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フィリエス家の内情と戦
第251話 孤児院での迎撃戦5
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月の魔女とよばれるまで
第251話 孤児院での迎撃戦5
孤児院の外側に出る前に、毎度の補助魔法二つを沙更とミリアにガレムの三人にかけておく。いつ出くわすか分からないだけに、万全を期したと言って良い。
それに、相手は暗殺者だけに位置が分かっているとは言え、油断が出来る相手ではないと言う沙更の判断からでもあった。実際で言うと不意打ちを防止出来ている時点で相手の全力はまず出せない状態での戦闘になるのだから、こちらが有利としかいえない。
さらに、ミリアとガレムにマイティアップとエアウォークの効力が入っている以上、暗殺者に勝ち目があるとは到底思えないくらいに実力差が広がっていた。
暗殺するならば、隠形しつつの不意打ちで相手の隙を突かないと厳しい。それを位置を特定できている状態での戦闘では、冒険者に分があって当然と言って良かった。
補助魔法をかけ終えてから、孤児院の外に出る。すると沙更の脳裏に、暗殺者たちの居場所が浮かび上がる。一番近くに居る暗殺者はこちらの動きに気付いていた。
(なっ、俺の事を見ただと!?俺の隠形が見破られたと言うのか!?)
小さい女の子が向ける視線が自分を見ている事に気付いた暗殺者は、驚きを隠し得ない。中級暗殺者だけに、下手な子供に気取られるなどと思いもしない。が、沙更がただの子供なわけがない。そこを知らなかった当たりが暗殺者としてまだまだな部分と言って良い。
そして、沙更が位置に気付いていると言う事はミリアがそこにめがけて走る。その動きに、暗殺者はここに居ることを気取られていることを悟るしか無い。
(くそっ、俺の隠形を見破るだと!?)
実際は見破ったと言うわけでは無くて、元から探知されているのだから処置無しと言うしか無い。そもそも、孤児院は沙更が守るべき場所と決めていた。そこにノコノコと現れたのが悪い。
きちんと情報を仕入れていれば、この孤児院にどれだけの戦力がいるかくらいは探れたはずだ。情報戦でも負けている時点で、暗殺者たちに成功の目は無かった。
暗殺者がミリアの動きに驚愕の表情を浮かべる。ミリアの動き自体が上級暗殺者を模倣しているかのように見えたから。音も立てずに、下手な暗殺者よりも素早く動くその動きにも驚かされてしまっていた。
ミリアが近づいたところで、暗殺者は隠形を解き袖口に隠していた鋼鉄製のダガーを引き抜く。暗殺者がそのダガーでミリアを切りつけるが、その動きはすれすれの所で避けられてしまう。
相手の動きを見て、余裕を持って見切る事が出来るほど力量が上がっている証拠であり、ミリアの真骨頂でもあった。暗殺者の手の内が分かる今ならば、相手の動きを先読みすることも出来る。
自身の直感を信じて動いた結果が今の動きであり、中級暗殺者では確実に抜けない壁である。相手が動くのに合わせて、こちらの動きを変えていく。
ダガーでの切りつける攻撃も突く攻撃も、ミリアの動体視力で追えるし身体の動きもそれに合わせる事が出来ていたからだ。
第251話 孤児院での迎撃戦5
孤児院の外側に出る前に、毎度の補助魔法二つを沙更とミリアにガレムの三人にかけておく。いつ出くわすか分からないだけに、万全を期したと言って良い。
それに、相手は暗殺者だけに位置が分かっているとは言え、油断が出来る相手ではないと言う沙更の判断からでもあった。実際で言うと不意打ちを防止出来ている時点で相手の全力はまず出せない状態での戦闘になるのだから、こちらが有利としかいえない。
さらに、ミリアとガレムにマイティアップとエアウォークの効力が入っている以上、暗殺者に勝ち目があるとは到底思えないくらいに実力差が広がっていた。
暗殺するならば、隠形しつつの不意打ちで相手の隙を突かないと厳しい。それを位置を特定できている状態での戦闘では、冒険者に分があって当然と言って良かった。
補助魔法をかけ終えてから、孤児院の外に出る。すると沙更の脳裏に、暗殺者たちの居場所が浮かび上がる。一番近くに居る暗殺者はこちらの動きに気付いていた。
(なっ、俺の事を見ただと!?俺の隠形が見破られたと言うのか!?)
小さい女の子が向ける視線が自分を見ている事に気付いた暗殺者は、驚きを隠し得ない。中級暗殺者だけに、下手な子供に気取られるなどと思いもしない。が、沙更がただの子供なわけがない。そこを知らなかった当たりが暗殺者としてまだまだな部分と言って良い。
そして、沙更が位置に気付いていると言う事はミリアがそこにめがけて走る。その動きに、暗殺者はここに居ることを気取られていることを悟るしか無い。
(くそっ、俺の隠形を見破るだと!?)
実際は見破ったと言うわけでは無くて、元から探知されているのだから処置無しと言うしか無い。そもそも、孤児院は沙更が守るべき場所と決めていた。そこにノコノコと現れたのが悪い。
きちんと情報を仕入れていれば、この孤児院にどれだけの戦力がいるかくらいは探れたはずだ。情報戦でも負けている時点で、暗殺者たちに成功の目は無かった。
暗殺者がミリアの動きに驚愕の表情を浮かべる。ミリアの動き自体が上級暗殺者を模倣しているかのように見えたから。音も立てずに、下手な暗殺者よりも素早く動くその動きにも驚かされてしまっていた。
ミリアが近づいたところで、暗殺者は隠形を解き袖口に隠していた鋼鉄製のダガーを引き抜く。暗殺者がそのダガーでミリアを切りつけるが、その動きはすれすれの所で避けられてしまう。
相手の動きを見て、余裕を持って見切る事が出来るほど力量が上がっている証拠であり、ミリアの真骨頂でもあった。暗殺者の手の内が分かる今ならば、相手の動きを先読みすることも出来る。
自身の直感を信じて動いた結果が今の動きであり、中級暗殺者では確実に抜けない壁である。相手が動くのに合わせて、こちらの動きを変えていく。
ダガーでの切りつける攻撃も突く攻撃も、ミリアの動体視力で追えるし身体の動きもそれに合わせる事が出来ていたからだ。
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