「‥君に気安く話しかけられたくないな。」初恋の人に使用人と間違えられて、塩対応されちゃいました。

みるみる

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エリーゼの素顔、そしてグスタフ卿の変身

「グスタフ卿、私は正真正銘エリーゼです。実は今までこの素顔を隠すために化粧で顔を作っていたのです。」

「…証拠は?君がエリーゼだと言う証拠は?」

「グスタフ卿、女は化粧でいくらでも外見をかえられるんです。普段見ていた顔が違うからと言って、私を偽物呼ばわりしたりスパイ扱いするなんて酷いです!」

「いや、化粧だけでこんなにも顔がかわるものか?信じられない。君はどっちが本物の顔なんだ?」

「もちろん今のこの化粧の落ちた顔が本来の私の素顔です。」

「…。」

「グスタフ卿は、こんな派手な顔はお嫌いですか?」

「いや、綺麗だよ。綺麗だけど…。エリーゼとは別人みたいで変な感じがする。」

「…この顔では欲情しませんか。」

 浴槽でグスタフ卿の股間のものがこれまでとはうってかわり弱々しく垂れ下がっている様子を見てエリーゼはがっかりしました。

「…。」

 なんとも言えない沈黙が続きました。

 グスタフ卿がエリーゼの体を起こして無言のままタオルで拭きはじめると、グスタフ卿の頬に水滴が落ちてきました。

 それはエリーゼの涙でした。

「…グスタフ卿を今まで騙してきたわけではないんです。それに、グスタフ卿には私のこの顔にも欲情して欲しいのに。」

 そう言って両手で自分の涙を拭うエリーゼの姿にグスタフ卿は心を打たれました。

「エリーゼ、ごめん。君の綺麗な素顔に気後れしてしまい現実を受け入れられずにいただけなんだ。君はどんな姿でも可愛いよ。」

 そう言ってエリーゼを抱きしめます。

「エリーゼ、君はこんなに綺麗なのに僕みたいな醜い男が側にいたら君が恥をかくんじゃないか?」

「…グスタフ卿は美男子ですよ。ただ皮膚が荒れていただけです。今は肌もツヤツヤになって国で一番の美男子になっています。」

「エリーゼ、君の目はどうかしてるよ。」

「本当ですって。ほら」

 エリーゼがそう言ってグスタフ卿の手を取り部屋の鏡の前に立たせると、鏡の前でグスタフ卿は固まってしまいました。

「グスタフ卿?」

「君が僕の寝てる間に化粧でもしてくれたのか?」 

「まさか!グスタフ卿の前で私が何回気を失ってると思ってるんですか。そんな私がグスタフ卿の知らない間に化粧をするとか物理的に無理でしょう?…これがグスタフ卿の本当の素顔なんです。」

 グスタフ卿は吹き出物だらけだった顔が綺麗にきめ細かく整ってツヤツヤになっている事に驚きました。

 それに吹き出ひとつない顔にある整った目鼻立ち、ツヤツヤの唇に力強い瞳の輝き…

「これが僕なのか?」

「そうです!グスタフ卿こそ、本当にグスタフ卿なんですか。もしかして偽物なんじゃないですか。まさか他国のスパイだとか?」

「まさか!そんな事…。」

 呆然とするグスタフ卿の体をエリーゼは大きなタオルで包んで拭いてあげると、そっとタオルごと抱きしめました。

「だから言ったでしょう?グスタフ卿は肌荒れさえ治ればかっこいいんだって!」

 エリーゼは背伸びしてグスタフ卿にキスをしました。

「グスタフ卿がどんな姿でも愛してます。」

「…!僕もだ、エリーゼ。君を愛してるよ。」

 2人は再び抱き合いベッドへ向かいました。

 そんな熱い日々を何日も過ごしていると、2人のいる屋敷にカーリーが訪ねてきました。

「タイムアップだよ、お二人さん。良い頃合いだし、そろそろ現実に戻ろうか。」

 

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