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学年末試験
しおりを挟む学園には、広い図書室があります。学習用のテーブルも食堂よりも多いのではないかとの噂があります。
そんな図書室の一角で、私とグスタボ君、エリナさん、モアさん、サトル君は一緒に勉強をしていました。
エリナさんとモアさんがリーダーとなって、他の三人の勉強を見てくれています。
「チョコとグスタボ君は、暗記物が苦手なのね。算術は得意なのに。サトル君は、得意科目が偏りすぎね。算術と魔力、化学は得意なのに、語学が駄目か‥。将来、研究結果を纏めて論文にしたり、皆んなの前で発表することがあるかもしれないのに‥‥。」
エリナさんはそう言うと、すぐに三人三様の勉強スケジュールを組んでくれました。
「三人共これで、苦手科目が克服できるはずよ。」
「はい。」
モアさんは自分の勉強をしながら、私達三人が困っているとすぐにやって来て、ヒントや解き方を教えてくれました。
「それにしても、エリナはいい秘書になりそうね。モアは教え方が上手だから教師も向いてるかもよ。」
グスタボ君がしみじみと言いました。
「私ね、瞬間記憶力があるでしょ。教科書や本に書いてある内容や写真が一目見ただけで覚えられるの。そのかわりに文章をかいたり、想像力を使う事が苦手なの。」
モアさんが、溜め息混じりに言いました。皆んな完璧そうに見えても、得意不得意があるのだなぁと思いました。
私達はこうして、時々私語を交えながらも勉強に集中しました。図書室が閉まる直前まで頑張りましたよ。
そして試験結果が出て、学年の上位50位が廊下の壁に張り出されました。
「皆んな載ってる~。凄いじゃない!エリナ、モア、ありがとう。あなた達のおかげよ。」
グスタボ君が、エリナさんとモアさんを抱きしめます。
キャーッ!
キャーッ!!
まわりの女子達と、一部の男子から悲鳴が上がりました。
「いいなぁ、グスタボ君に抱きしめられたい。」
「グスタボ君と勉強したかった。」
まわりの相変わらずな反応に、グスタボ君は肩を竦めていました。
「チョコが48位、グスタボ君が21位、サトル君が12位ね。よく頑張りました。」
エリナさんが、私達とサトル君の頭を撫でていると、やはりまわりから悲鳴が上がりました。
「私もエリナさんに頭を撫でてもらいたい。」
「エリナさんに褒められたい。」
エリナさんも、まわりの歓声に呆れ顔です。
「エリナさんは1位で、モアさんは2位か、まだまだ追いつけないや。」
そう呟くサトル君にも黄色い悲鳴が上がります。
「落ち込むサトル君、可愛い。慰めたい。」
「目標が高くて素敵。真面目。」
本当にこの三人は、目立つ人達です。
そう言えば、モアさんは眼鏡美人ですが、眼鏡を外すと絶世の美女になるのですよ。
いつかノア先輩に、眼鏡を外したモアさんを見せてあげたいな、と思ってしまいました。
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