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最終章 目覚める神
第293話 開拓村に急ぐ
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月の魔女とよばれるまで
第293話 開拓村に急ぐ
冒険者ギルドエンシェントゲートの冒険者ギルド支部でも、モンスターの数は把握出来ていなかった。だからこそ、偵察する必要があった。
支部で出来る範囲を逸脱しているだけに厳しい。Bランクでも出来ることに限りはある。だが、それは沙更なしでのことであり、出来る事自体は多い。
冒険者ギルドも情報を持っていないと言うことが分かっただけでも、ここに来た甲斐はあったと言って良い。となれば、こちらで動くしか無かった。
冒険者ギルド支部から出ると沙更たちは、すぐに開拓村側に向けて動くことにした。本当なら、ここで一泊してからにしたほうが良いのだが、ウエストエンドを出て二日近く経っているだけに警戒したかったからだ。
エンシェントゲートから開拓村までの道はそこまで広くはない。行き交う人も少ない為、大きい道を作っていなかったのだ。
そんな道をエアウォークで加速しつつ向かっていると数人の開拓村の人間がこちらに走ってきた。ひどく慌てた様子で、エンシェントゲートまで向かっているのが分かった。慌てている割には、
「あ、あんたたち開拓村がモンスターの群れに襲われたんだ。俺たちはここまで逃げてこられたが、他の連中はもう……」
「事情は分かった。モンスター達がこちらに向かってくる可能性がある。あんたたちは先に行ってくれ」
パウエルがそう言って、開拓村の村人達を見送るとガレムが村人達の後ろ姿を見て疑問を口にした。
「あいつら、他の奴らを見捨てていった口だろうよ。腰回りとかにきっちり荷物をもってやがった」
「と言っても、抵抗しろと言っても出来ない相談でしょう?まあ、ガレムが嫌がるのは分かるけれどね」
ヘレナも気付いていたらしい。だが、自分の身がかわいいのはそこまで変わらない。救える命を見捨ててきたとなれば話は別だが、そもそもそこも確認せずに逃げてきたと言った格好であっただけに、下手に糾弾するのもどうかと思ったと言ったところだ。
そもそも、モンスター退治すら沙更の両親に任せていたような面々である。古代遺跡に近い真ん中の開拓村が壊滅してから、満足にモンスター退治すらしていなかっただろう事は想像に難くなかった。しかも、この道の終着点はエンシェントゲートに一番近い開拓村で、開拓村の中では一番町に近い場所である。
それだけに、もう一つの開拓村も壊滅しているだろうと推測出来た。ここで、パウエル達に出来るのは開拓村の状況の確認とエンシェントゲートに近づくモンスターを狩ることくらい。それ以上のことをするのならば、カタリーナの軍を待つ必要があった。
「ここまで来たら、ある程度の偵察は必要だな。逃げてきた村人に近づけさせないためと現状を確認したい」
「流石に、これ以上エンシェントゲートに近づかせるわけにはいかないね」
「モンスター相手なら、全力を使えるな。軍として動いてた時は、それなりに加減してたしよ」
「ガレムならそう言うと思ったわ。どちらにしろ、五人で出来る事には限りがあるから無理は出来ないと思って」
「補助魔法は任せてください。それともしもの時には攻撃魔法を使います。その時には私よりも後ろに行ってくださいね」
沙更の言葉に、パウエル達は頷く。沙更の攻撃魔法は強力なのは分かりきっていた。それだけに、巻き込まれたらと考えるのも当然であった。
第293話 開拓村に急ぐ
冒険者ギルドエンシェントゲートの冒険者ギルド支部でも、モンスターの数は把握出来ていなかった。だからこそ、偵察する必要があった。
支部で出来る範囲を逸脱しているだけに厳しい。Bランクでも出来ることに限りはある。だが、それは沙更なしでのことであり、出来る事自体は多い。
冒険者ギルドも情報を持っていないと言うことが分かっただけでも、ここに来た甲斐はあったと言って良い。となれば、こちらで動くしか無かった。
冒険者ギルド支部から出ると沙更たちは、すぐに開拓村側に向けて動くことにした。本当なら、ここで一泊してからにしたほうが良いのだが、ウエストエンドを出て二日近く経っているだけに警戒したかったからだ。
エンシェントゲートから開拓村までの道はそこまで広くはない。行き交う人も少ない為、大きい道を作っていなかったのだ。
そんな道をエアウォークで加速しつつ向かっていると数人の開拓村の人間がこちらに走ってきた。ひどく慌てた様子で、エンシェントゲートまで向かっているのが分かった。慌てている割には、
「あ、あんたたち開拓村がモンスターの群れに襲われたんだ。俺たちはここまで逃げてこられたが、他の連中はもう……」
「事情は分かった。モンスター達がこちらに向かってくる可能性がある。あんたたちは先に行ってくれ」
パウエルがそう言って、開拓村の村人達を見送るとガレムが村人達の後ろ姿を見て疑問を口にした。
「あいつら、他の奴らを見捨てていった口だろうよ。腰回りとかにきっちり荷物をもってやがった」
「と言っても、抵抗しろと言っても出来ない相談でしょう?まあ、ガレムが嫌がるのは分かるけれどね」
ヘレナも気付いていたらしい。だが、自分の身がかわいいのはそこまで変わらない。救える命を見捨ててきたとなれば話は別だが、そもそもそこも確認せずに逃げてきたと言った格好であっただけに、下手に糾弾するのもどうかと思ったと言ったところだ。
そもそも、モンスター退治すら沙更の両親に任せていたような面々である。古代遺跡に近い真ん中の開拓村が壊滅してから、満足にモンスター退治すらしていなかっただろう事は想像に難くなかった。しかも、この道の終着点はエンシェントゲートに一番近い開拓村で、開拓村の中では一番町に近い場所である。
それだけに、もう一つの開拓村も壊滅しているだろうと推測出来た。ここで、パウエル達に出来るのは開拓村の状況の確認とエンシェントゲートに近づくモンスターを狩ることくらい。それ以上のことをするのならば、カタリーナの軍を待つ必要があった。
「ここまで来たら、ある程度の偵察は必要だな。逃げてきた村人に近づけさせないためと現状を確認したい」
「流石に、これ以上エンシェントゲートに近づかせるわけにはいかないね」
「モンスター相手なら、全力を使えるな。軍として動いてた時は、それなりに加減してたしよ」
「ガレムならそう言うと思ったわ。どちらにしろ、五人で出来る事には限りがあるから無理は出来ないと思って」
「補助魔法は任せてください。それともしもの時には攻撃魔法を使います。その時には私よりも後ろに行ってくださいね」
沙更の言葉に、パウエル達は頷く。沙更の攻撃魔法は強力なのは分かりきっていた。それだけに、巻き込まれたらと考えるのも当然であった。
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