‥僕が無意識のうちに君の事を傷つけてしまうかもしれない事なんだ。」

「グスタフ卿、私なら大丈夫です。それにむしろ私はグスタフ卿になら何をされても‥。」

 エリーゼがそう言ってグスタフ卿に近づこうとすると、彼は咄嗟に距離をとりました。

 エリーゼはグスタフ卿との間に遠い壁を感じました。2人の間の距離は2人の心の距離をあらわしてもいました。

 エリーゼが追えばグスタフ卿が逃げる‥。

 エリーゼにとってグスタフ卿は永遠に近づくことのない近くて遠い存在のようでした。

「エリーゼ‥たのむ、分かってほしい。」

「‥‥。」

「君の事を好きになった途端、こうやって君の事を避けなくてはならないなんてな。」

 グスタフ卿は‥彼の中でエリーゼとの関係がこれでもう終わってしまったかのような独り言を残し、小さなため息をつきました。

「私が何と言っても、私と距離を置くと言うグスタフ卿の気持ちはわかりました。ですが、グスタフ卿に何が起きたのか詳しく教えて下さい。私には何が何だか‥。」

「そうだな、一人で勝手に話を進めてしまってすまない。‥エリーゼ、最近の僕に起きている事を全て君に話すよ。だが、何を聞いても‥僕の事を嫌わないで欲しい。」

「分かったわ。」

「エリーゼ、実は‥。」

 そこまで言うと、グスタフ卿は一つ大きな深呼吸をしました。

 そして、ゆっくりと話し出しました。

 ここ最近の自分の変化や周りの人達の変化、それに家庭の事情についても‥。

 







 

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