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聖剣の鞘の行方
第121話 王都シルバールからの撤退
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月の魔女と聖剣
第121話 王都シルバールからの撤退
ガーゼルベルトとウィリアム第二王子がシルバール城から馬車で、宰相の屋敷に戻ってくると既に極星騎士団が待ち構えていた。既に、王都の治安維持の任は解いてあったからだ。宰相の職を辞したこともあり、これ以上の治安維持がもう出来ない。これ以上治安維持に力を割くわけにもいかない事情がそこにはあった。
王都の冒険者ギルドも一時解散となり、チーフのエリィもカイゼルラントへと異動することになったようだ。シルバール王国での冒険者ギルドの大本が無くなることになり、冒険者達も王都を次々と脱出するしかなくなってしまった。極星騎士団の治安維持もなくなった上に、冒険者達もいなくなったことから王都は、急速な治安悪化により血なまぐさいことになっていた。強盗などが続発したのだ。既に力のある貴族や商人達は逃げ出していた事もあり、狙われたのは裕福な平民や下級貴族たちであった。小さい商店なども狙われ、国の末期を演出するかのようであった。
そんな状況下の中、沙更と短い期間で友達になったサマンサとケイトの家族ごと辺境に招待することにした。無論、リエットも了承の上である。ただ移り住むだけならリエットの許可はいらないが、商売をしたり何かを作るとなれば知っておいたほうがいいだけに先に話を通しておく。
カタリーナにも、沙更から手紙を書いて出しておいた。伝えておく必要もあったし、ガーゼルベルトから情勢は聞いていても王都の状況がここまで悪化しているとは思ってもないだろうと推測したからだ。それは当たっていて、連絡しておいて正解だったのは後で知ることになる。
ガーゼルベルトの宰相辞職に際し、宰相の屋敷と辺境伯の屋敷で働いていた人達に辞めるかそれとも辺境に来るかを雇っていた人達に聞いた。このまま王都に住んでいられないことを薄々感じていただけに、雇っていた人達全員辺境への移住を希望した。
それをうけて、ガーゼルベルトは辺境に帰還をする事を決めた。ジョージ41世からウィリアムのことを託されたこともあり、かなり急ぐことになったがそれですら間に合わせたあたりは流石に老将と言えた。これ以上王都にいれば、貴族連合軍とこの王都でやり合うことになる。補給も出来ない状態になっていることから、糧食すら確保出来ないで戦などもってのほかであった。
戦を知り尽くしていると言っても過言じゃないだけに、無謀なことをするつもりもない。リエットのこともあるし、防戦をここで行うつもりはなかった。いかに沙更たちの支援があろうともここでの防戦は無駄になると分かっていたからだ。
屋敷から金銭と宝石、そして重要な物資は既にまとめられて後は動くだけの状態になっていた。移住することを決めた使用人たちが率先して動いてくれたからで、ガーゼルベルトがそれだけ尊敬されてきた証であった。
「ついにここから去るときが来たか」
馬車に乗り込んだガーゼルベルトは、屋敷を見上げてそう言う。この屋敷は先王に土地を与えられ、ガーゼルベルトの資金で建てたものだっただけに、思うところはある。王家に成り代わりたいと思ったところで、上手くいくはずがないことを理解していない愚か者が多いのだから。
第121話 王都シルバールからの撤退
ガーゼルベルトとウィリアム第二王子がシルバール城から馬車で、宰相の屋敷に戻ってくると既に極星騎士団が待ち構えていた。既に、王都の治安維持の任は解いてあったからだ。宰相の職を辞したこともあり、これ以上の治安維持がもう出来ない。これ以上治安維持に力を割くわけにもいかない事情がそこにはあった。
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そんな状況下の中、沙更と短い期間で友達になったサマンサとケイトの家族ごと辺境に招待することにした。無論、リエットも了承の上である。ただ移り住むだけならリエットの許可はいらないが、商売をしたり何かを作るとなれば知っておいたほうがいいだけに先に話を通しておく。
カタリーナにも、沙更から手紙を書いて出しておいた。伝えておく必要もあったし、ガーゼルベルトから情勢は聞いていても王都の状況がここまで悪化しているとは思ってもないだろうと推測したからだ。それは当たっていて、連絡しておいて正解だったのは後で知ることになる。
ガーゼルベルトの宰相辞職に際し、宰相の屋敷と辺境伯の屋敷で働いていた人達に辞めるかそれとも辺境に来るかを雇っていた人達に聞いた。このまま王都に住んでいられないことを薄々感じていただけに、雇っていた人達全員辺境への移住を希望した。
それをうけて、ガーゼルベルトは辺境に帰還をする事を決めた。ジョージ41世からウィリアムのことを託されたこともあり、かなり急ぐことになったがそれですら間に合わせたあたりは流石に老将と言えた。これ以上王都にいれば、貴族連合軍とこの王都でやり合うことになる。補給も出来ない状態になっていることから、糧食すら確保出来ないで戦などもってのほかであった。
戦を知り尽くしていると言っても過言じゃないだけに、無謀なことをするつもりもない。リエットのこともあるし、防戦をここで行うつもりはなかった。いかに沙更たちの支援があろうともここでの防戦は無駄になると分かっていたからだ。
屋敷から金銭と宝石、そして重要な物資は既にまとめられて後は動くだけの状態になっていた。移住することを決めた使用人たちが率先して動いてくれたからで、ガーゼルベルトがそれだけ尊敬されてきた証であった。
「ついにここから去るときが来たか」
馬車に乗り込んだガーゼルベルトは、屋敷を見上げてそう言う。この屋敷は先王に土地を与えられ、ガーゼルベルトの資金で建てたものだっただけに、思うところはある。王家に成り代わりたいと思ったところで、上手くいくはずがないことを理解していない愚か者が多いのだから。
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