月の魔女と聖剣

空流眞壱

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辺境伯対他貴族

第68話 ウエストエンドの変化2

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月の魔女と聖剣

第68話 ウエストエンドの変化2

 青年のお店を出ると次にお世話になっている牛乳専門店に向かう。しかし、そこでも商業ギルドから嫌がらせを受けている事を聞くことになる。

「商業ギルドとうちは長い付き合いなんだが、マスターが変わってから変に圧力をかけてくるようになったな。仕入れは問題ねえが、競合店をこちらにぶつけてきてようこちらを潰しにかかってきてるよ」

「えっ、大丈夫ですか?」

「早々簡単に潰れやしねえよ。嬢ちゃんのおかげでもあるんだぜ?前までなら零細商店だったからあんなのをやられたらあっさりだったが、今じゃある程度の事じゃびくともしねえよ。相手の仕入れた牛乳よりもうちの牛乳の方が質が良いのは承知だからな」

 牛乳専門で商売しているおじさんがそう言って笑う。質の良い牛乳やチーズ、バターだけではなく、今では生クリームなども取り扱っている。沙更が買い物をするお店としてウエストエンドでは質の良いお店として名が売れていて、昔に比べると売れているのだと教えてくれた。

 沙更が認めたお店はウエストエンドでも3カ所のみ。それだけに、質の良さはピカイチである。そして、値段も質が高いだけ他のお店よりも若干値が張るが、その値段に見合った物を提供してくれているのは通い続けているだけに良くわかっていた。

「嬢ちゃんが心配することはねえよ。今回ばかりは、はいそうですかって言えねえんだ。ギルドが理不尽なことをしてきているのに泣き寝入りはねえ」

 おじさんとして、徹底抗戦する構えのようだ。商業ギルドがそこまでして潰そうとする理由が沙更には分からない。わざわざ敵対する理由も分からないからだ。どちらにしろ、こちらの仕入れを潰しに入っているのは理解出来た。

 今回も牛乳やチーズなどを金貨で買い込む。二週間分の仕入れをまとめ買いするのは沙更くらいだけに、おじさんも慣れたものだ。

「嬢ちゃんをがっかりさせることはねえよ。今回の分のお釣りは銅貨6枚だな」

 おじさんからお釣りを受け取ると沙更は品物を受け取り、虚空庫に入れていく。そのやりとりも店のおじさんに取っては慣れたものだ。

 野菜、牛乳などの乳製品を買い込み、最後に向かうはいつも行くお肉屋であるがそこでも商業ギルドからのいやがらせを受けていると聞くことになる。

『もしかして、私への嫌がらせなのかもしれない。となれば、少し調べないと迷惑をかけてしまうから』

 鶏肉、オーク肉などを二週間分買い込みつつもお肉屋の店主から聞き込むとやはり商業ギルドのギルドマスターが変わってから嫌がらせが始まったとのこと。3店舗共に、沙更のお気に入りでありお得意様のお店でもあるため、商業ギルドの行動に反発もあることを教えてくれた。

 辺境での最大の目的は達成したものの、今後のことを考えれば商業ギルドの嫌がらせを潰す必要が出てきた。こうなってくると一回カタリーナへ相談する必要があるだろう。そう考えた沙更は、動くことにした。

 商業ギルドのギルドマスターが何を思って嫌がらせをしているか分からないが、沙更に敵対すると言う事がどういう事態を招くのか知らないのだろうと推測はついた。
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